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"経営管理"に向き合うログラスの可能性(ドメイン編)

※この記事は、ログラスの選考を受けてくださっている方や興味をもってくださっている方、また最近ご入社された方の中でも、「ログラスのドメインやプロダクトの解像度が低いかも・・・」と感じられている方々に向けて書いています

※記事を読んでいただくことで得られる期待効果はこちらです

・経営管理ドメインがちょっと身近に感じられる
・経営管理ドメインの市場ポテンシャルがわかる
・経営管理ドメインに取り組む社会的意義がわかる

(追記)後編としてのプロダクト編も書いております、合わせてお読みいただけると嬉しいです!


こんにちは!ログラスの浅見と申します。

"経営管理"

この言葉を聞くと、皆さんはどのようなイメージが浮かびますか?
複雑な数値の羅列を管理する、遠い高みでの意思決定をリードする、経営層にのみ関わる業務領域・・・などなど
多くの人にとって、経営管理は理解しにくく、身近ではないものに映っているかもしれません。
しかし私は、経営管理の世界はとても深く、奥行きがありながらも、皆さんの日常業務とも深く連携している領域であると思っています。

私たちはお客様とのコミュニケーションや、カスタマーサクセスを通じて経営管理の奥深さとその可能性を目の当たりにしていますが、経営管理は単なる数字や予算の追求を指すものではありません。
経営管理の意義を端的に言えば、目標に向かって全社一丸となり、日々の選択を通じて企業を成長させるための道筋を描いていくことです。これは一種のコンセプトとも言えるものであり、各部門の目標がいかに会社全体のビジョンと連動しているかを体感してもらうためのものだと考えています。(後述します)

一方で皆さんも向き合っていく中で感じられている通り、現代のビジネス環境は予測不可能で、常に変化しています。動き続ける市場の動向、技術の進化、そして内部環境の変化は、会社の意思決定を複雑にし、実行することを難しくしています。

だからこそ、私たちのプロダクトにも価値がでてくるのですが、経営企画などのドメイン経験のない方にとっては、これらの解像度が上がりにくく、一体ログラスはお客様にどのように価値を届けているのか?がかなり伝わりにくい状態だなとも感じております。
そのため、今回私がいつも採用面談等でお話ししている内容を改めて発信していきたいなと思い今回の取り組みを始めてみました。

今回は前編的な立ち位置で、経営管理というドメインを親近感を感じていただいたり、その市場の可能性を知っていただくような内容にしていこうと思います。
後編ではその中でも私たちのプロダクトがどんな価値を提供しているのか?というものを言語化しつつ、最終的にはそれらを通して、私たちのミッション「良い景気を作ろう。」をどのように実現しようとしているのかを少しでもお伝えできれば幸いです。

"経営管理"は身近な存在である

"経営管理"や"予実管理”と聞くと、特別なスキルや知識が必要で、自分とは無関係な業務だ・・・と感じる方も多いかもしれません。
(もしくは予実管理はやったことあるけど、どんな意味があってやっているかわからない、という方もいるかも)

しかし、実際はどの組織も、小さな意思決定から大きな戦略決定まで、経営管理と同様のプロセスを日々の業務に取り入れており、とても身近な業務でもあると私は考えています。

例えばマネージャーの方は、目標を設定し、その達成に向けて人員やコストのリソースの配分を決めて実行、達成状況を確認しながら改善を回していくなど・・・のアクションを日常的にやっていると思います。
メンバーの方でも、ご自身に与えられた役割遂行、目標の達成のために時間をどう配分するか、リソースをどう活用するかを考え実行し、進捗状況をマネージャーに報告・相談しながら改善を行われていると思います。

これは経営企画の方々が全社の予算策定や経営会議の運営でやっていることと同じであり、皆さんが普段から行っていることは、自チームを1つの会社として見た時の"経営管理"であると言えます。

もう少し言えば、上記図のように会社の目標が細分化されたものが部門やチームの目標でもありますので、本来的には皆さんが普段から取り組んでいる目標管理やPDCAを回す活動は、すべて経営管理の活動と地続きに繋がっているべきだとも考えています。

