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季節の贈りものは 届きましたか

第16週 7月21日〜7月27日の記憶。 それを探る試みです。 
一年間のルドルフ・シュタイナー超訳に挑戦中です。

今週は、あなたが目にはみえない“贈り物”をしかと受け取り、それを秘めておけ!と告げられます。次なる展開への序章でもあるかのようなメッセージですが、子どもにもどって昆虫採集とか、いかがでしょう?

では、読み解いてまいります。

  

P. SECHZEHNTE WOCHE. (21. JULI – 27. JULI [1912]).

16.
Zu bergen Geistgeschenk im Innern
Gebietet strenge mir mein Ahnen
Dass reifend Gottesgaben
In Seelengründen fruchtend
Der Selbstheit Früchte bringen.

Anthroposophischer Seelenkalender, Rudolf Steiners,1912



  内なる辺境からのギフトを大切に秘めよ 
  輪廻のわたしの決めごと
  大いなるものからの結晶 
  心の地平に実を結び
  自分らしさをもたらす。
  



ギフト

朝起きた瞬間とかに、昨日まで悩んでいた解決策とかを
パッと思いつくことない?
海外ではそのことを“ギフト”って表現するんだよ。
うまいこというよな。

と、大昔、話好きの先輩から聴いたことがありました。たしかに、なんの前ぶれや脈略もなしに、直観が冴えて、いきなり新しいアイデアが降ってくるような時ってありますよね。

そのような時は自分が天才であるかのように感じませんか。そして、生まれながらにして、そのような能力をもっている人もいるようです。そのような人は、“ギフテッド”と呼ばれているそうです。

一般の人間より速く、深く、広く学び、わずかの反復で全体概念や技能を修得する。高い論証能力、精神性、独創性、好奇心、想像力、洞察力、芸術性、博愛精神、豊富な語彙、深い共感的理解、優れた記憶力を持つ。ただ必ずしも学業において優秀とは限らない。芸術性を伴うギフテッドは、絵画、音楽、工作、作文、ファッション、小説製作、映像製作の分野のいずれかにおいて顕著な才能を発揮する。既存の方法に加え、過去からの改善により効率的な過程を経て世間の理解が得られる範囲内において優れた成果を挙げる「優秀な人」とは異なり、ギフテッドはそれらの過程が自らあみ出した独自のものであったり、結論そのものも独創性に富んでいる。ただこの独創性ゆえに、一般世間で理解や支持を得られないことも多く、上記の能力を適切に図られずに過小評価を受けたり、さらには天才的な答えであるにもかかわらず現代常識から見て非論理的だとされ、当たり前の答えも理解できない者であると見られてしまうこともある。

また過度激動といわれる精神的・行動的な激しさを示すこともギフテッドがもつ特徴である。ギフテッドは環境からの刺激に対する感受性や興奮性が高く、通常自然に受け入れる物事に対して過剰に反応するため、日常にある疑問や矛盾に気づきやすく、強い関心やモチベーションを持つと考えられている。この傾向があるからこそ、一般の人間より能力が早期に発達し、人格発達もより早く促されると考えられているが、ギフテッドの過度激動による反応は、周囲と質的に差異を生みやすく、本人の中での葛藤や集団生活上の問題につながることがある。

Wikipedia:ギフテッドより

これを読むと、特別な人というより、誰しもがギフテッドな部分をもって生まれてきていると感じませんか?

わたしから観れば、大抵の人は、天才的な部分があります。会話をする時に、理解できないような返事が戻ってきて、どういうことなのか熟考を要することがしばしばあるのです。またある人は、絵を描くことに長けていて何を描いているのか分からなくても、バシバシと心に何かが響いてくる素晴らしい表現力をもっているのです。

たしかに、知能指数(IQ130以上)をもつ人々と限定すれば、上位2.5パーセントの人々というくくりになるかもしれませんが、贈り物が届いている人たちは、それだけに限定されているとはいえないと思うのですよ。



秘めよ


さて、今週の先生は、そのようなギフト、贈り物、たまもの
心に大切に秘めよと伝えてきています。それは何故でしょうか?

それは、自分が大切に想う物事がはたして“自分らしさ”をもたらすものか、という問いに対して冷静に偏見や理想、バイアスを排除して答えを探してみてください。安部公房氏が“内なる辺境”で論じた、正統と異端の中庸から浮かびあがるものが何なのかを探ることなのでしょう。

大いなる自然の循環から送られてきているのものか、輪廻転生のような未来や過去の時間軸とは無縁の世界から発せられているものか、大いなるものが一つに結晶してゆくような成長にかかわるものなのか、あなたの心の地平に芽を出し開花して実を結んでゆくようなプロセスが潜んでいるか?等々

きっと、あなたにもギフトがあります。大切なのは、そのギフトを受けとること、そしてそれを育てること。どんなに小さなものであっても、それがあなたを特別にし、周囲に対しても影響力のあるものに成長する可能性を秘めるているのです。

夏の強い光の中で、みえない存在たちが力をもち。
自然を成長させていることを体験し、感じられたメッセージを
心に秘めておくようにしましょう。

次なる季節にむけてどうのように変容してゆくのでしょうね?

まぁ非常に暑い日々が続きそうです、この季節を愉しんでゆきましょう。


2024年7月カブトムシ




蟲の季節


子どもたちは、カブトムシのその容姿の格好良さにひかれ、
小さな手でそのツノをツンツンとつっついて夢中になっています。

その姿を横でみていると、
突然に現れた蟲と、あなたとのつながりは何なのでしょうか?

そのような問いが頭をよぎります。

ただのオモチャとしての存在ではないはず、
では何なのでしょう?

地球上で生命活動をおくるために、
組み込まれているものの共通点があるはず?

生命いのちを動かしている何かです。

そして、大いなるものの導きで、どの道をどのように進んでゆくのか?
あなたは、土の中から出てきた瞬間、どんな感じがしたのでしょう?

そして、また転生してゆくのか?

逞しく揺らぎ、つながってゆくのか?


子どもたちは、カブトムシが自分のものであるかのように
遊んでいる最中、そのツノを眺めていました。

たとえば、舞踏家たちは、自分の身体に蟲を憑依させ踊ります。

おそらくは、人間にも蟲は具わり、蟲もまた人間を具えています。
生命いのちは想像力と創造力によって、そのことを可能にするのです。

同様に、表現者も蟲が描きたいものを描けるはず。

生命いのちは、表現する力を持っているのです。



そして、それら一つひとつ
すべてが成長してゆくような奇跡に充ちた美しき世界に
あなたも、わたしも、生きている。
という実感。

素晴らしいですね…




シュタイナーさん
ありがとう

では、また


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