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【読書感想】受け身な人にこそ必要な考える力

今回は読んだのは「考える力をつける3つの道具 著:岸良裕司」です。
結局いつも受け身になってしまう自分には、まず考える事について知らなければいけないのではないか?と思い、分かりやすそうなこの本を読みました。

結果、
本書で書かれている3つの道具を使い分ける事で、日常に起こるあらゆる問題を整理し、解決策を自分で考えられる様になると思いました。

この本で紹介されている3つの道具とは
・ブランチ
・クラウド
・アンビシャス・ターゲットツリー
の3つです。

文字で説明するのは難しいのですが出来るだけ短くまとめるなら、
・ブランチは問題が起こった時の自分の行動やその理由を論理的に辿り、問題の原因を探ったりこれから起こる事を予想出来ます。
困った事が起きると汎用的に使える方法です。
・クラウドは対立する意見がある場合に、何が対立しているのか整理して両者が得をする方法を模索出来ます。
これは自分の中で相反する意見が起こった時にも、他者と意見がぶつかった時にも使えます。
・アンビシャス•ターゲットツリーは何か目標がある時に、その目標を実現するまでにどんな障害があるのか、その障害を乗り越える為に具体的に自分が何をすれば良いのか考えられます。
1日の仕事のノルマから将来の夢まで、フワッとしていた遠い目標への道しるべ見えてきます。

この3つを状況ごとに使い分けられれば、困っている事や悩んでいる物事の状況を整理して、自分で解決方法を考えられると思います。

この本では童話の「うさぎとかめ」のうさぎ
「アリとキリギリス」のキリギリスを例に、老若男女に分かりやすく説明してくれます。
ここでは、練習も兼ねて、最近自分の些細な悩み事を例にしてみたいと思います。

問題:予定していた時間に帰りたいけど、他の人の仕事を待たないと帰れない
ここで自分の中に二つの対立する意見が生まれます。
「帰りたい」と「待たなきゃ」です。
ここで使用する考え方が、対立する意見を整理するクラウドです。

初めに、その意見を実行する事で自分が起こす行動をそれぞれ書き起こします。
行動1:予定通りに帰る
行動2:帰らない(他人の仕事が終わるまで待つ)

続いて、この二つの行動の共通目的を考えます。
この場合は「その仕事を次の日中に終わらせる」です。
どちらの行動も仕事をほっぽり出して楽になりたいわけではありません。
寧ろちゃんと仕事をしたいからこそ、早く帰りたいけど、仕事仲間の気分を悪くさせたくないというジレンマが生まれています。

次はこの二つの行動の要望をそれぞれ考えます。
行動1は「早く帰る事で翌日早めに出勤し、その分仕事に早く取り掛かる」
行動2は「他の人を待つ事で、相手を蔑ろにしていない気持ちを表したい」
これがそれぞれの行動の要望です。
生活リズムを整えてパフォーマンスを上げる事と相手を気遣う事で人間関係を良くする。
仕事をする上でどちらも守れるなら守りたい事です。

最後にこの2つの要望を両立する方法を考えます。
考えた結果、「相手に、次の日の朝からその仕事に取り掛かる為に早く帰る事をちゃんと説明する」という案が私は浮かびました。
早く帰りたいけど、何も伝えずに帰ったのでは相手が良い印象を持たないかもしれません。
何より、自分自身が相手を嫌な気持ちにさせたのではないかと勝手に思い込んでストレスになる可能性もあります。
しかし、きちんと自分の意志と理由を説明すれば相手の理解も得られてお互いに余計な気苦労を負わずに済みます。
そして、約束通りに次の日の早い時間から来てその日の間に終わらせられれば、(あくまで私の目線からですが)誰も損をする事なく目的を達成させられるのです。

実際にはその日、自分の残っていた仕事をしているうちに相手の仕事が完了して、待つ事もありませんでした(取らぬ狸の皮算用でした)
しかし、この考え方を知る前なら理不尽な拘束に嘆き、悲劇のヒロインさながらぐちぐち文句を脳内で回してストレスに支配されていたと思います。
余計な事で頭がいっぱいになったせいで、仕事の進みも遅くなっていた事でしょう。
クラウドの考え方を知ったおかげで「こうすれば良いのか!」というアイデアを導き出せました。

他の2つ、ブランチとアンビシャス・ターゲットツリーもとても有用な考え方で、私はこの知識を10歳の時に知っていたら今と全然違う人生を歩んでいたんだろうなと思いました。
時間は戻せないので、今知る事が出来て幸せだと思う事にします。

物凄く良い本で、読後は日本語読める人類は全員読むべきと思いました(笑)
それは過言としても、もし悩み事や不安があるけど、現実としてどう動いて良いか分からない人。
やる気はあるし目標もあるけど結局いつも途中で挫折してしまう人。
色々試しても結局時間が経つといつも通りになってしまう人。
そんな人はこの本を読むと解決策を導くヒントが貰えると思います。
私はこの本を読んで生き方のレベルが1つ上がった気持ちになりました。

著者も書いていましたが、義務教育で考える力を養う時間が義務化されていれば、日本がもっといろんな面で良い方向に向かうのではないかと、割と真面目に思ってしまいました。
久しぶりに本気で人に勧めたくなる本と出会えました。

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