ちなみに、この考え方の非常に大きな概念が"アメーバ経営"というものです。アメーバ経営自体は非常に有名であり、関連した書籍もたくさんでているので気になる方は是非読んでみてください。
(ここでは、アメーバ経営を提唱された稲盛先生のオフィシャルサイトの内容を一部引用して紹介するのみとします)

稲盛が経営の実体験の中で創り出した「アメーバ経営」では、大きな組織を独立採算で運営する小集団に分け、その小さな組織にリーダーを任命して、共同経営のようなかたちで会社を経営します。

このような経営手法を用いれば、会社のすみずみにまで目が行き届き、きめ細かな組織運営が行えるようになるのです。

アメーバ経営では、会社の経営方針のもと、アメーバリーダーにその経営が任されています。リーダーは小さな組織の経営者として、上司の承認を得ながら自らの経営計画を立て、実行の任にあたります。そのため、経験は短くても経営者意識にあふれるリーダーを育成することができます。

そのリーダーが中心となり、アメーバの構成メンバーは、自らの目標を立てて、それぞれの立場で目標達成に向けて最大限に努力します。その結果、全員が目標達成に向けて力を結集する「全員参加経営」が実現できるのです。

つまり、アメーバ経営とは、組織を小集団に分け、市場に直結した独立採算制により運営し、経営者意識を持ったリーダーを社内に育成すると同時に、全従業員が経営に参画する「全員参加経営」を実現する経営手法なのです。

稲盛和夫オフィシャルサイト アメーバ経営 より引用

こう考えていくと、経営管理は皆さんと縁が遠いものではなく、業務としては近しいものをすでに皆さんも経験されており、領域としても実は密接に関わるものであるということがわかっていただけるかと思います。

経営管理の考え方やモデルは様々ありますが、コアプロダクトである"Loglass 経営管理"を活用いただく多くのお客様は、経営管理を通して、社内のチーム全員が目標に向かって効率的に作業を進めることを目指しています。
ある意味ひとつの目標管理システムとしてもプロダクト活用をいただいており、各部門の目標が会社全体の戦略とどのように連動しているかを可視化し、それに基づいて日々の業務を調整されています。

SNSでおなじみ、現在はスマートフォンゲームの「モンスターストライク」、子どもの写真・動画共有アプリ「家族アルバム みてね」など多事業を展開する上場企業のMIXI様の事例でも、単なる業務効率化という枠を超えて、事業部門との会話の質が向上したことについて触れていただいています。

ー Loglass導入後の効果はいかがでしょうか。

小池様:これまでは、プロジェクトごとに100を超えるスプレッドシートの複製や修正を行って予実レポートを作成していましたが、その全てをLoglassに一元化することができました。

久保山様:以前は過去の比較データの提出を求められた際には、その都度データを集計しレポートを作成していたのですが、現在は「Loglass見てください」と言うだけで対応できています。イレギュラーな依頼にもすぐに応えられますし、何より正しい数値に基づいて事業部と会話できるようになったのは大きいです。

Loglass 導入事例 株式会社MIXI より引用

"予算"を作成することの意義

そんな経営管理業務ですが、皆さまがその中でも1番最初に想起するタスクが”予算策定”かと思います。
そのため、この予算策定における意義についても話していきたいのですが、こちらは最近LayerX代表の福島さんが書かれたnoteがとてもわかりやすかったので、是非読んでいただければと思います。(一部引用させていただきます)

予算(事業計画)とは現在の事業理解を反映したものである。予算は、売上の発生メカニズムやコストの発生メカニズムをモデル化する。モデルの中には変数(パラメータ)があり、基本的にはこの変数を達成していれば、予算が自動的に達成されるという前提で作られる。つまり予算は、その時点での事業の理解そのものを表している。

予算と実績が合わないということは、事業の理解が浅いということである。何かしら前提としていることが間違っている、見落としていることがある、わかっていないことがあるということである。事業の理解が浅いと、どれくらいのリソースを投下するとどれくらいのリターンが得られるかをコントロールできていないことになるため、投資の不確実性が高い状態とみなされる。

