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水田の畦畔管理71 ~排水側に問題を抱える畦畔~

「熱中症に気をつけて下さい。」
ラジオニュースが、しきりにアナウンスしている。

気温は30℃を優に超えている。
だが、今日は風が涼しい。こういう時、身体は全然楽だ。熱中症は気温だけでは語れないのである。

さて、親方の指示により、4枚連続した水田の草刈りに入る。
ここは排水側が鉄道の軌道敷と隣接しているエリアである。昨年は、親方達の”本隊”が管理を行っていた。

遠目には、美しい景観である。

田んぼの向こうに鉄道が走っている

以下、「使用後」の写真しかないので、ご勘弁を。m(_ _)m

このエリア、排水側に問題を生じることが多い。
どういうことかって? 確認のため、近づいてみよう。

うむむ・・。畦の「天面」がなくなってしまっている。

本来、幅60cm程度の通路があるはずなのだが、それが失われ、三角形の斜面みたいになっている。
これはたぶん、長年の除草剤の影響。土中の根が失われ、拘束されなくなった土は風雨で崩れていく。その結果、このような形状になるものと考えられる。

下の写真では、左側が、崩れた土が溜まった部分。

進んで行く。
手前(用水側)から80mくらいは、普通の植生が続く。だが、そこを過ぎたあたりから、植生に変化がみられる。

嫌な奴がいた。

ヤブカラシ


根が深く、根絶が難しい「つる性」の多年生雑草だ。
根の断片から容易に再生する。

排水側から進出してきたようだ。
これは確認しないといけない。

案の定・・・
排水側は、つる草の巣窟となっていた。

ヤブカラシ

クズ

面白いことに、他のつる草に負けている。あのクズが!

カナムグラ

ナワシロイチゴ

「悪党」のオンパレードである。(笑)
全くもってひどい状況だ。おそらくこれらのつる草は、軌道敷と畦畔を行ったり来たりして、勢力を維持・拡大しているのだろう。
植物に、農地と軌道敷の「国境」はない。

今は、田んぼに水があるからいい。だが、これから「中干し(なかぼし)のシーズンに入ってくると、こいつらは容易に水田に侵入し、イネに絡みつく。トラクターで耕運すれば、散らばって広がり、タイヤに付いて別の圃場にも拡散する。

早めに抑えないと、面倒なことになる。

左から右へ侵入する(ヤブカラシ)

ここは、除草剤を使用するしかない。
使用する薬剤は、

アージラン液剤


一択だ。

イネ科雑草が生えてくる秋前に勝負をかける。つる草なき後、速やかに地表を草で覆うためである。
そう。冒頭に書いたとおり、除草剤の使用は慎重に行わなければならないのだ。

親方に状況を報告し、相談するとしよう。

・・・にしても、鉄道の軌道敷。
ひどい状態ですね。

鉄道側は、もう少し早めに対処してほしい


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