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車窓から見える中国の大地に思う

ゴールデンウィーク、どこも混むけど、
まったく出かけないのも子供がかわいそうかと思い、
郊外で一泊することに。

北京から郊外へ向かう車窓からみえる景色は
道の両側に植えられた高くそびえるポプラの木立ち、
その向こうに広がる地平線が見えそうな大地。
 
 
わたし、ほんとに遠くにきちゃったよねぇ。。
 
 
こんなに広い、どこまでも続く、
生まれ育った土地とは全く違う、
こんな見知らぬ土地で、
わたし、暮らしているんだな。
 
「中国ってほんとに広いよねぇ~」
 
思わず私が言うと、
 
「ほんとにそうだよね!」
 
と娘。
その、当然のような、
そしてちょっと誇らしげにも思える口調に
 
「ああ、娘はこの大地に生まれ、
 この国の風土に育まれた子なんだな」
 
としみじみ。
娘にとってはこの風景は心のふるさと。
この大地に生を受け、根を張り、
この風景をあって当たり前のものと思って
育って行っているんだ。
 
わたしから生まれた娘だけど、
わたしとの本質的な違いを感じて、
ちょっと心に風が吹いた。
 
この異国で、わたしにとっての拠り所は
隣で車のハンドルを握るこの夫だけ。
夫がいる国だからということが
わたしがこの国に暮らす理由。
 
私はこの地平線が見える、
この強くてたくましい、
自由な大地の風景が好き。
 
だけどわたしが死んだら、
この大地に埋まるのではなく、
やっぱり灰にして海に撒いてほしい
(これ前に考えたこと)。
 
…なんてことをつらつら考えていると、

「しりとりしよう!」

車中に娘の明るい声が響いた。


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