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物に罪はないけれど

もらったプレゼントは、それを使う時送り主が思い浮かぶ。
友達からもらった毎日使っているティッシュケースに励まされ、ずっと前先輩にもらったハンドクリームに気を落ち着ける。
もらった物はただの物ではなくて、送ってくれた誰かがエールを送ってくれているような気分になれる。

着けて出掛けることが楽しみなアクセサリーがあった。
年が明けたらこれに勇気づけてもらって少しでも心を保てたらと思っていた。
でもそうしようと心待ちにしていた当日、結局そうすることはなかった。
送り主とのやり取りに落ち込んでしまい、身に付けるような気分になれなかったから。
物と送り主の関係はそこまで強くないと捉えていたけれど、思いの外結びつきが強く驚いてしまった。

別れた恋人からもらったプレゼントを捨てるか問題は、度々目にする。
これまで物は物で価値があるのだから、別に恋人と別れてもその物がまだ使えるいい物であるなら使い続けるだろうとしか思っていなかった。
そうは言っても、思い出や送り主の姿はプレゼントに宿る。
いつなんのお祝いで、あんなシチュエーションで、こんなことをして。
それは恋人でなくても、友人でも。
ただ恋人間は少しいいプレゼントを贈り合うことが多いだろうし、関係性が一気に変わってしまうことも友人より多いから、より問題として出て来やすいのだろう。

大きな喧嘩をしたわけでもなく、やり取りに落ち込んでしまっただけで、使うことを楽しみにしていた物を使う気持ちになれなくなってしまうほどだから、多分私は別れたら使い続けられないタイプだ。
そう言いながらもらってから時間が経った今ではすっかり普段使いになったアクセサリーを身につけて、もやもやを抱えたまま家を出る。

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