【大手からの若手転職について本気出して考えてみた続】有価証券報告書から大グループ内での中核企業を見つける方法

お疲れ様です。
寿です。

先日、大手からの若手転職についての記事を記載しました。

詳細はご覧頂ければと思いますが、世間体や福利厚生等の条件面で大手グループ会社への就職を推奨しました。
しかし、大きい企業ほどグループ会社を多く持っています。会社によっては何かの拍子でグループになっただけの会社もあり、推奨条件に当てはまらない会社もあるのが実態です。

そこで今回は、グループ内で期待が大きい
(=世間一般に比べて良い待遇を用意できる体力があり、他社に切り売りされる可能性が低い)
中核企業の見つけ方について記載します。

では、始めます。
⚠️大手の中にも森ビルやサントリー等、あえて上場をしていない会社はあるかと思います。が、ご存知かと思いますが上場していなくとも有価証券報告書を作成している企業もあります。
⚠️項目内で子会社、連結会社という表記がありますが、執筆の都合上、あえて会社法に基づく表記をしていない箇所があります。見る方が見れば、これ子会社じゃなくて関連会社じゃね?20-49%じゃ区切りが雑すぎる等のご意見もあるかと思われますが、広く「関係会社」という理解で読み進んでいって頂ければ幸いです。

まずは、対象となるグループの大元の会社の有価証券報告書を取り出してください

次に、「関係会社の状況」のページにある会社を以下項目と照らし合わせて見てください。

①親会社の持株割合

子会社といっても種類があり、親会社の影響力は何%株式を持たれているかによって変わります。

100%子会社

定義
親会社が株式を100%持っている会社
・役職
社長以下の経営陣、場合によっては本部長、部長クラスまでの殆どが親会社からの出向人員で埋まっているのが一般的。
・社風
親会社と同じ。経営陣は元々親会社の社員であり、社長といってもサラリーマン。
株主である親会社に事業報告の義務があり、出向を命じてきた元上司に自分が報告する事を考えると、下手な事はせず前例踏襲をするか、アピールの為に前例を全く踏まえずに暴走するかの2択になるのが殆ど。
親会社が前時代的な会社であれば、子会社も同様に忖度の文化が色濃く残る。

50%以上子会社

・定義
親会社が株式の50%以上を持っている会社。
・特徴
何らかの理由(他社との共同出資会社、元々ある会社の株式を買収)がある。
・役職
事情によって異なるが、
社長は実権を握っている企業からの出向あるいは兼務で、その他の経営陣は共同出資会社や元々の経営陣がいる場合がある
設立や買収の経緯によるが、役員の占有率がそのまま親会社間のパワーバランスになる。
・社風
断言できない。
TOBによって出来た会社であれば社長は親会社の一部として社風も合わせようとするが、技術や人の獲得を企図した協業目的の設立や買収の場合には、下手に元々の役員や社員の顰蹙は買えずに元々の社風が残る場合もある。
親会社からみればわざわざ買いたくて買った、作りたくて作った会社なので、親会社がどうというよりは共同会社や元々の会社の社風をチェックした方が実態に近い可能性が高い。
重厚長大×ベンチャー、ベンチャー×ベンチャー、重厚長大×重厚長大、内資×外資…等々、様々な組み合わせがある為、会社設立の経緯をよく調べ、どの会社が力を持っているのでどの会社の社風による筈。といった仮説を立ててから行動するのが吉。

49〜20%の連結会社

・定義
親会社の株式保有割合が49〜20%の会社
・特徴
経営陣は親会社からの出向である可能性は高いが、親会社も100,50と比べて力を入れて管理する気持ちは薄い為、社風改革までは踏み込んでこない可能性は高い。(残りの株主が51%を持っている会社については前述した50%子会社に準拠)
・役職/社風
社長は親会社からの出向or兼務。
買収・設立の経緯によるが、他の株主(会社や、いる場合は創業者)との兼ね合いを考えて大鉈を振るう改革は行われず、役職・社風ともに元々のものに準拠する可能性は非常に高い。

19%以下の関係会社

・定義
持株比率が19%以下の関係会社
・特徴
何らかの理由がある数字(関係性維持の為、配当目的、連携強化)
・役職
出資の目的が何かによるが、関係性維持や配当目的の場合、元々の社長が残る可能性が非常に高い。
・社風
役職者含め親会社の人間が殆どいない為、親会社の社風は(どころか恩恵や影響も)ほぼ感じない。元々の会社がどうだったかによる。
ただし、これから連携を強化する為に出資をしたとなると、出資割合を今後増やす可能性が高い為、親会社の影響力の高まりにつれて役職・社風が親会社に染め上げられる可能性が非常に高い。
親会社の中期経営計画等を参照し、子会社がやっている事業に関して拡大路線なのか収縮路線なのかは要確認。

②親会社役員の兼務状況

親会社の役員が、子会社の社長になっている場合、中核事業や祖業、新規事業等グループ全体にとって非常に重要な役割を果たしている(あるいは果たす事を期待されている)会社だといえます。

この場合は極端に親会社寄りか非常に自由か分かれる事になります。

例えばメガバンクが中核企業になっているフィナンシャルグループだと、持ち株会社の社長は元々メガバンクのトップの役員や頭取であり、その為にフィナンシャルグループ全体の雰囲気は銀行に色濃く影響を受けます。総合商社で各セグメントのトレーディングを担っている中核企業の社風は完全に親会社の分身です。

しかし一方、三菱UFJ信託がステーブルコインを、三井住友銀行がIT関連会社を、みずほがLINEと銀行を(頓挫したようですが…)というように新しい事をしようとした時には本体と真逆の雰囲気を持つ会社に敢えてしようとする場合もあります。
その場合、社長は本体の役員が兼務していても体制が本社と大きく異なる事もあります。また、新しい事業を成功させる為に予算も取りやすく、優秀な人材を獲得する為に高待遇を用意するケースもあります。オープンワークや日経等で動きをウォッチしつつ、社風がある程度固まってきたような設立して数期経った段階で門を叩いてみるのも良いでしょう。

③有報で「その他」としか表記のない会社

冒頭で述べた、福利厚生や待遇が親会社と比べて大きく劣後する可能性があるのがこれです。
有価証券報告書、主な会社の状況の中で名前のない会社は、少なくともその期は戦略上重要ではないと見なされており、人的にも事業的にも追加の投資は得ずらく、名前は立派でも予想していたより手当や待遇が…というケースも十分に考えられます。

おわりに

いかがでしたでしょうか。
前回の「おわりに」を実際に検索された上で該当会社の有報を実際にお読み頂くと、
なるほど。という部分と、これは?というご意見が出るかと思います。

以下は「これは?」と感じられた方に対して書きます。

結論、その会社は外部に知られておらず、このnoteでお伝えした方法でも見つける事が困難である為、非常に狙い目だと考えます。
求人情報は滅多に出ませんが、ご転職をお考えであればエージェントに「この会社が出そうならすぐご連絡ください。」と会社指定でお願いするのも手です。出た時にすぐ応募できるよう、エージェントに会社について調べてもらい、もし類似企業があるなら教えてもらえるようにお願いしておき、書類作成を手伝ってもらえれば少ないチャンスをものにできる可能性は非常に高いと思われます。

今まで頑張ってこられたことが新しい職場で花開く事を祈っております。
それでは。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?