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【読書記録#124】 東京に暮す: 1928~1936

<2024年7月29日にインスタに投稿したものをシェアしています>


東京に暮す: 1928~1936
キャサリン・サンソム  著, 大久保 美春 (翻訳)

イギリスの外交官にして日本研究者である夫ジョージ・サンソムの赴任に伴って来日したキャサリン・サンソム夫人が昭和初期の東京の街と人々のくらしを描いた人間観察記。

読むのを躊躇うほど、岩波文庫の文字サイズは小さすぎて、暫く積読本になっていたのだけれど、先日リーディンググラスデビューしたので、積読本を解消すべく読んでみた。

お堅い感じかと思ったら、翻訳の方が上手く翻訳してくださったおかげで、とても読みやすくて、描写も面白く、スイスイ読めた。

上流階級出身の外交官夫人でありながら、一般庶民が乗る二等列車に乗ったり、銭湯へ行ったり、デパートへ行ったりして庶民の様子をかなり詳細に観察しており、研究者レベルの観察力に驚いた。  

読んでいて意外だったのは、日本の生活スピードが、イギリスのより遅いと述べていた点。その当時の庶民が今の生活にタイムスリップしたら、スピードの早さに驚くだろう。また、彼女はこうも述べている。

「日本人には私たちにはない落ち着きがある。人生が彼らの中や傍を流れています。彼らはあさって人生を迎い入れたり、人生の舵を取るようなことはしない。」この当時に暮らしていた人々が羨ましい。

また、これは他の外国人の滞在記でも言われているけれど、夫人の目にも日本人が謙虚ながらも陽気で親切なことや、「笑い」は日本人にとって大事なことにも触れていて、「お笑い」が大好きな日本人は今も昔も変わらずで、何だか嬉しかった。


アジアに対して強い偏見を持っていた時代に、異文化を理解しようとしてくださったことや、本書を通して日本や日本人のありのままを世界に広めるきっかけを作ってくださったことに感謝。

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