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「一歩を越える勇気」(7bookcover challenge 6日目)

「7boookcovers」(7ブックカバーチャレンジ)の .
6日目にご紹介するのは, 

北海道出身の登山家、栗城史多(くりき・のぶかつ)さんの
「一歩を越える勇気」(サンマーク出版)です。 
 

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この本は、
井上裕之先生と栗城さんが
2017年3月に開催されたコラボセミナー
の前に予習をしたくて読みました。 
  
大学時代から登山を始めた栗城さんは
北米最高峰のマッキンリーを始め
6大陸の最高峰に登頂。  

2008年からはエベレスト登山を
インターネットで生中継しながら登頂成功。
 
その後も単独・無酸素での登山と
インターネット中継による
「冒険の共有」を続けます。 
 
でも、 この本を書かれたあと、
2012年のエベレスト挑戦時に
重度の凍傷を負い、
手の指9本の第2関節から先を失います。  
 
(その時のことはこちらの「弱者の勇気」に書かれています)

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・・・普通なら、ここで登山は諦めますよね? 
 
でも、栗城さんは必死で治療法を探し、
リハビリを続け、また山に戻って行くのです。 
 
セミナーではこの本に書かれている内容も含めて
凍傷を負った時の様子、
必死で凍傷の治療をし、リハビリを重ねて
また登山を始めた時のことなどを
話してくださいました。
 
壮絶な体験をされているのですが、
栗城さんは明るくて、
男性には珍しいくらいにチャーミングな方でした。
 
身長162センチの栗城さんが
その華奢な体でエベレストの無酸素(酸素ボンベなし)・単独登頂に
挑戦を重ねられたことにも驚きますが、
沢山の学校などで講演をされてきたこともあってか、
人の心をつかむ話し方も見事でした。 
  

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登山をする中でもたくさん否定されたという栗城さんは
「僕の本当の夢は、日本から否定という概念をなくすこと」
と話してくださいました。 
 
大学3年生の時、初めてのマッキンリー登山を
周りの人みんなに否定され、反対された時、
お父様だけが「お前を信じている」と応援してくれたことにふれ 

「僕が折れない心を持ち続けていられるのは、
信じて応援してくれる人がいるから頑張れるんです。 
 
絶対に否定しないことが大切なんです。 
夢はある木の形をしていると思います。 
何かがダメになることがあっても、そこから枝分かれして、
形を変えながら次の夢へ変化していくのだと思います。   
 
否定すると、そこで木の成長がストップしてしまいます。 
 
頑張っている人がいたら、『信じているよ』
と言葉をかけてほしいです。」  
 
「苦しくても頑張ること、そしてみなさんそれぞれが、
ご自分の見えない頂を登っていきただきたいと思います。」
 
というメッセージをくださいました。
 
 
そして、このセミナーの翌年2018年5月21日、
栗城さんは
エベレストに8度目の挑戦中に亡くなりました。 
 
そのニュースを残業前の休憩中に携帯で見た時
わたしは目を疑いました。  

手の9本の指を失っていたので 
普通の人よりはるかに大きな危険とともに
登山されていたのですが  
・・・・・とてもショックでした。 
 
 

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栗城さんが亡くなった頃、
わたしは悩んでいたことがありました。  

その少し前にあることがきっかけで
転職を考え始めていたのです。 
 
そして、考えるうちに
東京での転職も頭に浮かびました。 
 
実はそれまでにもなんども
東京で働くことも考えていたのですが
 
「田舎者のわたしが東京で暮らせるのかな」
「東京で英語を生かした仕事をする人なんて
腐るほどいるんだから、
わたしがそこで何ができる?」
「わたしの力で、生きていける?」
「東京に引っ越しなんて、大変じゃない?」 
 
などと思い、行動に移すことはなかったのです。 
 
でも、年齢的にも、
東京に引っ越して転職したいなら、
そろそろ最後のチャンス。
 
折しも、2年後(当時は2018年だったので)には
東京オリンピックが待っている。 
 
そこでちょっとでも何かの形で貢献したいなら、
動くのは今だ。 
 
そんな答えは見えているのに、
しかも背中を押すようなことも起こっていたのに、
やはり最後の一歩が踏み出せない自分がいました。
 
そんな時の、栗城さんの訃報でした。 
 
「酸素があれば何でもできる」
が座右の銘だと爽やかに笑っていた栗城さんを思い出しました。 
 
栗城さんは、まだ死にたくなんかなかったはず。 
わたしは、今、生きている。
酸素だって、十分にある。 
今、動かなきゃ嘘だ。   
 
それから、わたしのスイッチが入りました。 
 
転職活動、引越しの準備、その他諸々を
1ヶ月半でやり終え
2018年7月から
東京で今の仕事を始めたのです。  
 
もうすぐ、栗城さんが亡くなって2回目の5月21日。
 
「せっかく命があって今を生きているのだから
思い描いていることを実現するために
毎日一歩でも行動できる自分でいよう。」
 
そう思わせてくださった栗城さんに、感謝しています。 
 
今回も最後まで読んでいただき、
ありがとうございました。
   

*栗城さんの最後の映像と、亡くなってからのこと。 

https://news.yahoo.co.jp/byline/fujiokatoshimichi/20181121-00104935/

*お元気だった頃の栗城さんに会いたくなる時、
高橋優さんの「パイオニア」のMVを見に行きます。 
(栗城さんは出演を快諾されたそうです。) 
 
https://www.youtube.com/watch?v=K72IA7Ou9Zc

  
実は上記の栗城さんのセミナーに出席した後、たまたまこのMVを見て、
「栗城さんだ!」とびっくりしたのです。 
 
FBでお友達になっていただいていたので
栗城さんのある投稿にコメントした時、
「高橋優さんの『パイオニア』のMVで栗城さんを拝見しました」 
と書くと、他の方のコメントには「超いいね!」マークだったのが
わたしのコメントにだけ「大爆笑」マークが。

なんだか嬉しくなったのを覚えています。 


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「7boookcovers
(7ブックカバーチャレンジ)」の目的は、
自宅で過ごす時間を豊かにということと、
お友達の輪を広げていくことです。 
7日間、7冊の本を投稿し、
可能であれば、その都度お友達を紹介します。 
そのお友達にも、バトンを渡し同じことをしていただきます。 
紹介されたお友達はお断りしてもOK. 
また、「自分のお気に入りの本のカバーを撮り、投稿」という基本ルールを守れば、本の内容や感想は必ず書かなくてはいけないという決まりはないようで、自由に書いてよいとのことです。
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