【保育の場から】天使なんかじゃ…いや、どうだろう
先日、保育業界と無関係な知人から私の仕事について言われたんです。
「保育園てとこは、天使しかいない場所って感じで素敵だと思う」。
「子どもはもちろんなんだけど、保育士さんもね、もちろんイライラすることもあるだろうけど、それを飲み込んで子どもに尽くしてて…」。
むむむむむ……
子どもが天使ってのは、まぁいいよ。
ただ、保育士を天使と称されたことについてなんかなんかなんか。。
保育業界でお仕事されている方は、これについて全面的に賛同できるのでしょうか。
私はできなかった。
はぁ……とつぶやきながら咄嗟に思ったのは、適当に浅いこと言ってるなぁ、でした。
強めの言葉でごめんなさい。
私の心が狭いのかもしれないのだけど。
強烈に感じたこの違和感は、どこから来ているんでしょうか。
正確にはまだ自分でも把握できていません。
でも、なんだろなぁ…
ある意味では確かにそうなのかもしれないんだけど。
そんなきれいごとで済まして、本質から目を背けないでくれよ、という感覚でしょうか。
保育士の労働環境がなんだかんだで改善されないのは、世間のこういうイメージもひとつ影響してるんじゃないのか、ていうか。
やりがいある仕事に就く天使なんだから我慢できるでしょ、じゃないんですよぉ。
なんでも飲み込める、ご奉仕している天使じゃないんだよ、保育士は。
イライラをただ飲み込んでいるわけじゃないんです。
子どもたちの意思を尊重しながらよりふさわしい行動に導けるようにする等、いっぱいいろんなこと考えながら、プロ意識持ってされてる方がたくさんたくさんいるんですよ。
天使なんてとても言えないような人たちでも、人手不足から辞めさせることが難しい業界なんだよ。
そうやってみんなが頑張っていることを全部把握している、超ベテランの尊敬できる園長先生とかから
「あなた達は天使だ」
と言われたら嬉しいかもしれん。
有名な話ですが、ナイチンゲールは看護師が天使と称されることをあまり喜んでいなかったそうですね。
「天使とは、美しい花をまき散らす者ではなく、苦悩する者のために戦う者である」
というあの名言を思い出します。
保育士は苦悩する者ばかり相手にしているわけじゃないけど…保護者の方々と一緒に社会を生き抜くための闘いをしていると考えれば、上記の意味で天使といってもいいのかも。
ちなみに。
天使だと言ってくれた知人に対して腹を立てているわけではありません。
素敵な仕事だという意図で言ってくれたことは理解しています。
ただまぁ…言葉選びが私の好みじゃなかっただけの話。
そして、よく知らない業界の仕事についてわかったように発言するのは気をつけようと、なんとなく思ったのでした。
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