猫の「つみれ」 ~つみれ通信~
数日にわたり、猫日記を書いている。これは、そいつがどういった経緯でやってきたのかのまとめnotoになる。猫マガジンは→ https://note.com/yukianemone07/m/m6e52df2d92ee
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2019年9月。我が家の敷地に、猫のフンがたくさん埋まっていることが発覚した。猫の額ほどしかないガーデンスペース。ガーデニングでもしようかと思い、土を掘り起こしたところ、ゴロゴロとアレが……。
このあたりには外猫、野良猫が多い。毎日、猫を2~3匹は見かけていた。ご近所さんも猫の糞害には悩んだ経験があったようだ。うちもその被害にあっていたなんて。
私たち家族が、今の家に引っ越してきたのは2019年8月。いったいいつから猫のフンが埋まっていたのだろう。毎日、知らぬ猫のフンの始末を続けていた。
ある日、我が家の駐車場に毛の長い猫がいた。目が合うと、一目散に逃げていった。…どこのお宅の猫だろう。
記憶にも新しい、台風19号。関東は台風の上陸が夜中だった。この日の昼間、念のための備蓄品を買いに出かける際に、また毛の長い猫を見かけた。案の定逃げていく。猫の後ろから、「今日は台風だから、困ったらうちにおいで」と語りかけた。聞いてないと思うけど。備蓄品のついでに、猫缶も買った。駐車場に置いておいた。台風の明けた次の日、猫缶は空だった。
その後、捕獲も視野に入れての餌付けを開始した。段ボール箱にタオルも敷いて、ねぐらのようにした。水も飲めるようにした。すると、毎夜その箱の中にいるようになった。朝と夜に餌を出す。私たちの顔を覚えてもらえるよう、夜はなるべく猫の目の前で餌を出した。寒い日は湯たんぽも用意した。猫も次第に、日中もやってくるようになった。雨の日は一日中我が家の駐車場にいるようになった。
そして、2019年11月25日。猫捕獲作戦を開始した。動物病院から捕獲器を借り、家には猫トイレと大きめのケージを用意した。駐車場に捕獲器を仕掛ける。餌はにおいの強いウエットフード。まぐろと鯛の風味のヤツ。猫も馬鹿じゃない。すぐには掛からないだろう。2~3日様子を見よう。
…と思っていたが、すぐに掛かった。馬鹿だった。
2019年11月26日。病院に連れていき、去勢と健康状態を見てもらう。去勢手術は無事終了。血液検査の結果も良好。しかし、白血病・エイズ検査はひっかかった。
猫エイズだった。
長い間野良をしていたから仕方ないと思うが、残念だった。今の治療レベルなら、エイズ保菌猫でも10年くらいは生きられるらしい。悲観しなくていいと先生は言った。
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先にも書いたように、私の住む地域には野良猫が多い。今日はあいつを見かけた…という話を夫とするために、共通で知っている猫については、適当な名前をつけていた。
今回捕まえた猫の名前は「つみれ」。目じりが45度くらい吊り上がったキツめの「つり目」で、イワシのすり身みたいな変な毛色だったので、「つり目」と「イワシのすり身」合わせて「つみれ」と名付けていた。
飼うのであれば可愛い名前を付けてあげるべきなのだろうが…、「つみれ」で慣れてしまった。もう「つみれ」以外出てこない。
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家に入ってからのつみれは、家の中に閉じ込められているのが苦痛なのだろう、よく鳴く。外にいたときは鳴き声なんて一度も聞いたことがなかった。猫の幸せなんて正直わからない。今は、私の事なんてとても嫌いだと思う。けれど、「あれ?この生活悪くないかも…?」なんて思ってもらえるようにお世話をさせていただきたい。
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