#46 TJ MAX・おトイレがない!・・・ニューヨーク1人旅 2018年11月3日(土)3日目・・・5

Union Square(ユニオンスクエア)のBarnes & Nobleを出て、赴くままに歩き出した。特に目的地は決めず、とにかく進んだ。地図の詳細が頭に入っていないことで、この先何があるのか、どこに辿り着くのかわからず、何に、どんなことに出逢えるのか、わくわくした。

歩きながら、ふとある店舗に目をやると、レディースの洋服が同じ方向を向いてズラッと並んでいるのが見えた。決して高級ブランドではなく、庶民的に見えた。

TJ MAX

おトイレついでに入ってみると、日本にある西友やイトーヨーカ堂に入店したかのように錯覚してしまった。日本でも売られているような、カジュアルな服や靴がたくさん置かれていて、値札を見ると20ドル~40ドルが多く、驚いた。なんだ、日本もNew Yorkも変わらないではないか。

そういえば地下鉄に乗っていても、特別高級ブランドや派手な服を着た人はいないし、日本人が着ていても何ら違和感のないカジュアルな服装の人ばかりだ。5番街には高級ブティックが軒を連ねるが、一歩外に出れば、私と変わらない一般庶民なのだ。
急に親近感がわいて、嬉しくなった。私の頭の中では、New Yorker特にManhattanに住んでいる人はみな高額所得者で、1枚10ドルのTシャツなど着ない人たちだと勝手に思い込んでいたからだ。それなのに、Union Squareから徒歩圏内に、こんなにお値打ち商品を売るショップがあったとは。

TJ MAX。洋服以外にも生活雑貨、スポーツ用品なども売られていた。
ブランド品が安く手に入ることもあるそうだが、庶民の味方のようなお店だった。

さて、段々切羽詰ってきたので、TJ MAX内でおトイレを探す。だが、中々見つからなかった。ない、ない、表示がない。せめてrestroomの看板だけでも見つけられれば行けるのだが、ない。
散々見回った洋服コーナーを抜け、パジャマコーナーを通り、靴を眺めつつ、雑貨コーナーをうろつくが、見つからない。いや、ないはずはない。
店員だって入るだろうし、もちろん客も利用するだろう。たいていはフロアの角方向にあるはず。
広いフロアを端から端まで歩いて見た。やはりない。こうなったら聞くしかないので、出入口まで戻り、セキュリティの女性に尋ねた。
「Where is restroom?」
女性はフロアの遠ぉーく端を指差しながら、早口で説明してくれた。
ダメだ。何を言っているのかさっぱりわからない。ただ、指を差したということは、そこにおトイレがあるということだろう。
まったく理解できなかったが、一応、
「Thank you」
とお礼を言い、再び広いフロアを奥へ、奥へ。
そして先ほど見た鍋やフライパンが並ぶコーナーに突き当たった。
やはりrestroomの表示はない。さらに聞く店員もいない。歩いているのは客だ。ここは諦めて我慢し、違うビルを探すか……。
と思った瞬間、1人の女性が壁の向こう側へ入っていくのが見えた。
壁の向こうにまだ行けるところがあるのか……? 
小走りで行ってみると、あった! Restroom。
なんだ、こんな壁の奥に隠してあったのか。どうりでわからないはずだ。

そして入ってみてビックリ! John F. Kennedy International Airport(ジョン・F・ケネディ国際空港)で入ったおトイレと同じく、個室のドアも壁も上下とも30cm以上は開いている。下からくぐったら簡単に隣の個室に行けてしまうほど開いていた。オナラを含むモロモロの音も丸聞えなのだ。
さらに、鍵の横の穴がでかい! 外から覗いたらバッチリ見えてしまう大きさ。一瞬怯んだが、ここは郷に入ったら郷に従え。そして人間誰しも出るものは出るのである。

扉・下
扉・上
丸見えの穴

まあ、用が済んでしまえば、どうってことないか。

スッキリしたところで、再び赴くままに歩こう。
出入口でセキュリティの女性にもう1度、
「Thank you」
とお礼を言う。すると、〝まったく、あんたは! でも間に合ってよかったよ〟と軽く頷いてくれた(ように見えた)。

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