投資の不確実性が高い状態だと、資金調達コストが上がる。仮にまったく同じ構造の事業をもつ2社があるとする。コントローラビリティが高いとみなされる会社と、そうでない会社で集められる資金量は大きく変わる。

結果として、予実管理能力の差により、同じ構造の事業を営む会社でも資金調達能力に差が出る。資金調達が原資となり、プロダクトへの投資、営業活動への投資はすすむので、資金調達能力に差が出るということは、プロダクトの差や売上・利益の差につながる。予実管理能力の差が大きな結果の差に増幅されるということである。

note 予実管理 福島良典 | LayerX より引用

こちらを読んでいただいてもわかる通り、予算を作るということは、ある意味会社としての"意思を込める行為"であり、単に数字の目標を設定すること以上の意味を持ちます。
特に上場企業においては、予算は市場への約束、ミッションの実現に向けた社会への宣言としての役割を果たすといっても過言ではありません。
同時に予算を達成するということは、企業がその約束を守り、信頼性と透明性を市場に示すことにもなります。

一方で逆もまた然りではあります。
極端な例えをしますが、皆さんも約束を守ってくれない方に大切なお金は貸したくないですよね?

すなわち予実管理ないし経営管理業務全般は、企業が社会に対して果たすべき責任や約束を実現するための管理プロセスとも言えます。そのため上場企業は、投資家や市場に対して、透明性の高い情報開示と正確な予測を提供することが期待されており、それらの実務を担っている代表的な役割が経営企画の方々になります。

"経営管理"のペインとは

次に、そんな経営管理領域にはどのようなペインが発生しているのか?についてお話をしていきます。
ログラスは定期的に経営企画の方々に向けた実態調査活動もしておりますので、その情報も添えていきながら説明していきます。

この10年で業務におけるテクノロジー化はどんどん進んでおり、様々な領域でクラウドサービスが進んでいますが、経営管理領域はまだまだ多くの企業がExcelやスプレッドシートをはじめとした表計算ソフトを活用しているのが日本国内における現状です。

経営管理ツールの利用調査 *調査概要は文末を参照

経営管理のデータは、各部門が作成した予算や、各種システムから集まった実績データを統合していきながら分析ができる状態をつくっていくのですが、ほとんど企業では以下の様な構図ができあがってしまっており、それらを私たちは”データの断絶”とも呼んでいます。

すなわち、"正しいデータ”を保存するシステムや仕組みがなく、「なんか数字が合わない」、「なぜこの予実差(予算対比での上振れ・下振れ)が起きてしまったかの理由がわからない」といった状態が起こりやすい状況であるとも言えます。

その結果、各社の経営企画はデータの整合性を確認したり、原因について各所にヒアリングにいくなどの活動に奔走することになり、結果として分析を終えて経営会議(≒意思決定の場)にもっていくまでに、ほとんどの企業が8営業日以上をかけてしまっているのが実態になっています。

経営分析に関する調査 *調査概要は文末を参照

これを皆さんが所属するチームの目標管理にも置き換えていただきたいのですが、

  • マーケチームでの目標を決めるが、その根拠となる情報が散らばっているせいで詳細がわかっておらず、不透明感が残ったものになっている

  • フィールドセールス各人の活動情報がまとまっておらず、先月の実態が把握できて、その改善策を決められるのに半月ほどかかる

  • 営業活動からVoC(顧客要望)は集まっているが、集計・管理するデータベースがないのでなんとなくで開発方針が決まってしまう

と考えるといかがでしょうか?(実際に結構起きている!というチームも多いのではないでしょうか・・・)

私個人はこれが会社レベルで起きているのはとても恐ろしいことだなと捉えており、この間にもっと進めるべき施策、やめるべき施策の意思決定ができずに時が流れてしまうことは、業務効率性以上の機会損失が生まれているとも考えています。

"経営管理システム"の可能性

そんな大きな課題に対して、私たちの取り組んでいるマーケットについても最後に触れていきます。ちょっと聞きなれない言葉が並ぶかもしれないですが、結論としては「日本国内ではまだまだ浸透していない一方で、グローバルではすでに市場ができており、投資が進んでいる」というものになっています。

