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#13 経営者に働き方改革はあるのか

~どんな経営者も一度は寝食を忘れ働いた経験はあるもの~

最近の「働き方改革」は,雇われる立場の人の労働環境を改善しようという政策です。その一方で,自由な働き方を目指すフリーランスとして仕事ができる環境を整備しようとする動きもあります。しかしながら,独立して自分で稼ぐということになると当然,働き方改革とは無縁なムチャな働き方をしなければならなくなります。

私も独立した当時は,3年間1日も仕事を休んだことはありませんでした。朝起きて六本木のラーメン屋に仕込みに行ってランチ営業をこなし,近くのスポーツジムのプールサイドで仮眠して夕方は銀座のレストランに入りオーナーとしてホール業務,ディナータイムが一段落したら中目黒のバーに行ってバーテンダー,深夜2時過ぎに営業車に乗って家に帰り,翌朝8時過ぎにはまたでかける,というような生活を3年続けました。

深夜車で帰る途中で睡魔に襲われ,道端に停車して朝まで車中で寝ていた,なんてこともありました。当時はまだ30代半ばで体力もあったので,なんとかやっていけたのでしょう。

ロバート・キヨサト氏の「金持ち父さん」には,雇われる立場から自営業者へ,そして経営者になって最後は不労所得で食える投資家になる,という成功へのフローが紹介されています。雇われる立場から自営業者へと変わるときには,労働時間を売って賃金をもらうという考え方から仕組みを作って利益を上げるという「発想の転換」が必要です。

そうはいうものの,私も含めいきなり「儲ける仕組みの構築」(ビジネスモデルの所有者,つまり文字通り経営者になること)ができる人はそう多くはなく(最近の若いITベンチャーの起業家などはスゴイと思います),最初は自分の時間を売る,つまりガムシャラに働くということを一度は経験しないと次のステップにいけないのではないかと思います。

きっとガムシャラに働くことができるかどうかというポイントは,その仕事を楽しめているかどうか,ということでしょう。客商売をしている人は接客が好きだし,デイトレードをしている人は画面を見ながら売買するのが好きなのです。「好きなこと」をビジネスにするのか,「できること」をビジネスにするのか,という二者選択ではなく,「好きでかつ得意なこと」をビジネスにすることが,有意義な経営者生活を送る基礎となるのではないでしょうか。

#ビジネス #エッセイ #勇者は懼れず #私の仕事

正しいことより「適切なこと」に重きをおく,プラグマティックな実践主義コンサルタントです。経営の鬼門はヒトとカネ,理屈ではなく現実を好転させることをモットーとしています。 お問い合わせは,https://prop-fc.com/mail/mail.html