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easy poem「季節のころ」

節分を迎えるころは
最期の一輪の花殻が立つ
四匹のうち一匹の鬼が
くしゃみをしながら
それを摘みとり
ぱきっぱきっ
と、手もみをする

衣装ケースの中の古くなって
捨て時がきた服を袋に詰める
行事ごとに写るどうしても
名前を思い出せない人の顔
色褪せたアルバムの写真は
記憶の抜け殻さえ
アイロンをあてたとして
シワが伸びることはない

橋を渡りきるまで
ごみ収集車を見送る
足りない気がして
橋へむかうと新しい空が
きっと夕方には
気象予報士を困らせる
次の鬼はクローゼットの中で
むずむずする鼻を掻く

予報外れて快晴の朝
花殻が立つ音が聴こえる
新品のシーツを洗い
お布団を干す
それから
鬼の顔色うかがいながら
ベッドの上で
一匹の鬼と
一人の私が
終わりと始まりの
でんぐり返しをする

#詩
#ポエム
#節分
#季節
#季節の行事

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