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エッセイ #10|「ガンバレ!女子たち。」

ある日、仕事を終えた後「ちょっと乾杯しよっか!」と、お値段が均一の某大手焼き鳥チェーン店へ夫と一緒に行った時の話。

私たちが乾杯をした直後ぐらいに、リクルートスーツを着た、黒髪の若い女性3人組が真隣のテーブルに着席した。

席と席の間が近いため、会話の一部が聞こえてきたのだが、

彼女たちはどうやら就活の説明会の帰り道に、ペコペコのお腹を満たすためにこの店に入ったようだった。

私と夫は日頃からよく食べる方だが、双方アラフォーになってからは確実に胃腸が弱くなっており、「食べたい!」という意思とは裏腹に体がちっとも言うことを聞いてくれない。

横の彼女たちは学生さんだからなのか、焼き鳥を何種類か頼んでみんなでシェアするわけではなく、自分が食べるものは自分で注文するスタイルで、

焼き鳥を1人3皿(1皿につき串が2本)頼んでいて、頬を綻ばせながら美味しそうにガンガン頬張っていた。

私と夫が、ビールを片手に、チマチマと焼き鳥をつまんでいる時に、店員さんの大きな声が横で響き渡った。

「鶏釜飯、3つお待たせしました〜!」

ちなみに、鶏釜飯はこの店の大人気メニューで、大体どの客も最後の〆に食べている印象だ。釜は小ぶりのサイズだけど、ご飯はたっぷり2膳強は入っていて満足度も高い。個人的に2人でシェアしてもちょっと多いぐらいだ。

そんな名物の鶏釜飯を、彼女たちは「一人一釜」頼んでいて、実に美味しそうに食べていた。

そんな彼女たちの姿に、キュンと胸を打たれた私が思わず夫の顔を見ると、夫も完全に胸を撃ち抜かれていたようだった。

お腹が減っているのかな?手持ちのお金でどうやったらお腹がいっぱいになるのか必死に考えたのかな?と勝手に妄想が膨らむ。

就活頑張って欲しいなぁ!早く就職が決まって、3人で楽しいお酒を飲んで欲しいなぁ!と勝手に応援したくなる。

妄想でいくらでも幸せな酒が進む。

頑張る彼女たちに、幸あれ!!!

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