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思いを馳せる

「あの事件知ってる?赤ちゃん公園に埋めたってやつ。やばいよな、感覚普通じゃない。」

昨日の仕事からの帰り道。
後ろを歩くカップルの会話が耳に飛び込んできて、なんとも複雑な、悲しい気持ちになりました。

空港で1人で出産する。
自分が産んだばかりの赤ちゃんの口にティッシュを詰めて窒息死させる。
そして、遺体を公園に埋める。

確かに普通の感覚ではありません。
そして、感覚の差異程度で、できるか否かかが分かれるようなことでもありません。

それ程の行動を取らなければならない程、彼女を追い込んでいた環境とは何だったのでしょうか。

当時対応した産婦人科の医師がNHKの取材に応じました。
医師によりますと、診察で妊娠が分かったため出産する病院などを考えるように伝えましたが、あいまいな答えをすることがあり少し様子がおかしいと感じたといいます。
医師は「妊娠していることを伝えると本人は黙ってうなずいていた。特にショックだという顔ではなかったが、喜ぶ様子もなかった。中絶できる時期はすぎていたので、そういう話はしなかった」と話しています。

itukaさんの「母は容疑者か、被害者か。」の記事にとても共感しました。

まだ、詳しい背景は明らかになっていません。
明らかになったところで、赤ちゃんの命を奪ってしまったその行いは決して許されるものでもありません。

ただ、
「やばいよな」の一言で断じてしまうのではなく、
その人が置かれていた状況や環境について思いを馳せる、想像力を持てる人が1人でも増えたら、
世の中は少し良い方向に変わるのではないだろうか。

そして、
1人で抱え込んでしまうのではなく、誰かに、どこかに繋がることができたなら、こんなにも悲しい事件がなくなる未来に少しでも近づけるのではないだろうか。

そんなことを、寂しい気持ちを抱えながら、考えさせられました。

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