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「好きな自分」でいられる街

……というのが、明確にあるよなぁと思う1日だった。

今の私にとってそれは、生まれ育った千葉の地元よりも東京だ。圧倒的に。

地元に帰れば、安心する。空気は美味しいし、野菜は安いし、空が広くて鮮やかな緑が広がる田園地帯を眺めていると、体の隅々まで浄化される。時間がゆっくり流れ、家族と食卓を囲み、満たされる。

そして私は、無欲になる。

ギラギラした成長欲求や競争心の角が知らぬ間に削られ、丸く、小さくなっていく感覚だ。ここにいれば、東京よりお金もかからないし、穏やかな幸福にいつまでも浸っていられる。

刺激を求めない、成長を求めない、現状維持で満足する
そういう状態の自分を、大好きだとは思えない。

地元にはたまに帰るから良いのであって、浸りすぎると根腐れしてしまうのだ。

私が住んでいるのは、東京のなかでも中心部の区。自分を甘やかしすぎると、文字通り生活ができなくなる。フリーランスは毎月決まったお給料が振り込まれるわけではないのだから、数ヶ月後も今と変わらず家賃を払い続けるために、不自由なく生活をしていくために、自分で営業をして、自分で仕事を増やして、自分の社会的価値を高め続けなければいけない。

っていうか野菜高すぎて笑っちゃう。
じゃがいも半額にして?

毎日ヒリヒリしていて、成長し続けなきゃいけない環境に身を置いていると、同じように毎日戦っている仲間たちが周りに増えていく。

「頑張ってないと、頑張っている人たちとは出会えないんだよなぁ」という、いつか見かけたツイートを思い出す。

朝から晩まで、くたくたになるまで仕事をして
うまくいかないことや不安や愚痴を一緒に吐き出して支え合って
近所に住む親友と23時に「もう無理お腹減った」ってラーメン屋に駆け込んで
疲れ果てた体に沁みわたる塩ラーメンに「最高〜!」って唸って
くだらない話で爆笑していたら疲れも吹っ飛んで
「今日も頑張ったね」って笑いながら家まで歩いて帰って
深夜1時にnoteを書き始める

朝から晩まで目まぐるしく、騒がしくて
自分を使い果たしたと思える今日みたいな夜が
今の私の人生の幸福なのだ。

なんでもない、日常の1ページだけど
真空パックしてずっと残しておきたいなぁと思ったりした。

東京が好きだ。
道は違えど挑み続けている戦友たちが住み、集まるこの街が好きだ。
この街にいる自分が好きだ。


ずっとここで暮らせるわけじゃない。
ずっと一緒にいられるわけじゃない。
それがわかっているからこそ、より強く思うのだろう。

好きな街を離れ、また好きな街を増やしていく。
それは「好きな自分を増やしていく」ということに等しいね。


23時の塩ラーメン


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