ユーチューブへアップした音が小さい事ありませんか。
あなたの動画の「音圧、音量」レベル適正ですか?
以前ユーチューブへ作品をアップしたときのことを思い出します。出演してもらった方から、音が小さくて聞こえないけど。。そんな事ありませんよ。編集でしっかり音声ピークメーターで適正音量になっているし、PC上で何度も再生し問題ない。ヘッドホンでも外付けスピーカーでも適正だ。と自信を持って伝えた。
しかし、その他の人からも同様に小さいと言われ。自信をなくした。
そんな経験、皆さんも、おもちではありませんか。
ユーチューブで音のレベル適正になっているか調べる方法。
編集ソフトがなく適正であるかは、アップしたYouTubeから調べることが可能です。動画再生し、画面の上を右クリックして、一番下の「詳細統計情報」を選びます。
Volume/Normalized を見ると100% / 89%と出てます。この場合元の音を100にたいし89つまり11%下がっていると言うこと。YouTubeで聴いても音量が大きく聞こえる場合はこの数値が100%に近いのです。
逆に数値が70%とかになっている場合は30%も下げられているということで、音質ものっぺりしているかもです。なぜこうなるのでしょうか。ラウドネスを知るとわかります。
動画を制作するカメラマニアの方に多いのが「音」への感心不足ですね。ユーチューブへアップしても音が小さいと言われては、どんなにきれいな動画を撮っても見てもらえません。動画を楽しんでいる方に共通するのが、動画カメラの露出やホワイトバランスなど画質へのこだわりは相当なものです。実際ユーチューブの動画の撮り方や編集テクニックなどで撮影時のテクニックの解説は多いです。しかし、編集した作品をユーチューブへアップするために、多くの方は撮影時や編集等には音量調整基準のピークメーターを見て決めてますよね。しかし、しっかり合わせて適性で上がった音が、ユーチューブへアップすると音が小さいと言われることがあります。それって、変ですよね。そこで知らないといけないのが「ラウドネス」です。
まずは、カメラ撮影時のモニターや編集ソフトでの音量レベルメーターからご説明いたしましょう。
動画・映像編集時の音(オーディオ)のレベル調整の目安
dB(デシベル)とdBFS(ディービーエフエス)とは
db(デシベル)は比率を表す単位
動画の編集をしていたら必ず目にする音量の単位がdB(デシベル)です。動画・音声編集ソフトのレベルメーターに記載されているdBは、省略されていますが、正しくはdBFSです。
dBFSは"Decibels relative to full scale"を略で、このdBFSは、デジタル信号の大小を表す単位です。動画編集ソフトなどでdBと書かれていますがdBFSを省略されたものです。dB = dBFSと思ってください。
音編集の大前提は0dBを超えないこと
音編集では「0dBを超えちゃダメ」と多くの説明で書かれています。
0dBを超えると、バリバリとかビービーとか、いわゆる音割れという状態になります。
ナレーション・BGMなど音のレベルはどのしたら良いのでしょか?
