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『古事記』に伝えられる天孫降臨の聖地 くしふる神社

くしふる神社

『古事記』『日本書紀』の天孫降臨神話では、瓊々杵尊(ニニギノミコト)が降り立った地は、この「くじふるたけ」であると記されている。往古より山そのものがご神体として崇められ、高千穂八十八社の一つとされる。

・くじふるだけに伝わる天孫降臨の伝説

くじふるだけは、『古事記』や『日本書紀』で、天孫降臨の地とされています。ニニギノミコトは、高天原にある岩の神座を離れ、幾重にもたなびく雲をかき分け、道を押し分け、天の浮橋から空に浮いている島に威勢良く立ち、筑紫の日向の高千穂にあるくじふるたけに天降りしました。〈『古事記』より〉
また、『日向風土記』では、同じ高千穂の地にある、二上山に降臨したと記されています。


・ 瓊々杵尊(ニニギノミコト)が褒めたたえる高千穂の地

くじふるたけに天降りされたニニギノミコトは、「この地は、韓国(からくに)に面し、朝日がまっすぐに差し、夕日の照り輝く、とても素晴らしい所である」とおっしゃって、高千穂の地に太い宮柱を建て、高天原にも届くような千木をそびえさせた立派な宮殿を造営されました。〈『古事記』より〉


・祝詞の神、天児屋根命(アメノコヤネノミコト)が祀られる社で感じる言霊のパワー

タケミカヅチノミコトは、出雲国で大国主命(オオクニヌシノミコト)に国譲りをお願いした神様です。オオクニヌシノミコトの子で、千人がかりでやっと動くほどの大岩をも軽々と持ち上げてしまうという怪力自慢の建御名方神(タケミナカタノカミ)と力競べをして勝利したタケミカヅチノミコトは、タケミナカタノカミを諏訪まで追いつめ、国譲りを約束させました。この天つ神と国つ神の力競べの神話は、相撲のルーツとも言われています。タケミカヅチノミコトを祀るくしふる神社の秋季大祭では、何百年も続く伝統ある奉納相撲が行われています。
また、天照大神(アマテラスオオミカミ)の天岩戸ごもりの際に祝詞を奏上した天児屋根命(アメノコヤネノミコト)は、祝詞の神、言霊の神と言われている神様。自らの言葉や思念が未来を作り出すという引き寄せの法則が最近ブームになっていますが、古代の人々は言霊の力を当たり前のように信じていました。くしふる神社に参拝し、言霊の持つパワーをあらためて感じてみてはいかがでしょうか。

〈基本情報〉
住所:宮崎県西臼杵郡高千穂町三田井

高千穂バスセンターから0.8km 
駐車場:有、無料、10台
祭神:瓊々杵尊(ニニギノミコト)・天児屋根命(アメノコヤネノミコト)・天太玉命(アメノフトタマノミコト)・経津主命(フツヌシノミコト)・武甕槌命(タケミカヅチノミコト) 
例祭日:10月体育の日
御神木:杉
御利益:諸願成就、天児屋根命・天太玉命は歌の神、経津主命・武甕槌命は武道の神


※この記事は、2008年に作成した記事です。

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