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【読書記録#6_マカン•マランー二十三時の夜食カフェ】この本は、きっと大人の為の処方薬

何故だろう、ギュっと心を掴まれてしまった。

「マカン•マラン」という名の店が、本の中ではなく、
現実に存在するのだとしたら、
私は『絶対に』シャールに逢いに行く。

『絶対に』という言葉を、私は滅多と使わない。
何故なら、絶対なんてことは存在し得ないからだ。

けれども、この言葉を使ってしまうのは、
一話読むごとに、家のドアを開けて今すぐにでも、
飛び出していきたくなるような衝動に駆られるからだ。

会ってみたい
物語の中のあなたに。

「マカン•マラン」
 …インドネシア語で「夜食」という意味。

『止まり木のような』その店に行き着くことは中々に難しい。

開店していることが珍しいのもあるけれど、
恐らく、引き寄せられるタイミングがあるのだろう。

店主のシャールはドラッグクイーンだ。
シャールの言葉は心というより、全身に響く。

「足りなければ、満たせばいい。空っぽならば、埋めればいいのよ。」
(中略)
「苦しかったり、つらかったりするのは、あなたがちゃんと自分の心と頭で考えて、前へ進もうとしている証拠よ」
だから、今はなにも見えなくても、絶望する必要はない。
「悩むことが大切な時期だってあるのよ。」
第三話 世界で一番女王なサラダ

「マカン•マラン ➖二十三時の夜食カフェ」は、
全四話で構成されるけれど、
どの話も何故だか胸を締め付けられる。

きっと各話の登場人物たちの様々な経験や境遇を通して
何かしらに感化されるからだろう。
その上で「止まり木」の主であるシャールの包容力に、
すっかり魅了されてしまうのだ。

辛いことがあった時に読んで欲しくもあるし、
何かしらの辛い経験をされた方に響く小説だと感じる。

でも、決して無理はしてほしくはない。

向き合うタイミングは、自分で決めていいのだから。
その方法だって選択肢は無限にあるのだから。


久々に、胸をギュっと締め付けられる、
そして、解してくれる本に出会えました。

出会いに感謝。ありがとう。

とい。

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