全体の音を調整する前に、様々な音をそれぞれ調整します。「様々な音」とは、以下のような音です。
編集ソフトには音のピークメーターがついています。このメーターを見ながら
以下を目安にして編集するとバランスの良い作品が作れるといわれます。
全体のレベル : -6dB ~ -10dB
会話・ナレーション等 : -8dB ~ -12dB
音楽のBGM:-18dB~ -30dB
効果音:-6dB ~ -10dB
このレベルで完成後、書き出しをすれば一般的な動画、ビデオ作品として問題ありません。
ただし、ユーチューブなど配信では、このレベルですと音が小さくなってしまいます。その解決には、次のラウンドネスを学んで下さい。
ラウンドネスご存知ですか?ユーチューブでは必須です。
近年、放送業界などで利用されている基準値ラウドネス
これまでdBという単位のお話をしてきましたが、dBは音の量、つまり音量です。放送業界、音楽業界も含めて、デジタルメディアの業界では現在ラウドネスという単位と音量とでバランスを取っています。
つまり最終的にラウドネス値を調整する作業が必要となります。
ラウドネス( Loudness)とはなんでしょうか。
「番組からCMになると大音量に聞こえたり」「チャンネルを変えたら音声が小さかった」という経験ありますよね。「ラウドネス」は、こうした音量の不統一を避けるために数年前から、TVやラジオなどの放送業界や音楽配信サイトなどが「ラウドネス基準」を採用しています。
ちょっと難しい話しですが、人間の耳で聞いたとき、音の大きさの違いによって,低域や高域の聞こえ方が実際より強く聞こえたり、弱く聞こえたりする性質が有ります。これは「音量感」を意味します。実際にピークメーターで鳴っている音の物理的な量の「音量」とは区別されます。
つまり音量と音圧の違いは
音量:音の量。つまりボリュームなどで音の大きさを変える。
音圧:音そのものの圧。ボリュームを弄らずにそのまま大きさを変える。
国際的な基準で、テレビ放送におけるラウドネス値の推奨値は-24LKFS
「デジタルテレビ放送番組におけるラウドネス運用規定」に準拠した音声レベル運用基準は、2013年4月からは完全施行しました。日本放送協会でも、2013年4月の番組からラウドネスによる音声レベル管理の運用を開始し、番組間の音量レベルを平均化しています。テレビ番組や、CM、ラジオ等で放送用の作品には、このラウドネスメーターで検聴し、規格内の納品が求められます。
テレビ放送におけるラウドネス値の推奨値は-24LKFSは国際的な基準で決められターゲットとするレベルを-24LKFSとし、その±1dBは許容範囲とのことです。
ラウドネスメーターの単位 LKFS/LUFSとは?ラウドネスメーターで表示される単位はLKFSとLUFSです。Loudness, K-weighted, relative to full scale(LKFS)とLoudness Unit, referenced to Full Scale(LUFS)の略です。
ラウドネスレベル(LUFS/LKFS)基準
日本のテレビ・デジタル放送基準(ARIB TR-B32)-24.0±1(LUFS/LKFS)
WEB用コンテンツ-16 ~ -12(LUFS/LKFS)
Youtube-14(LUFS/LKFS)(規定を超えた音量は下げられる)1LKFS/LUFSは1dBと同じで、ラウドネス値が-14LKFS/LUFSのチャンネルをい1db下げると、-13LKFS/LUFSになります。
音量のばらつきを抑えるラウドネスノーマライゼーションとは
皆さんはYouTube見てると、動画によって音量が大きかったり、小さかったりと感じた事ありませんか。
プロは作るテレビ番組と異なり、YouTubeは誰もが動画をアップロード可能です。そのため、音量の基準どころか、そもそも音量を気にせず投稿される方が多いと思います。
これを解消する仕組みや機能がラウドネスノーマライゼーションです。
ラウドネスノーマライゼーションは、基準のラウドネス値を決めておき、それを上回る・下回るオーディオデータを、基準値に近ける処理・機能の事です。
動画編集でラウドネス値を気を使うことが最も大切です。
いままでのお話では、dBをベースとして編集で基準に合わせて仕上げてください。
ラウドネス値を気にするのは、最終的な調整の段階でおこないます。
全体のオーディオのレベルをラウドネス値で確認し、配信するプラットフォームの仕様に合わせて調整します。
Youtubeでは、アップロードした動画が「-14LKFS」を超えていると自動で補正がかかり、音量が大きくなりすぎないように調整されます。音圧(LFUS値)が下げられる為、聴覚的に音量が下がって聴こえます。
音量が下がって聴こえることを防ぐには、編集のピークメーターを14db上げるとユーチューブの適正になるのですが、ピークメーターの0をこえてしまい音割れしてしまいます。
そのためには、編集ソフトのコンプレッサー機能で上を押さえて音量を調整します。
一方、面白いことに音量が小さい場合は補正はかからないので小さいままなのです。
例:Adobe Premiere Pro でラウドネス値の調整を行う
編集ソフトPremiere ProやFinal Cat Pro 、DaVinci Resolveなどではラウドネス値の表示・調整ができるようになっています。
使い方は下記の例を上げておきます。