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西荻の魅力に触れるトークイベント「目黒雅也×木下龍也×難波里奈 こんなとこ、あんなとこ、西荻窪」

三鷹市民のわたしにとっては、歩いていける吉祥寺もそこからひと駅電車に乗ればいける西荻窪(西荻)もご近所。

その西荻の魅力的なお店やメニューを素敵なイラストで紹介する目黒雅也さんの
Twitter投稿をわたしはいつも楽しみにしています。

その目黒さんのイラストや文章をまとめた本「西荻さんぽ」が出版されることを知り、ワクワクと西荻の今野書店に買いに行きました。

(発売当初は、嬉しいことに目黒さんのイラストのポストカード付きでした)

この本では今野書店も紹介されていますし、今野書店では時々作家さんのイベントを行っているので、
「目黒さんの出版イベントも開催されるといいのに」
と思っていたら、やはり(?)開催されることに。

この「西荻さんぽ」出版記念トークイベントには、目黒さんの他に西荻在住の歌人の木下龍也さん、純喫茶に詳しい難波里奈さんも登壇されるとのこと、即座に申し込みました。

目黒さんは今は西荻在住ではないそうですが、西荻で生まれ育ち、実家が引っ越してからも西荻に仕事場を構えていた期間も長く、本を読んでいても、今の西荻のことだけでなく、西荻の歴史も伝わってきます。

それも、目黒さんが地元のお店の方や地元の幼馴染から聞いたお話が多いので、
ただの知識ではなく、血肉のある、生きたお話なのでいっそう引き込まれるのです。

また、登壇された木下龍也さんと難波里奈さんも、それぞれ西荻に縁のある方。

木下さんは西荻在住の人気歌人で、プロボクサーでもあります。

今回のイベントを開催した今野書店の御朱印ならぬ「御書印」には、木下さんが詠んだ
「それぞれに本へうつむく横顔がまぶしい今野書店入口」
という短歌が添えられています。

難波里奈さんは東京に限らず、全国の2000軒以上の純喫茶を訪れ、純喫茶についての本も出版されている方で、西荻にもよく足を運ばれているとのこと。

このお三方のお話ですから、面白くないわけがありません。

西荻のお店のメニューを描く目黒さんの絵はいつも本当に美味しそうなのですが、
できるだけ時間をかけずに印象的なところを描くためにすぐに乾く紙とペンを使っているとのこと。

記録用に写真を撮り、それを見て確認することもあるものの、気に入ったものを思い出して描くことが多いそうです。

また、すでになくなってしまった場所やお店・そのメニューなどは昔の写真を探してもない場合もあり、記憶を元に描いているとのことで、
「描いておくとその時の西荻が残る」
という目黒さんの言葉が印象的でした。

純喫茶「それいゆ」は本の中でも繰り返し取り上げられていますが、お話の中でもやはり登場しました。

「それいゆ」には50年の歴史があり、当初は土鍋で鍋料理を出していた時代もあったとのこと。

そして、当初は今の半分の広さだったのに25年前に拡張工事をして今の広さになり、
以前はその時のデザイナーさんも
よくお店に立ち寄っていて、
目黒さんもよく見かけていたとか。

また、難波さんは「それいゆ」に飾られている目黒さんの絵を見て、初めて目黒さんのことを知ったそうです。

目黒さんは1日2回、週10回「それいゆ」に通っていた時期もあり、今でも週3回程度は足を運んでいるとのこと。

ですから、木下さんも「それいゆ」に行った時に目黒さんに遭遇することが多いそうで、
「殺気を感じると目黒さんがいて、武士のような姿勢で座っている」
のだとか。
(目黒さんは剣道の先生もされているので、姿勢が良いのです)

絵を描いたり、仕事の打ち合わせで使うだけでなく、人生の良い時も悪い時も、失恋した時も「それいゆ」で過ごした目黒さんは奥様との大事な場面にもやはりこのお店を選んでいるのですが、そのエピソードはぜひ目黒さんの本でお読みくださいね。

ちなみに、このイベントはオンライン参加もできましたが、会場参加者には嬉しいプレゼントがありました。

まず、今野書店が2021年に「今野書店駅前移転10周年記念」で作成した目黒雅也さんの西荻のイラスト入りのクリアチケットホルダー。

こちらは表?は今野書店の店構えのイラスト、反対側は「西荻で本を読むのにいいところ」として、「それいゆ」や「物豆奇」など6ヶ所の素敵な場所のイラストが。

そして、本の中でも「ハチミツケーキ」として素敵なイラストで紹介されている「それいゆ」のはちみつのパウンドケーキと「午後の紅茶」も。

このパウンドケーキは目黒さんのお気に入りで、追加でホイップクリームをつけてヘビロテしていた頃もあったそうです。

はちみつの味がしっかりしているのに甘すぎない、しっとりと美味しいパウンドケーキでした。

本やお話を通して、西荻にはまだまだ自分が知らなかったお店や歴史があることがわかり、これから西荻に足を運ぶのがますます楽しみになりました。

また、西荻に個性的な人たちが集まってくるのはかつて隕石が落ちた窪地であるため、磁場が強いから、という説があるそうです。

「個性的な人が集まるから磁場が強くなった」
という逆の説もあるそうですが、どちらにしても、西荻は
「個性的な人が集まる、魅力的な街」。

その魅力に触れることのできた、素敵なイベントでした。

今回も最後まで読んでいただき、
ありがとうございました。

*イベント後のサイン会では、目黒さんがわたしの好きな西荻のパン屋さん「藤の木」さんの看板商品のカレーパン「半熟玉子がのった焼きチーズカレーパン」(「カレーパングランプリ2023」チーズカレーパン部門金賞!5年連続受賞の快挙!!)を描いてくださいました。


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