性同一性障害特例法の緩和は必要か?当事者LGBTトランスジェンダー鈴木優希の意見

2021新年、名古屋市中区錦3丁目で経営しているオナベバーVenusのスタッフと毎年恒例のお伊勢参りにいく途中に立ち寄ったガソリンスタンドの待合所でふと手に取った新聞にLGBT・トランスジェンダーについての記事を見つけた。


【特例法15年間で計9625人に上り、1万人突破は目前】というもの。

そして性別変更に必要な要件緩和を求める声が強まっているという事。


性別変更は2人以上の医師から性同一性障害と診断される+20歳以上・現在未婚・未成年の子供がいない・生殖腺がない(機能がない)・別の性別の性器部分に近似する外観を備えていることの全てを満たせば家庭裁判所の審判を経て可能となる。

このうち最後の2つは性別適合手術が必要となる。

日本学術会議は年齢要件以外は当事者に離婚を強制、子供を追い込み、生殖機能を奪う高すぎるハードルだとして撤廃を提案している。LGBT法連合会もこの提言を評価しているという。


緩くしてくれてありがとう? ん? ほんとにそれでいい?

僕も性別変更をしている性同一性障害、LGBT、トランスジェンダーである。

当事者として、法律緩和はありがたい。

・・?

もちろん、いまのガイドライン、法律に沿って性別変更をした僕からすると、変更して欲しい点ももちろんにある。

実際に僕が経験した中で?なことは多数あった。

キチンとした日本の医療機関で子宮・卵巣摘出した事実(カルテも提出済)があるのに、わざわざ肛門からカメラを入れて子宮・卵巣が「ない」ということを確認すると言われた。

医者に下半身を見せて、ミニペニスがあるという診断が必要だとして、何もしていない女の下半身を見せるだけの診察を受けた。


僕の治療は両親が探してくれたGID専門外来があった大阪医科大学付属病院から始まった。当時は何か月も予約待ちの状態だった。

「ここしかない」という思いと 「ここなら大丈夫」という思いで、名古屋から両親と共に何年も通った。

大阪医大のGID専門外来が始動したばかりの時だったので現在、こんなことはしてないかもしれないが、当時、このような体験はとても嫌だったし、これは「意味があるのか?」とても疑問だったがガイドラインに沿うという事はこういう事なのかと諦めた。「性別変更をするには従うしかなかった」

ただ、嫌な事をしてでも「性別変更」がしたかった。覚悟を持って挑んでいた気がする。

「緩和」されることは良い事。

だと僕は思わない。

性別変更のハードルが低くなって、誰でも簡単に出来てしまったら、後で「違った。。」という人が絶対に出てくる。その時に辛いのは、誰でもない本人なのだ。

今、同性愛者の為に「パートナーシップ」も普及してきている。手術に抵抗がある人はこの制度で救われることがあるだろう。

それはとても画期的であると思う。

大きな手術をすることのリスクは確かにある。でも、性別適合手術を考えたときに考える。リスクがあったとしても、なりたい性であるのかと。

それでいいんだと思う。

今性同一性障害特例法、ガイドラインの中でいらない部分もあるが、いる部分もあることをもう一度考えて欲しい。

緩和=理解ではない

全てが「緩和」することがいい。LGBTに理解を。

という現在の世論はありがたいが、理解が緩和ではない。果たして真剣に緩和の先を考えているだろうか?

入り口を広くするよりも、入り口は狭くても、その先を広くする事を訴えていきたい。

性別を変える「覚悟」は持つべきだと僕は思う。


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