予祝22
予「祝」とは言えないが、記しておこう。
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緊急のニュースが流れてきた。
某国に核爆弾が落とされた模様です。今後の情報に注意して下さい。
来たか・・
僕は少し気持ちを切り替える。
多分、これが最初で最後のお知らせであり、情報はなくなって、追って停電や断水になるだろう。
そして、実際にそうなった。
この間、わずか1日。
情報が何も無い世界で、人々は動揺を隠せない。
当然ながら、会社の「カ」の字もなくなっている。
「どうしたらいいのか。」
人はそれしか考えられない。
・・いや、誰かの「答え」を待っている。
気象的な変異が起こる・・
僕は、次の段階に自分を切り替える。
そう、「核の冬」だ。
多分それは、思った以上に早くやってくる。
そのほかにも、なにがしかの「災難」が訪れる。
二次的な「災害」もあるかもしれない。
社会がパニックになる。
大方の人は、この「社会のパニック」という渦に巻き込まれていく。
冷静で、そうならないのは、こうなるかもしれないことを
学習
していた一握りの人達だけだ。
待てど暮らせど、政府は来ない。
「まだか・・まだか・・・」
誰かを待って、何かを待って、裏切られ、人は自ら「絶望」に向かって進んでいく。
地震が増えてくる。
誰もが予感する。
「大地が割れる。」
放心状態になる人が増えてくる。
一心不乱に神仏に祈る人もいる。
自暴自棄になる人も・・
近い・・
僕はいよいよ身構える。
バイクはいつでも始動できる。
そしてある日、何の前触れもなく、空に無数の艦隊が現れた。
見たこともない光景。しかし、これが現実なのだ。
「もう終わりだ・・」
人々の頭には、この映像しかない。
僕は一人、「想定」していた場所に向かう。
広い場所。田んぼの真ん中。
果たしてそこには、1隻の船が停まっていた。
時間は無い。
僕は迷わず進んでいく。
真下に着いた。
僕は、大きく右手を挙げる。
そして僕は、船に吸い込まれていった。
(続く)
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