見出し画像

日記「夜の柿」

夜になっても柿は落ちていなかった。この柿は甘いかな渋いかな。

日課のウォーキングは日によって歩幅も速度も見える景色も違う。たぶん身体が気分に大きく影響されるのだろうと思う。

今日は枯葉と共に嬉しい便りがポストに舞い込んだ。私には大き過ぎる夢に小さく小さく一歩近づく。少しずつ少しずつでいい。他の誰かからみたら蝸牛ほどの歩み。私はそれでいい。ぬめぬめっと跡を残しながら幾日、幾月、幾年、どれだけの時がかかっても進み続けるのだ。

足が痛い。いつもと同じ橋で折り返して来たのに、いつもの曲を聴かずにお家に着いた。歩幅はひろく速度ははやかったのだろう。マスク越しにあの手入れの行き届いた庭のお家からパンが焼ける香りがした。あの柴犬は赤いお洋服を着せられていた。あのおそろいのジャージを来た夫婦は楽しそうに笑いながら歩いていた。あの自転車に乗った女子高生たちはいつもより帰宅が遅い。がむしゃらに歩いた割に情報量が多いのもきっと気分に影響されている。

あの柿はたぶん甘い。

#日記
#ウォーキング
#夢

この記事が参加している募集

#習慣にしていること

130,728件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?