見出し画像

第71回 ミュージカル『えんとつ町のプペル』大阪公演が、度重なるピンチによって、“事件以前”よりもチケット販売が伸びている!

お前の物語こそが競争力だ

経営者(サービス提供者)の間でも「物語が重要だ」という言葉が叫ばれるようになりました。

「機能で差別化を図れなくなった時代において、他者との違いを生んでくれるのは『物語』だ」と。

たしかにそのとおりだと思います。

僕自身、「どうせ呑むならサロンメンバーさんの店で」という理由で、応援しているサロンメンバーさんの店を選ぶ機会が頻繁にあります。 #ちなみに今日も

フットサル仲間(※こちらもサロンメンバー)とビジネスで御一緒させていただく機会も少なくありません。

これも明らかに「機能」以外の部分が、引き金になっています。

そんなもんだから、CHIMNEY TOWNの後輩達と呑むときは、「上手くいっている時も、上手くいっていない時も、すべて発信しろ」と伝えています。

「お前(お前のチーム)の物語こそが競争力だ」と。

言葉を選ばずに言うと、「ビジネスパートナーやお客さんと物語を共有して、ズブズブの関係になること」が大切なのだと思います。

皆様におかれましても、「物語の重要性」に関しては4000万回ぐらい聞かされている話なので、頭には入っていると思います。

ただ、それを「体感」「確認」できている人は、まだまだ多くないのかなぁという印象。

そこで、今日はミュージカル『えんとつ町のプペル』の大阪公演の「物語」と、そこに表れた「数字」を共有したいと思います。

town and heart beat

今、ミュージカル『えんとつ町のプペル』の大阪公演はピンチを迎えています。

僕がプロデューサーのジョーさんに…
「お疲れ様です!
確認なんですが(というかチームで共有しておいた方がいいと思うのですが)、今って、助成金を受けとる為にチケットの販売をストップさせてたりします??」
というLINEを送ったのが11月16日(水)の昼。

そこから、「ジョーさんが各種取り揃えていた地雷」を撤去する日々が始まり、今に至ります。 #詳しくはオンラインサロンの過去記事をご確認ください

補助金用に確保していた2000席の半分を解放して、『チケットぴあ』で販売をスタートさせたのが11月22日か23日。 #チケットぴあにチケットを出すには1週間ぐらいかかるんですわ

僕らは、恥を承知で、この一連のドタバタ劇を全て晒すことにして、「自分達が今、ドン底にいること」をお客さんに共有しました。

さて。

そこから、「数字(チケットの売り上げ)」は、どう動いたのでしょうか?

確認してみたところ、チケットは再販スタートから2日で「517枚(@チケットぴあ)」売れたそう。

更に、25日の17時に販売をスタートした『こりっち』の方では、1日で「107枚」売れたそうです。

更に生々しい数字の話をすると…稽古代の支援で「100万円」、宿代の支援で「100万円」が、それぞれ集まりました。

「Jアラートが鳴り響く前(N字曲線の底に行く前)に、これだけの数字が出ていたか?」というと、そうではありません。
(編集部注:「Jアラート」の「J」は、今回の大阪公演のプロデューサーであるジョーさんの頭文字をとったもの。「補助金問題」「稽古場問題」「宿問題」「1000万円問題」など、詳しくはオンラインサロン、voicy

チケットの売り上げは伸び悩んでいましたし、資金繰りに関しては低空飛行どころか、石の如く動きがなかった…というのが正直なところ。

ミュージカル『えんとつ町のプペル』の大阪公演は「物語」によって、明らかに数字が伸びています。

昨日、アシスタントプロデューサーの横田さんと、ついに「これはジョーさんに感謝ですね」という会話を交わしてしまいました。 #神さま仏さまJさま

あの時、あのまま、ピンチを隠していたら(物語をお客さんに共有していなかったら)、きっと今頃は目も当てられない状況に陥っていたでしょう。 #今も目も当てられない状況なんだけども

やっぱり、伝わるんですよね。

運営のズタズタっぷりを承知で、それでもキャストの皆さんがプロの仕事をされているところや、
演出のイクマさんや、CHIMNEY TOWN USA代表の瀬戸口が、「悔しい」という言葉を漏らした気持ちや、
へっぽこプロデューサーを皆で支えようとして、黙々と頑張っているスタッフの皆様の覚悟は、確実にお客さんに伝わっている。

ネタにすることを受け入れてくれたジョーさんにも感謝です。 #ジョーさんの一番の仕事

昨日、「西野さんがそこまで届けたいと思っているものを確認したくなって、家族でチケットを買いました」というコメントを頂戴しました。

「物語の共有」は、確実に数字に反映されています。

今日はこのことをどうしても皆さんと共有しておきたくて、こんな記事を書きました。

いろんな感情をグッとこらえて、連日、ミュージカル『えんとつ町のプペル』の大阪公演を応援してくださっている皆様に心から感謝します。

今、僕らはN字曲線の底をつき、昨日あたりに折り返しました。

逆転劇はここから。

必ずハッピーエンドを迎えるので、最後まで見届けてください。

J現場からは以上です。 #J現場って何

西野亮廣

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?