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部屋の掃除をして気分が爽快になった日、のための曲 #03

今日にぴったりな、今日のための音楽を紹介

エドワード・エルガー(1857–1934) /   威風堂々

昨日の夜にどうしても部屋の中をすべて取り払ってしまいたい気分になった。
思い立ったら我慢できなくなってしまうタイプなので、それはもうほんとうに大掛かりな大掃除をした。これはなんだ?と思い返せないほど昔のものまで、全部を捨てて空っぽにした。部屋の本来の姿をみた。(ちなみにそこまで汚くはない、ただ楽譜と本が山のように積み上げられているだけのこと、何山もあり、わたしは部屋で山脈をつくっている)
そしてそんなすっきりした気分の中でわたしが有意義に聴いたのが、これだ。


部屋の大掃除を終えて爽快な気分になった、そんな日のための威風堂々

エルガーはイギリスを代表する作曲家である。

彼は7人兄弟であり、プロ顔負けのヴァイオリニストでピアノ調律師で楽器屋を営んでいた父親と芸術が好きな優しく応援してくれる母親のもとで育った。
幼い頃を過ごしたイギリスの田舎町はとても美しく、彼の芸術センスにはその影響が大きく現れている。(実は国外のライプツィヒ音楽院に留学しようと試みるが金銭的な問題で断念している。しかし後で、その選択は彼のほかと染まらぬ独自のヨーロッパらしさ、そして英国らしさに繋がったと評価されることとなる)

イギリスという国はドイツやイタリア、フランスなんかとはまた少し違った文化をたどっていて、作風がまた違うのだ(!)

難しいのでイメージでいうと、ハリーポッター。あれは完全にイギリスの響きをしている。ドイツやフランスにホグワーツ魔法学校があったら多分まったく違う雰囲気の曲が流れていたはず。(すごくわかりにくい、なんせわたしはハリーポッターを詳しく知らない)

そんな魔法少年の物語が生まれるだいぶ前にイギリスで一躍人気スターとなったエルガー。彼の絶頂期1901年から、1930年にわたって作曲したのが威風堂々である。6曲ある。
タイトルはシェイクスピアの『オセロ』のなかのセリフから採られている。
”Pomp and Circumstance”   誉れも、飾りも、立派さも
こう考えると翻訳というものの恐ろしさを改めて感じてしまう。

とにかくこの曲はすぐに国内外で人気となり、エドワード7世の戴冠式では第1番のトリオの部分に歌詞をつけて演奏されたり、アメリカでは卒業行進曲として学校の卒業式に使われるほどだった。この歌詞のついた部分は『希望と栄光の国』という別名がつけられイギリスの第2の国歌的存在となった。

とても有名な1番だが(4番も比較的有名かも)実は6番まであるなんてことは知らない人も多い。エルガーだって生涯を通してかいたんだから、一度くらいは全部聞いてみてほしい。まったく飽きない、全部それぞれ違う。吹奏楽的でおもしろい。ピッコロ頑張っているなあ、金管楽器の壮麗さが素敵だなあ、と。
ちなみに6番は執筆中に亡くなってしまったので、アンソニー・ペインという人が代筆して仕上げている。

(YouTubeで全部のっている素晴らしい音源がみつからなかった、、、)

威風堂々は行進曲であり、行進曲というのは軍楽や儀式がもとなので人が歩きやすいくらいの速度で作られている。2拍子や4拍子が主である。そんなこともイメージしながら、ぜひ。


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