幼児向けの歌でありながら実は深い人生の哲学を歌う歌
生後9ヶ月の娘の寝かしつけにサブスクを利用して英語の歌を流しているのだが、そこで初めて出会ったのがRow, row, row your boat という曲。
Row, row, row your boat,
Gently down the stream.
Merrily, merrily, merrily, merrily,
Life is but a dream.
ボートを漕ごう 漕ごう
ゆっくりと流れに乗って
楽しく陽気に陽気に
人生は夢にすぎないのだから
寝かしつけるために聴いていた私の耳はビックリ。
えっ?Life is but a dream?人生は夢にすぎない…
サラッと最後に深い哲学のようなことを歌って終わった。これが幼児向けの歌なのだから驚きである。そしてこの歌の起源は古く、19世紀に誕生しているらしいのだ。
人生はボートを漕ぐようなもの。流れに乗って楽しくいこう。人生なんて夢なんだから。
話は少し逸れるが、私は子供の頃私が私以外の誰でもないことがとても不思議だった。地球上にこんなにたくさんの人間がいるのに、その中で私はたった1人で他の誰でもないのである。
道ですれ違う人の顔は見ることができるのに、私は自分の顔を見ることができない。それは、私という意識は私の中にいるから。これもまた不思議であった。
アリがエサを一生懸命運んでいる様子を見ながら、私はなんで人間に生まれたんだろうと思ったものだった。
今自分という存在が生きていることは、地球が誕生してからの長い時間軸で考えれば点にもならないような短い時間。この途方もない長い時間の中で自分という存在が生きているのは一瞬なのだ。そしてこれまでもこの先も二度と自分と同じ人間はどこにも出てこないのだ。(生まれ変わり、輪廻という考えはあるが一旦おいておく。)
そうであるなら、この歌のように、終わってみれば夢のようなものだったと思うくらい楽しく気楽に流れに身をまかせ今を生きることが生きやすいのではないだろうか。このコロナ禍で、少し立ち止まりこれからの生き方を模索している人も多いのではないかと思うが、図らずも娘の寝かしつけソングを耳にしてふと考えたのであった。
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