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前編|元・年商〇〇越えの起業家だった父親と同じ月収を稼いでみた結果、お金の印象は変わったのか?


幼少期の私は、比較的裕福な家庭に育ったのですが、16歳の時に父親の会社が倒産し、欲しい物やお金をかけて経験したいことがたくさんあった青春時代に極貧生活を経験しました。その頃の経験から「私は健全に生きよう。安定を最優先にしよう!」と決めて、大学(オール奨学金・現在も返済中)を卒業後、ある有名な大手企業の会社員として約7年働いていました。

しかし、ふと気が付くと、泣いて止める母を尻目に(そんな母は今では心配しながらも全力で応援してくれています)、父親の背中を追いかけるかのように、私は起業をしました。

極貧生活の経験から、私は長い間、お金という存在を、自分よりも上におき、ずっとお金に怯えて、お金で自分の選択肢の幅を勝手に決めて、お金に振り回されて生きてきたので、どうしても「たくさんお金を稼いで、お金と仲良くなる」という経験がしてみたかったのです。そして、「幸せなお金持ちと、不幸なお金持ちの違いとは?」という疑問を解消したかった。その経験をなるべく早く実現するには起業が一番の近道だと考えました。

起業した当初、作家の本田健さんの著書や発信をよく拝見していて、その中でも、「あなたとお金との関係性は?」という問いに関して、答えは、「お金の主人」か「お金の親友」か「お金の奴隷」この3つしかないと提唱されていることに、ものすごく納得をしました。なので私は今でもこの概念を大切にしています。

ちなみに、

「お金の主人」とは、お金で権力を誇示して誰かを屈服させようとしたり、お金で人をコントロールする人。

「お金の奴隷」とは、いつもお金のことを心配していて、いつもお金を見張っている人。お金のせいにして自分の人生を諦める人。

そして、

「お金の親友」とは、お金と対等に楽しく付き合い、お金というツールを通して様々な経験をし、自分の意識の拡大のために、お金とタッグを組んで人生をサポートし合う人のこと。

こうして改めて文字にしてみると、お金もガッツリ「対等 or 勝ち負け」の世界に分かれているんだなと痛感します。

私の父親が敏腕社長としてブイブイ言わしていた頃は、とにかく羽振りの良いイメージでした。誰かと食事に行っても、全て当たり前のようにお会計は父が担当。母にも潤沢な生活資金を毎月渡し、後から聞いた話では、自分の親への多額の仕送りはもちろん、親族の家のリフォーム代まで出していたとのこと笑。(父は元来お人よしで面倒見のいい性格)

当時、まだ子どもだった私の目線からは、有り余るほどのお金を持っていた父ですが、でもいつも辛そうで、(私には優しかったけど)他の人には怒りっぽくて、どこか不幸そうなイメージでした。だから父の会社の倒産が決まった時も、心のどこかで「やっぱりな」と思っていました。

そこから約15年の時を経て、私も父と同じ起業家の道に進むのですが、まずは、自分が会社員だった頃の月収を超えることが目標でした。これは、おおよそ1年弱でなんとかクリア。次の目標は当時の父親が役員報酬として受け取っていた月収と同等の額を稼ぐこと。この目標に対しては、並々ならぬ気合いを入れていましたが、これも2年半〜3年程度であっさりとクリアできてしまいました。

しかし、憧れだった父親と同等の額の月収を稼いだ時に、私が感じていた感情は、まさかの「苦しみ」でした。

あれだけこだわっていた「お金」を稼いだはずなのに、楽になるどころか心は苦しいままだった。お金に苦労をしていた頃と心境は何一つ変わっていなかった。ちっとも幸せではなかった。

こんな感情になるとは夢にも思っていなくて、心の底から絶望をしたのと同時に、父親が会社を倒産「させた」理由が痛いほど分かりました。これじゃあ苦しくていくら稼げたとしても続けられないわ。終わらせたくなるわって。

ここで私は起業した当初の気持ちを思い出しました。

私は「お金の奴隷」だった自分が嫌で、頑張って全盛期の父親と同等の額の月収を手に入れたけど、でも、それはただ「お金の主人」になっていただけだったんだと。

お金の奴隷はお金に負ける人。お金の主人はお金に勝つ人。ただの勝ち負けの世界

所詮、私は、お金に勝った負けたを繰り返していただけだったんだなって。本質の部分では何も変わっていなかったことを突きつけられました。

ここでもう一度、改めて「お金と仲良くなりたい」「お金と対等の世界で生きたい」と心から思ったのでした。


後編へ続く



《著者プロフィール》

夕起あずさ|1988年生まれ|カウンセラー、コンサルタントとして活動中。

もっと自分を好きになるための『カンタン♡マイルールチェンジ』をコンセプトに、自身の経験をもとにすべての女性に向けて、“自分らしく生きる方法”をお伝えしています。

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