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「鬼滅の刃」から学ぶ、武士道精神②

こんにちは、yukiです。

昨日の投稿で、
「鬼滅の刃」には武士道の価値観、
つまり“日本人の心に響く価値観”
が流れているとお話ししました。

それは特に、
劇中のセリフに表れています。

今回は、そんな、
武士道の精神が込められたセリフ
を見ていきましょう。

武士道の精神を知ることは、
人としての在り方を考える、
良いきっかけになると思います!

さらに、「鬼滅の刃」には、
古来からの武士道精神だけでなく、
「令和以降の新時代の価値観」
も含まれているのです。
それも少し触れてみたいと思います。

今、たくさんの子供たちが、
「鬼滅の刃」を見ながら育っています。

それはつまり、
「鬼滅の刃」の価値観の影響を受けつつ成長し、
やがては社会に出ていくということですよね。
いつか一緒に働くこともあるでしょう。

なので、時代の流れを把握するという意味でも、
「鬼滅の刃」は見ておいて損のない作品だと思います。

※画像は公式HPからの引用です

「鬼滅の刃」のセリフに込められた武士道


「鬼滅の刃」の劇中には、
印象的なセリフがたくさん登場しますよね。

その中には、
武士道精神に端を発するものも多いのです。

例えば、新戸部稲造著の『武士道』には、

「生殺与奪の権」
「心を燃やす」
「責務を全うする」

といった、「鬼滅の刃」の劇中でも
特に印象的である言葉が出てきます。

ここからは、いくつかのセリフを題材に、
深掘りしてみましょう。

「老いることも 死ぬことも
人間という儚い生き物の美しさだ」

煉獄さん

まずは、炎柱・煉獄さんの言葉です。

「老いることも、死ぬことも、
 人間という儚い生き物の美しさだ
 老いるからこそ、死ぬからこそ、
 堪らなく愛おしく尊いのだ」

儚いからこそ美しいというのは、
とても日本的な美的感覚ですよね。

そして、
儚い美しさの象徴といえば、
桜の花でしょう。

桜は、
ほんの一瞬だけ美しく輝いて、
時が来たら潔く散っていきます。

簡素かつ気品ある美しさをもつことから、
日本的な美的感覚に寄り添うものなんですね。

一方で、桜の花とよく対比されるのは、
西洋で賞賛されるバラの花

『武士道』から少し引用しますが、
バラ好きの方はごめんなさい!

「こんなパラダイムもあるんだなー」
と思っていただければ幸いです。

「バラはその甘美さの陰にトゲを隠し、執拗に生命にしがみつく。
まるで死を恐れるがごとく、散り果てるよりも、枝についたまま朽ちることを好むかのようにである。
しかもバラは華美な色彩と濃厚な香を漂わせる。
いずれをとっても桜花にはない特性である。
私たちの愛する桜花は、その美しい装いの陰に、トゲや毒を隠し持ってはいない。
自然のなすがままいつでもその生命を捨てる覚悟がある。
その色は決して派手さを誇らず、その淡い匂いは人を飽きさせない。」

新渡戸稲造『武士道』より

「鬼滅の刃」の劇中でも、
やはり桜は大切に描かれています。

音柱・宇髄さんのお墓参りのシーンなんて
本当に美しかったですし、
まだアニメ化されてはいませんが、
物語の終盤でも桜が象徴的に描かれます。

宇髄さん

精一杯生きて己の使命を全うし、
必要とあらば死も辞さない。
たとえ死んでも、
想いは他の人が受け継いでくれる。

こういった強い意志と価値観を持って、
炭治郎や鬼殺隊の皆さんは行動されていますよね。

現代的な感覚で冷静に見ると、
「命まで失うことはないんじゃない?」
とも思ってしまいますが、

やはり心のどこかにある
武士道的な価値観によって、
無意識的に
「格好良い!」
と惹かれてしまう自分もいます。

「じゃあこの自分の中にある武士道的な
 価値観はどこから来たのだろうか?」

と考えると、なんだかんだで
教育によるところが多い気もするのです。

小・中・高と、国語や歴史の授業で、
武士の話や軍記物語を学びますよね。
熊谷直実の話とか、めっちゃ覚えてます。

あとは、
桃太郎のような童話や、
大河ドラマや、時代劇ですかねえ。

武道をしていた人は、
それも強いでしょう(僕は剣道でした)。

永遠の命と肉体の強さを求める鬼。
儚い美しさを尊び、心の強さを求める人間。

対比されるからこそ、お互いがいっそう際立ちます。

長くなってしまいましたが、次にいきましょう!