グローバルではシステム化への投資が進んでいる

と書いている通りですが、Loglassシリーズ(Loglass 経営管理、Loglass 人員計画などのプロダクトの総称)のような製品は市場ではCPM(Corporate  Performance Management)というジャンルとして確立されており、以下の様に自社の過去〜未来のデータを集約し、意思決定に使われるシステムとしての立ち位置を築いています。
(以下はCPMの言葉の生みの親でもあるGartner社のインタビュー記事から抜粋)

ビジネス+IT
CPMとは何か:BIの先へ、企業の財務予測や収益性モデリングを強化するCPMに注目せよ--ガートナー ナイジェル・レイナー氏インタビュー
より

CPMを一言でいうと「現状のビジネスの現場で起きている問題点に対処するために想起された概念でありソリューション」と言うことができます。

 これだけではやや漠然としているので補足しておくと、従来のBI(Buisiness Intelligence)ツールは、各部門単位での導入が進み、やや局所的な利用にとどまって、全体最適化を行ううえで必要な情報が不足している一面がありました。昨今ではようやくデータやビジネストランザクションをデータウェアハウスなどに集約し、それを全社的に利用するケースが増えていますが、売上分析などを主たる目的とし、もっと複雑かつ上位レベルでの意思決定に必要な情報が提供されないといった問題があります。すなわち、「今まさになにを売るべきか」「それをいつ作るべきか」「いくらで売るべきか」「なにを売らないほうがよいか」といった経営判断を行うには、現状のシステムでは不十分なのです。

ビジネス+IT
CPMとは何か:BIの先へ、企業の財務予測や収益性モデリングを強化するCPMに注目せよ--ガートナー ナイジェル・レイナー氏インタビュー
より引用

Business Research insightsのレポートでは、CPMの市場は2031年までのCAGR(年平均成長率)が17.12%、市場規模としても405億6,400万ドルにも到達するとも言われており、特に米国を中心にその浸透や投資は着実に進んでいます。

日本国内ではまだまだ自社プロダクトをもつプレイヤーは少ないですが、外資系のプロダクトがコンサルタントファームと連携して展開することも多く、徐々に注目度が高まっている領域です。
ログラスはプロダクトをリリースしてから3年半ほどが経過しますが、すでに日本を代表するエンタープライズ企業様や急成長中の企業様など幅広く選んでいただけております。

参考:世界と差が開いてしまった30年

こちらはあくまで参考程度にですが、景気を表す定量指標であり、企業経営の成績とも言える時価総額についてです。

2024年、日経平均株価の史上最高値が更新されたという嬉しいニュースもありましたが、1989年時点の世界時価総額ランキングを比べてみると、当時TOP50の内32社が日本企業だった時代に対して、現在は1社のみという衝撃の事実があります。(2023年時点では1社もなかったので、そういった意味では成長していますが)

STARTUPS JOURNAL 
2024年世界時価総額ランキング。グローバルのトップ企業と日本勢の差はどれくらい?
より

だからこそ、企業の意思決定を支える経営管理で起きている課題は、会社や日本社会全体にとっても大きな課題とも言えるものであり、日本が本当の意味での”良い景気”を作るためには乗り越えていかなければいけません。

次回予告:企業の"意思決定"を支援するLoglass

そんな中、私たちはDX化が進むこの領域の"ラストワンマイル"的な立ち位置で、「正しく、迅速な意思決定を支援する」プロダクトを提供しています。

と、ここからLoglassシリーズが提供する価値について語っていきたいのですが、前編だけでもかなりボリューミーになってしまったので、次回に持ち越します。
頑張って書きますので、お待ちください。(早く聞きたい!という方はぜひカジュアル面談でも笑)

(追記)書いております!

お話したいと思ってくださった方は、SNS等でDMお気軽に!

*調査概要

調査手法:インターネット調査
有効回答:118件
調査期間:2021年9月13日~9月29日
調査対象:企業の経営企画業務に関わる方(CFO/経営企画・経営管理・経理・財務業務を担う方)

(2024年の最新の調査もございます!順次HPで展開します)


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