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日記「1月ゆく月、2月逃げ月、3月去る月」

子供の頃に、年が明けての3学期はあっという間に過ぎることをぼそっと呟くと、母がいつも言っていた。

「1月ゆく月、2月逃げ月、3月去る月」

ふむ。4月になると入学、進級、卒業、入社、人事異動、などなど一気に環境が変わるから、1~3月はなんとなく心落ち着かずそわそわしながら過ぎてしまうのだろうか。専業主婦の私には一時期は疎遠になったことだったが、娘が幼稚園に通うようになってからはまた毎年思うようになった。特に子供の成長は早い。生後2、3ヶ月過ぎて笑ったり声を出したり人間らしくなってようやく愛おしさもひとしおと思っていたら、来月にはもう大学生だ。

とはいえ今年はとにかく4月までがとても長い。やっとこさ3月を迎えた気分。こんな風に思うのは40数年生きてきて初めての経験である。というのも娘の大学受験が主な要因。1月の共通テストから始まり、2月は連日の入試に合否発表、そして3月の末まで補欠合格発表を待たなければならない。各大学によって違いはあるが娘の受験校は補欠合格が発表されない。つまり不合格と知らされたが補欠なのかどうかがわからない為、娘曰く不合格者全員が補欠状態。しかも3月末とは入学式も数日前である。このシステムなんとかならないだろうか。合格している大学があるので大学生にはなれるがどの大学になるかが決まらない。ふむふむ。悶々と過ごす日々は長い。

ところで人生にも春夏秋冬があると言うが、娘はきっと晩春といったところだろう。すると私は晩秋といったところだろうか。死ぬ間際は冬か。そうかなぁと少し不服に思う。朽ちてゆくのは悲しいことなのか寂しいことなのか。そうとは限らない。と思うところが既に老いなのかもしれないが。

冷たい晴天に脈々としていた裸木は、温まったい風にいささか柔らかみを増している。梅は咲いている。花粉は飛びはじめて、お鼻ずびずび、お目目かゆかゆ、お喉いがいが。お雛様は鎮座ましまし、明日は卒業式。季節は確かに進んでいる。

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