「逃げるな、卑怯者!!」

炭治郎

炭治郎が、夜明けを前にして逃げる、
鬼・猗窩座(あかざ)に対して
叫んだセリフです。

「逃げるな卑怯者!!
 逃げるなァ!!!」

「卑怯者」という言葉、刺さりますよね。

「卑怯者」って、
武士道において重要な価値観とされる、
「義」「勇」「仁」「礼」「誠」「名誉」
のいずれにも反しています。

「義」は、
不正や卑劣な行動を自ら禁じ、
死をも恐れない正義を遂行する精神のこと。

「勇」は、
勇敢に正しきことを為すこと。
(鬼の行動には大義がないので勇ではありません)

「仁」は、
他者への情愛や哀れみの心。

「誠」は、
正直、誠実であること。

「名誉」は、
高潔さに対する屈辱を恥とするような感受性。

こんな、人間として大事なことが
欠けていることを指摘されるわけですから、
「卑怯者」という言葉に嫌悪感を抱いても、
何ら不思議ではありませんよね。

鬼

「鬼滅の刃」に出てくる敵の鬼って、
基本的に卑怯です。

価値観はもちろん、
“血鬼術”とか意味わかんないですし。
人間に向かってそれ使うなよって感じ笑

親玉の無惨なんて、
どんな卑怯・卑劣な手段を使ってまでも、
死を恐れて必死で生にしがみつきます
鬼殺隊とはまるで対照的に描かれていますよね。

他にも、
鬼と人間で対照的に描かれている部分は多いです。

例えば、鬼は、
無惨を頂点とするトップダウンのピラミッド構造。

上下関係は、「主従」です。
戦うのも、基本的に一人。

一方の鬼殺隊は、
形としてはピラミッドでありながらも、
トップのお館様はあくまで“象徴的な役割”。

主従ではなく、
「忠誠」によって繋がっているといえます。

面白いのは、鬼殺隊の柱と一般隊員が、
戦いの際は上下関係なく皆で協力して敵を倒すこと。

敵を討てれば自分の手柄なんてどうでもいい、
後輩がやられそうなら盾になる。

鬼は個人プレーなので、
個としては圧倒的な強さを持っていても、
チームの大きな力がそれに勝っていくのです。

少年漫画って、
最後には1対1の戦いになるパターンが多かったですよね。
ここに、新しい時代の価値観があります。

新しい時代の価値観とは、簡単に言えば

「モノや地位の重要性は下がり、
“個人としてどう在るか”に価値が移りつつも、
臨機応変にチームを作りながら目標達成していく」

といった感じでしょう。

そういう時代になっていくというのは、
既に多くの方が唱えられていることです。

鬼殺隊チーム

いまだ輝きを放つ伝統の価値観と、
新時代の価値観の融合。

そういった観点で鬼滅の刃を見てみると、
新たな気づきがあるかもしれませんよ!

それにしても、
武士道の価値観をエンタメによって
現代に復活させてしまったのですから、
鬼滅はすごいですよねー。



最後に、
取り上げようかと思いメモしていたセリフを
いくつか紹介したいと思います。

「己の弱さや不甲斐なさに
 どれだけ打ちのめされようと、
 心を燃やせ
 歯を食いしばって前を向け」(煉獄さん)

「弱き人を助けることは、
 強く生まれたものの責務です。
 責任を持って果たさねばならない
 使命なのです。
 決して忘れることなきように」(煉獄さんの母)

「父がよく言っていました。
 重い荷に苦しんでいる人がいれば半分背負い。
 悩んでいる人がいれば一緒に考え。
 悲しんでいる人がいれば
 その心に寄り添ってあげないさいと」(胡蝶カナエさん)

最後までご覧いただき、
ありがとうございました。

それでは、今日も良い1日を!




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