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春が来る。コスメを変える。

私がお化粧をちゃんとしはじめたのは、多分、大学1年生の時。

私は神戸の実家から大阪の大学に通うようになった。

阪急電車で通学していたので、必然的におしゃれ私学の学生たちとの通勤ラッシュ被りに巻き込まれた。
阪急神戸線の沿線には甲南大学、甲南女子大学をはじめとしたキラキラ私大も多かったから、せめて少しでも恥ずかしくないようにとなんとかメイクをがんばっていたけれど、どうにもキラキラには程遠い出来だった。

こだわりたいと思うほど自分の顔が好きになれなかったし、メイクにお金をかける余裕もなかった。きっと優先順位が低かった。

社会人になってもあまりメイク熱ははいらなかった。
最初は幼児教室に勤務していたこともあって、服装も動きやすいシンプルなものが多かったし、そうなるとがっつりメイクはバランスが悪かった。

だけど、私のメイク人生(?)に転機が訪れた。

1年で辞めて転職した後、なんと突然丸の内OL(正確には八重洲側だけど)になってしまった。
東京駅はびっくりするくらい高いヒールでコツコツと階段を駆け上がるOLや、細くて綺麗な体をタイトスカートで締めているOL、ふわふわ巻いたいい匂いのする髪の毛をゆらすかわいいOLで溢れている。
しかも、東京駅付近にはこれでもかと購買意欲を煽る広告や高級ブランドのショウウインドウが立ち並んでいる。美意識が嫌でもアップする街なんだと思う。

そんなわけで、キラキラOLと資本主義の中心みたいな街に触発されて、私はやっと本格的にメイクを始めた。

まずはマツエクをつけてバッサバサなまつ毛を手に入れ、同期に手伝ってもらってかわいいデパコスを買い、商談前には必ずリップを綺麗に塗るようになった。ジェルネイルにも挑戦して、ヒールも履いた。いわゆるおフスカジュアルのお洋服を纏って、気分は「THE丸の内OL」。多分人生で一番おしゃれを頑張った時期だと思う。

そんな日々が終わったのは、あのウイルスが猛威を震い始めた頃。いち早くフルリモートになった我が社なので、ほぼ出社もなくなって、商談もオンラインだけになったので、またメイクの熱が薄まっていった。

バサバサマツエクをやめ、ネイルもやめ、ほぼすっぴん。
オンラインミーティングの時だけ、眉毛とリップだけかろうじて整えた。
そんな日々が2年続いた。

お仕事に関してはこの辺りのマガジンを読んでいただければと思うんだけど、とにかくそんな日々を超えて私はフリーランスになった。

フリーになると、お金に余裕はなくても時間に余裕を作れるようになった。引き続き在宅でお仕事を受けているので、好きな家具や雑貨でお家を整えて、部屋着も自分がテンションのあがるものを買った。

余裕が出てきて初めて、メイクも自分らしいものがいいなと思えてきた。

多分、それまでのメイクはいつだって無理をしていたし、周りの目を気にしていた。だからたのしくなかった。

そんな時に、葉ちゃんのこの記事に出会った。

なんて可愛い文章。

彼女はリアルに会っても可愛いんだけど、文章からもその可愛さが溢れてしまっている。

こんな文章に出会ったからには、わたしもなんだか「可愛くなれる」気がしてきた。

そして長かった冬も終わって、季節が春めいてきた。
なんだか新しい自分にアップデートしたくなった。

そこで先日、古くなったものやテキトーに選んだきゅんとしないコスメを全部断捨離して、新しいコスメたちをお迎えした。(やっと本題)

写真のピンクの色をつけたのが爆買いしたお化粧品である。
3日間くらいで大量の美容YouTubeを見て、いろんなのを試して、一気に買い揃えた。

買い揃える時も、基準にするのは誰かの視線じゃなくて、「自分が好きな自分になる」こと。

自分が似合うと思う色を取り入れて、今まで避けていたような細かいこだわりも発揮した。

葉ちゃんの文章にもあるけど、やっぱりメイクブラシはとても重要。
MACはチークブラシでその良さを知っていたから、アイシャドウブラシを揃えて、ついでにシャドウも購入。(コスメより高いのビビる。)コスメデコルテのはオフィス用でおとなしい色なので、今回はイエベに似合うオレンジ色が強いものを買った。さすがMAC。発色が神がかっていてキラキラまぶたにうっとりする。

在宅で緩んでいたすっぴん肌はあまりお手入れできていなかったので、美容液成分が多いPAUL &JOEのあの有名な下地でカバーして、マキアージュのパウダーでカバー。自分の肌の色的にもピンク系が似合うので、これは正解だった。肌が整うとテンションも上がる。

さらに今回は本気なので、付属のスポンジではなく、ROSYROSAのスポンジも買ってみた。使ってびっくりしたんだけど、水を含ませて使うとより一層馴染みが良くって、ヨレない。スポンジすげえ。

それから最後に眉毛。
眉毛はどんな動画でも美容系YouTuberが重要って言ってるから多分めっちゃ重要なんだと思う。放置していた眉を整えて、マキアージュのアイブローで眉尻を綺麗に描いて、隙間はセザンヌで埋めつつ、最後は眉マスカラで整える。眉毛に3工程もかけるんなんて、昔の自分がみたらめっちゃびっくりだと思う。

今まであまり色味を気にしていなかったけれど、下地も、パウダーも、眉マスカラもピンク系で揃えたら顔色も明るくなった気がする。

そんな感じで、1つ1つこだわって選ぶと、前より自分を好きになれた気がした。そして、メイクの工程は「時間がかかるめんどくさいもの」から「自分を好きになれる時間」に変わった。

春は、こんなふうに誰かの背中を押す言い訳をくれる。
誰かが変われるきっかけになる。
だから、私は春が好き。



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