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#20 おカネの上手な使い方

~使うと稼ぐは表裏一体~

以前お付き合いしていたラーメンチェーンのお話です。そのチェーンはいわゆる二郎系で,どの店も行列ができる繁盛店だったのですが,ある1店だけが他の店に較べて利益が残らなかったのだそうです。それである時,チェーンのオーナーがその店を見に行ったところ,そこの店長が常連さんにニコニコしながら,味玉を1個サービスしたりチャーシューを1枚サービスしたりしているのに気が付きました。オーナーは「こんなことをしてたら利益が残らんのは当たり前,こんなの意味がないからもうこの店は潰す!」と激怒,店長はその場で凍り付いていたそうです。

お客様第一でサービスするのは悪いことではありませんが,儲けが出てそこから自分の給料が支払われるのだということを,この店長は理解できていなかったのでしょう。経営者と雇われ店長の意識の差は,こういったところに現れるものです。サービスする時は気持ちよくサービスしながらも,常に頭の中で利益を計算しながら商売をしていかないと,丼勘定ではまったく儲けが残りません。「料理して客あしらってカネ勘定」成長する経営者は自然体でこの三拍子が揃っています。

何でもかんでもでケチケチしすぎる経営は,窮屈すぎて新しい発想も生まれず,尻すぼみしてしまいます。かといって大盤振る舞い過ぎても脇が甘くて儲けが逃げてしまいます。うまい塩梅でおカネを使うための第一歩は,何のためにおカネを使っているのかを意識することです。つまり,何のためのこのおカネを使っているのか,このおカネはどのように使われてどんなふうに戻ってくるのか,を常に考えるということです。斎藤一人さんは,おカネを使う時に「ありがとう」というそうです。「また帰ってきてね,できれば増えて帰ってきてね」と,心の中でおカネに声をかけているのだそうです。

自分が働いてその対価としておカネをもらうというのではなく(これは経営者ではなく従業員の考え方),おカネに感謝しつつおカネに働いてもらって,おカネに大きくなって戻ってきてもらう,という考え方がビジネスオーナーとしての経営者の考え方です。おカネを使うというリスクを取ることなしには,儲けというリターンを期待できないことは自明の理です。経営者にとっては,おカネをどう使うかということは,おカネをどう稼ぐかということと同じだということを,肝に銘じておかなければならないのです。

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#ビジネス #エッセイ #経営 #コンサルタント

正しいことより「適切なこと」に重きをおく,プラグマティックな実践主義コンサルタントです。経営の鬼門はヒトとカネ,理屈ではなく現実を好転させることをモットーとしています。 お問い合わせは,https://prop-fc.com/mail/mail.html