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デブって生きづらい

学生時代に教員から性的関係を求められて人間不信になり、摂食障害(主に過食症)に苦しみ、もちもちに太った引きこもりの私が、黒毛和牛のお陰で人生やり直せた話その3です



就活に失敗したら生きる資格がない。引きこもりには生きる資格がない。デブには生きる資格がない。
でも死ぬのは怖いから、なんとかしてこの状態を脱却しなきゃ。

そう思っていたあの頃。
最初に脱却出来たのは「デブ」からだった。

毎日の飼育で生活リズムが整った私はイイ感じに痩せていった。
真夏に実家のワンちゃんをシャンプーした時、お風呂場の鏡に映った自分がスマートになっていたことに気づいた。
Tシャツからのびる細い二の腕。
ショーパンから出た太ももは、足を揃えても左右がくっつかなくて隙間が出来ている。

「めっちゃ痩せてるわ」

何もしてないのに痩せた!勝手に身体が適切な細身になってくれた!
割と好きなもの食べてたし、時々過食スイッチ入って爆食いしてたのに!

外見がまともになって、生きる資格をひとつゲットした気分だった。


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私は拒食症で30キロ台前半まで痩せてしまった時と、吐けない過食症で50キロ台半ばまで太った時がある。
そんな私は、世の中はスレンダー至上主義なことを痛いほど知っている!!
身をもって体感している!!

ふらふらへろへろのガリ痩せ状態だった時、女友達から「痩せた?なんか綺麗になった!」と言われた。
「〇〇君が、雰囲気変わったよねって、綺麗になったよねって言ってたよ」と言ってきたコもいた。
「細い!」と驚き、「良いなぁ~」と羨ましがる。同年代の女友達は大体そんなリアクションをした。

衣服や美容関係の店員さんの“歓迎ムード”も強まった。接客業ではお世辞が当然なことを承知の上で見ても、明らかだった。
とにかく世界が私に優しくて、ちやほやしてくれた。褒めて持ち上げてくれた。
私の心身はボロボロで、生理も止まるほど不健康だったのに、だ。
だから「美しい」と評価されると、嬉しくてむなしかった。

太ったらこの世界を失う。太りたくない。太るのが怖い。

そう思っていたけど、身体には防衛本能があるみたいで、ある時から一気に食べることを止められなくなった。
みるみるうちに体重は増え、生理がくるようになり、服がきつくなり、フラフラしないで歩けるようになった。

「ちょっと太った?」

そう鼻で笑われた。
世の中はスレンダー至上主義だ。
デブに生きる資格はないってさ。



極端なやっちゃなぁ~。
全ての人間が病的に痩せたキミを好きなわけでもないし、太ったキミを全否定するわけでもない。
キミが太ろうが痩せようが、世の大半はそんなことどうでも良いんだよ。
なんて言われても、当時の私は聞く耳持たないだろうなぁ。

そもそも、そんな思考してたら摂食障害になってないので、取り敢えず牛さん飼育ダイエットと牛さんセラピーで皮下脂肪と心の腐敗した部分を落としたことが良かった。
デブ脱却が前進のきっかけになった。

就活に失敗したら生きる資格がない。引きこもりには生きる資格がない。デブには生きる資格がない。
でもデブからは脱却出来た。
次に脱却するのは「引きこもり」からだ。

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