日記「湿った夜の橋」
今夜もウォーキングをする。音楽を聴きながら歩くもんだからたまにのりのりになって踊るような感じになってしまう。歩幅が狂う。不審者に間違われないようにウォーキングオーラを漂わせれば、のりのりウォーキンガーに見えるだろう。パーカーにスエットパンツは必須アイテム。今夜は外を歩いているだけで服や髪がしっとり湿る。街灯は白く霧ばんで地面を照らす。湿度が高いのだろうか。
工事中の橋に赤いコーンが点滅している。夜は渡れるが昼は渡れない。もう一ヶ月くらい工事をしているけれど進捗具合がよくわからない。この橋は家から大通りに出るために通らなければならない橋。タクシーなんかも裏道としてよく通る地味に需要のある橋。某有名映画監督も利用している事は近所の人しか知らない。そんな重要な橋なのに車一台分しか通れない狭い橋。なぜすれ違うだけの幅を持たせなかったのだろう。
欄干に手を乗せてみると冷たく湿って手が濡れた。安っぽい塗装のはげたみすぼらしい欄干。老朽化された橋はそう言えばぼろぼろだった。生まれ変わるのだろうけれど昼に迂回しなければならないのが不便だ。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?