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【英語学習】文化と英文法を楽しく学べる『英語の路地裏』
洋書を読んでいるとき、あるいは英語圏で作られた映画を見ている時、「どうやらこのシーンは笑うべきところらしいけれど、どこが笑いどころだったんだろう」と思う時がある。
単語ひとつひとつや文章構造がわかっていても、文化的な背景やトレンドなどを抑えていないとセリフの深みがわからないシーンもある。
北村紗衣さんの『英語の路地裏 オアシスからクイーン、シェイクスピアまで歩く』は、そういった文化背景を踏まえて有名作品の楽しい読み解き方を教えてくれる、ガイドブックのような一冊だ。
映画『ジョーズ』と冠詞
英作文を書く時、これってa?それともthe??と、使い分けで悩むことがある。
会話でもとっさに正しい冠詞が選べているのかどうか、ちょっと自信がない。
この本で紹介されているのは、「例のあの〜」という意味で使われる”the”とaの使い分けだ。
作中のセリフを用いて、次のように説明されている。
Ellen: I thought you told me the shark was caught [...].
Hooper: They caught a shark, not the shark.Hooper: They caught a shark, not the shark.
- - - - -
エレンの発言は、「例のサメは捕まったと言ったんだと思ってたけど」ということです。
エレンの発言に答えるフーパーは、映画では'a sharkのaのところを強調して、普通の「ア」/ə/という発音ではなく、「エイ」/ei/という強い発音をしています。
これは「とあるサメ」のような意味ですが、つまり単なるサメが1匹捕まえただけであって、’the shark’こと人を襲った例のサメが捕まったわけではない、ということをいっています。
この例はわかりやすい!と思うと同時に、映画を見ながらなんとなくセリフ聞いていたら咄嗟に気がつけるかな……という気持ちになった。
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また、このセリフではaとtheが並列になっているけれど、英語圏の読者であればよく知っている象徴的な建物などを指して”the”が用いられていることもあるだろう。
今まで読み飛ばしてきた文章にもそういう暗黙の了解的な”the”が出てきていたのかもしれない。
今度洋書を読むときは、ちょっと気をつけて読んでみたい。
『くまのパディントン』と英語表現
北村さんの本がきっかけで最近読み始めたのは、『くまのパディントン』だ。
小学生の頃に日本語版を読んでいたのを思い出したこともあり、大人になった今、英語でも読んでみたくなった。
北村さんによると、パディントンシリーズの中には「クマ視点」での表現が多く登場するそうだ。
マイケル・ボンドの原作でパディントンの行動が描写される際、通常の英語表現でhand(手)、finger(指)、arm(腕)などを使うところのほとんどは、クマ視点でpawが使われています。
慣用句的な言い回しにもクマならではの言い換えがされているらしいので、これから読み進めていくのが楽しみで仕方ない。
『英語の路地裏 オアシスからクイーン、シェイクスピアまで歩く』を読んで
普段は趣味的に好きな俳優さんが出演している映画を見たり、多聴多読のために作品に触れたりすることが多い。
けれど、本著で北村さんが「英語の路地裏」と呼んでいるような、普段はあまり注目しない「脇道」に逸れて細部を学ぶのもまた楽しい。
実際にその地で暮らさないとわからない文化背景もたくさんあるだろうけれど、作品を読む時に注目するポイントが増えて、これからが楽しみになった。
#最近の学び
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