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奇しくも原点回帰したコンビニの意味

リモートワークになってから早くも4ヶ月が経過しました。人間の細胞は3ヶ月で入れ替わるとよく言いますが、完全にルーティンが入れ替わり、別の人類になってしまった感覚。もはや"慣れた"というより、元の生活の感覚を思い出せなくなりつつあります。

僕は2017年に会社を興すまでは、東京大学の教員が本職でしたから(いまは副業なのか!?と怒られそう🙏)、東大本郷キャンパスの付近にマンションを借り、ここ数年は文京区本郷で生活しています。初期のミミクリデザインのオフィスも東大の正門の目の前にかまえ、生活のすべてが文京区の徒歩圏内で完結するように、ライフスタイルを設計していました。

ところが3月に会社のオフィスは代々木に移転。コロナの影響もあって、東大のキャンパスに足を運ぶ機会もほとんど消滅してしまいました。なぜ自分はここに住んでいるのだろうか?どこに住むことが、家族にとって最適な選択なのだろうか?と、おそらく多くの人が悩み始めているのと同様に、問い直し始めています。

さて、そういうわけで、仕事も家。飲み会も家。家族の食事も家が中心となると、自宅におけるさまざまな「消費量」が変化します。食材、水、ビール、トイレットペーパー、光熱費など..。そのなかでも驚いたのは「氷の消費量がハンパじゃない」ということです。もはや冷蔵庫の製氷速度では追いつかないほど氷が必要で、久々にお金を払って氷を書いました。氷って有料だったんだな…

コロナ禍で変わる"コンビニ"の意味

暑いせいもありますが、アイスコーヒーを飲むにも、ハイボールを飲むにも、レモンサワーを飲むにも氷は必要で。冷蔵庫の自動製氷で作られる氷は頼りないことから、コンビニでロックアイスを買う頻度がとても増えました。良い氷と良いグラスを使うと、飲み物が格段に美味しいですよね。

結果として、いま僕にとってのコンビニは「美味しい氷の調達先」となりつつあります。Amazonで買うわけにはいきませんから、家の近くでロックアイスが調達できることは、まさに便利(convenient)そのものです。

それで思い出したのですが、思えば、コンビニエンスストアの起源は、各家庭に電気冷蔵庫が普及していなかった1927年頃。アメリカ・テキサス州の町の小さな「氷小売販売店」であるサウスランド・アイス(現在のセブンイレブン)が発祥なのだそうです。参考

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コンビニから誕生してから、100年弱。現代社会の発展とともに"便利さ(convenient)"の定義は当然アップデートされ続けていますが、一周まわって、(私にとっては)意味が転換し、元に戻ったように見えることが、なんとも興味深いですね。

イノベーションプロジェクトは「まず歴史を調べろ」というのが僕の持論なのですが、意外に「すでに辿ってきた意味」のなかにも、意味のイノベーションの新しいヒントがあるのかもしれません。あ、ライトな日記を書くつもりが、ついイノベーションの記事を書いてしまった..。

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こんな感じで、この個人noteのアカウントでは、安斎の日々の気づきや取り組みについて、日記レベルのショートエッセイとして、ほぼ週次くらいのペースでゆるゆると続けていきます。きちんとしたイノベーションに関する実践知は、安斎が編集長を務める新メディア「CULTIBASE」に集約していきますので、そちらをご覧ください!

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編集長の視点から、今週のCULTIBASEのオススメの記事、イベント、動画コンテンツなどを紹介します。

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[1] 問題の本質を捉える「問い」の技法が、私たちにもたらす力と道しるべ――cotree/CoachEd櫻本真理さん×安斎勇樹対談

CULTIBASEでは、書籍『問いのデザイン』のナレッジを拡張するために、問いのデザインのエキスパートとの対談コンテンツをお届けします。第一段のcotree/CoachEd CEOの櫻本真理さんとの対談が公開されています。

[2] イノベーションのための3つの学習戦略を描く:新連載「組織学習の見取図」

安斎の個人連載として「組織学習の見取図」というシリーズも始まりました。イノベーションを起こすためには、組織がこれまでの方法や価値観に囚われずに、変化し続けることが必要です。この連載では、組織の変化のメカニズムに迫る「組織学習(organizational learning)」と呼ばれる領域の理論と実践知について、体系的に解説していきます。

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