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第90回 きちんと告知をしないと、結果、「販売コスト」がベラボーにかかってしまう

「事前の告知」は、「クリエイターの努力を無駄にしない」というリーダーの覚悟の表れであり、日頃応援してくださっているお客様への誠意

今日は『キチンと告知をしない、が何故バカなのか?』というテーマでお話ししたいと思います。

僕のサロンは法人会員も受けつけておりまして、「社長が社員になかなか言えないことを西野が代弁する」というのも役目の一つだと思っています。
今日は、そんな回です。
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チームメンバーの頑張りを殺すリーダー

昨日、CHIMNEY TOWN DAOから『バンドザウルス』の新しいNFT「TAMAGO」がリリースされたそうです。

「え? 知らなかった!」という方が95%だと思いますが、僕もリリース20分前に聞きました。
つまり、世間の認知度はほぼ0%です。
#どこで売ってるの

これによって「TAMAGO」というプロジェクトは失敗に終わりますが、CHIMNEY COFFEEが渋谷でアパレルショップを出店する時しかり、CHIMNEYの若手の「告知しない(直前になって慌てて告知をする)」は伝統芸のようになっています。

昔から僕らを応援してくれる皆様の気持ちを代弁させていただくと、
「西野さんがプロジェクトを仕掛ける時は何ヵ月も前から何度も何度も『発売日』を丁寧に告知して、そして『早い段階から告知することの重要性』を何度も説明しているのに、なんで西野さんの近くにいるCHIMNEYの若手は毎回毎回告知をサボるの?」
といったところだと思います。

これに関しては、CHIMNEYスタッフの読解力と記憶力が壊滅していること(&CHIMNEYのシステムエラー)が原因だと思います。

ただ、これはCHIMNEY TOWNに限った話ではなくて、いろんなチームでも起きている問題だとも思います。
(※CHIMNEY TOWNは「出せばある程度売れる」というアドバンテージがあるから、他社よりも余計に、若手が『宣伝』をナメてしまう…というのはあるけれど)

これにはやはり【前もってキチンと告知をすることの重要性】を“あらためて”理解する必要がありそうです。

「告知無し」「直前の告知」のリスクについては過去にお話ししたとおり。

「どの宣伝が効くのか?」を知る期間(宣伝方法を改善する期間)が必要…などなどです。
【関連記事『「集客」を骨の髄までナメきっているバカ』】

今日は、過去にもお話しした話以外で、「事前告知の重要性」についてお話ししたいと思います。

広告はオセロのように仕掛ける


(※ここでお話しするのは、15席で満席になるような小規模のイベントの場合は除きます)
「発売日を事前告知しない」が成立するのは、「発売日を事前に告知しないこと」がニュースになる(面白いノリが発生する)場合のみで、基本的には「事前に情報を共有しておいて、コミュニティーの熱を高めて高めて…発売日にドン!と売る」が販売の鉄則です。

では、何故、発売日を合わせた方がいいのか?

その一つに(有名な話ですが)、「『宣伝』は受け手が3回接触して、初めて効果を出る」という【3ヒット理論】があります。

・1回目の接触:知る
・2回目の接触:ちょっと興味が湧く
・3回目の接触:「あ。また、この宣伝だ。流行ってんのかな?」

…みたいな感じで、受け手の感情が動き、受け手は3回目以降にようやく行動(購買)に移ります。

CHIMNEYの若手がやっている宣伝モドキは「1回目の接触:知る」だけで、これだと“コアファン”しか動きません。
#TAMAGOの場合だとせいぜいDAOメンしか買わない

次に、これこそが「販売日を合わせた一番の理由」なのですが…

《商品を買っていただく時というのは、どんな条件が整っている時か?》

これは「自分は、どんな時に商品を買ってるかな?」を考えてみれば見えてくると思うのですが、おそらく「“短期間で”二人以上の友達がその商品を買っていた時」ではないでしょうか?

「A君が『SLAM DUNKの映画が面白かった』と言ってて、B君も『SLAM DUNKの映画が面白かった』と言ってる。

なんだ? そんなに面白いのか?
ちょっと観に行ってみよう」という感じ。


この時、A君が言ってるだけなら、「それは貴方の感想(主観)ですよね?」で終わっているのですが、A君と同じ感想を持つ人が(信用している身内の人間から)二人以上出た時に『SLAM DUNK 面白い』が「個人の感想」の枠を飛び出る。


同時に『SLAM DUNKを観に行かないと話題に乗り遅れる(A君とB君の会話に入れない)』という動機が生まれる。

大切なのは、「“短い期間で”オセロのようにターゲットの両脇にいる人間を押さえること」で、「発売日(購入していただく日)」を合わせる理由はココにあります。

これをやらないと、販売員がA君に訪問販売をして、B君に訪問販売をして…という状態になり、A君とB君が買うまでに時間が空いてしまい、「オセロ効果(間にいる人がひっくり返る)」が生まれず、販売員がアプローチできていないC君がその商品を買うことはありません。

この状態でC君に買ってもらうには、販売員がC君に訪問販売しなきゃいけない。

つまり、「販売コスト」がベラボーにかかってしまう。

これは全サービス提供者が頭に入れておいた方がいいと思うのですが、

「マーケティング」が目指さないといけないゴールは「販売しなくても売れる状態」であり、「販売コストがベラボーにかかる商品」は【負債】です。

あと、「話題作の方が売りやすい」ということも覚えておいた方がいい。

それと、もう一点。

事前告知無しの「発売開始しましたー!」の(実質)事後報告は、それが初耳のお客さんの中に「あ。私はそれぐらいの扱いなんだ(共犯者ではないんだ)」という感情を生んでしまうので、仲間を減らす一方です。

発売日の足並みを揃えなかった「TAMAGO」はすでに負債の仲間入りをしていて、これにより「TAMAGO」に関わったクリエイターの努力は水の泡。

くわえて「コミュニティー(CTD)の雑さ」「俯瞰力の無さ」もアナウンス(ネガキャン)してしまっている。

「事前の告知」は、「クリエイターの努力を無駄にしない」というリーダーの覚悟の表れであり、日頃応援してくださっているお客様への誠意です。

信用(ブランド)を商品にしているカンパニーには、
「いつもありがとうございます。今度◯月◯日に、このような新商品が出ます。もし良かったら一度お試しください」
という誠実さが必要です。

「何回言っても告知をサボる若手が出てくるので、システムをそろそろ変えたら?」という声が飛んできそうなので、今朝、弊社代表と話し合って
「若手スタッフのイベント(小規模のモノは除く)の開催日(新商品の販売日)の“少なくとも”3週間前から告知を始めていないイベントは開催(販売)禁止」
というルールを決めました。
#影響力のある西野は別ルール

皆さんのチームでは「事前の告知をキチンとする」を徹底できていますでしょうか?

今一度、チームで話し合ってみてください。

現場からは以上です。
#そんなことよりもTAMAGOってどこで買うの

西野亮廣

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