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2016年ドラマ「荒地の恋」

原作、ねじめ正一のドラマ。戦後の詩誌「荒地」の同人であった詩人、北村太郎の物語。

詩歴5年の私には、まだまだ知らない詩人、読んだことのない詩人、がたくさんいる。北村太郎という詩人に出会ったのは、松下育男さんの詩の教室だった。対談ゲストが北村太郎のお嬢様の融理子さんだった為、予習としてねじめ正一「荒地の恋」北村太郎「センチメンタルジャーニー」を読み、そして教室からの資料として数篇の詩を読んだ。すっかり北村太郎という詩人に魅せられ、融理子さんから「北村太郎の全詩篇」を購入させて頂いた。そしてプライムビデオでドラマ化されていることを知り早速観ることに。やはり原作を読んでから映像化された作品を観る方が断然に良いと改めて思う。

北村太郎の全詩篇
センチメンタルジャーニー
荒地の恋


中年と言われる年齢まで勤め人をし家庭人としてごく普通に生きてきた北村太郎が、詩の外の世界でも著名な田村隆一の妻と不倫関係になるというなかなかヘビーな実話。芸術家と呼ばれる人種は破天荒であるべきものなのか。そして詩人という括りで繋がる荒地の同人たちの関係性はとても興味深い。今の時代ならば、いや当時だって、不倫物語はそこらじゅうにごろごろ転がり秘密裏に進められているであろうにも関わらず北村太郎は「恋に落ちた」と妻に告白してしまうのである。言わなきゃいいのに自分勝手、間抜け、ばか正直、いやある意味そうゆう自分にも他人も実直過ぎて律儀過ぎるところが北村太郎が多くの人に愛された所以なのかもしれない。そしてこの頃から積極的に詩作をし多くの詩集を世に送り出している。北村太郎が北村太郎として生きた晩年は素晴らしく北村太郎そのものであり、自分らしく生きる意味を考えさせられる物語である。

北村太郎役の豊川悦司、田村隆一役の松重豊。田村和子役の鈴木京香。豪華な俳優人で繰り広げられる荒地の恋は圧巻。

#荒地の恋
#北村太郎
#不倫
#ドラマ感想


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