1度行くと何度でも行きたくなる!英国王立植物園「キューガーデン」
ロンドンには公園も多いのですが、
もしあなたがロンドンに行くとしたら、
わたしがいちばんおすすめしたいのは、
ロンドン南西部にある王立植物園、
キューガーデン(Kew Gardens)です。
「植物園」の概念を超えた、
「植物に関する学術的なテーマパーク」
のようなところ、
と言ったら、その壮大なスケールが
伝わるでしょうか。
もともとは18世紀に宮殿併設の庭園として
作られましたが、
今では世界で最も有名な植物園として
膨大な資料を有するだけでなく、
研究施設にもなり、
新種の発見などにも貢献しています。
また、2003年には
ユネスコ世界遺産に登録されました。
さて、わたしが初めて
この植物園の名前を知ったのは、
大学の英文学の授業でした。
英国の女性作家、ヴァージニア・ウルフの短編に
「キュー植物園」という作品があったのです。
実はどんな作品だったかはすっかり忘れてしまったのですが、
「英国にはキュー植物園という
立派な植物園がある」
ということだけは覚えていました。
そして、1997年の春に
キューガーデンに行って、驚愕。
思っていた以上に、
とてもとても広かったのです。
その面積は120万㎡以上。
わたしが今住んでいる家の近くの
井の頭公園も広いですが、
その面積は約43万㎡。
つまり、キューガーデンは、
井の頭公園の約3倍の広さがあるのです。
一日で歩くのはとても無理なので、
わたしは3回くらいに分けて
ようやく全体を見ることができました。
中国風のパゴダ(ジョージ3世時代に立てられた塔)
や日本庭園、
歴史的建造物などもあるので、
歩いていても楽しく、
あちこちで足を止めてしまうのから
なおさら時間がかかるのですけれどね。
また、敷地内には6つの大きな温室があり、
世界中から集められた熱帯植物を見ることも
できます。
また、今度わたしがキューガーデンに行ったら 必ず訪れたいのが、
英国王室最小といわれる宮殿「キューパレス」。
(敷地内にあります)
キューパレスは、もともとは
17世紀にある商人が建てたものでしたが、
1729年に王室の所有になった後、
ジョージ3世時代の1802年に現在の形に改装され、
今はこの宮殿の内部も見学できるのです。
ただ、こちらは2006年から
一般公開されているので、
わたしが英国にいた頃は、まだ見ることができなかったのです。
この宮殿を愛したジョージ3世と
シャーロット妃、
その子供達が生活していた様子が
再現されているそうですよ。
ちなみに、現在のキューガーデンの
原型を作ったのは、
ジョージ三世の父だった
フレデリック・ルイス王太子と
妻のオーガスタ妃だと言われています。
そして、キューガーデンには
シャーロット妃が嫁いできたときに、
義母のオーガスタ妃から贈られた
「シャーロット・コテージ」という
可愛らしい茅葺き屋根のお家があります。
この建物は公開期間が
夏の週末のみと限定されているので、
残念ながら、わたしが行ったときには
見学できなかったのですが、
こちらにはシャーロット妃が集めていた
銅版画のコレクションが
展示されているそうです。
こちらも、いつか訪ねてみたいものです。
また、植物園には、1980年に日本から贈られた
八重桜が植えられています。
わたしが行った時にはこの八重桜が満開で、
故郷の北海道でよく見かける種類の桜を見て、
とても懐かしく感じたのを覚えています。
そして、多種多様な植物や
大きな池が敷地内にあるので、
カナダガンからクジャクまで、
40種類以上の鳥がキューガーデン内に生息すると言われています。
また、そこここをリスもちょこちょこと走り回っていて、
そんな鳥や動物を眺めるのも、
楽しいものでした。
わたしがいったときには
桜だけでなく黄水仙も咲き乱れていて、
ワーズワースがあの有名な詩
「水仙」(The Daffodils)を書き、
英国でその詩が長きにわたって愛されているのも
わかるような気がしました。
早春のクロッカス、春の桜や水仙、そしてバラ。
季節によって様々な花が美しい姿を見せてくれるキューガーデン、
ロンドンに行かれた際には、
ぜひ立ち寄って見てくださいね。
今回も最後まで読んでいただき、
ありがとうございました。
*電子書籍
「1997~英国で1年暮らしてみれば~vol.1」
https://amzn.to/3irzfRg
続編、鋭意執筆中!