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自分の感覚を信じて

電源ノイズ回の後編です。
前編はこちら。

今のデスクトップPCがノイズの塊になっていたことを知り、PCレスで運用する方法をまず試してみました。
現在はPCにRoonをインストールしており、iFi ZEN Streamを経由(Roon Bridge)してUSB-DAC(CHORD QUTEST)へ出力するという信号経路です。この現在の構成の音と、ZEN StreamからDLNAの出音を比較します。この時、PCをシャットダウンすると電源ノイズは90mVまで一気に改善しました。PCによって汚染された電源がどれくらい音に影響しているのか、自分の耳で確かめます。

結果は意外なことに、電源ノイズが15倍のRoonの方が良い音と感じます。DLNAは地味で寂しい、痩せた音になっていました。音楽的に楽しいという感じになりません。余計な音が出ていないという意味では測定とリンクする正しい結果なのかもしれません。しかし、オーディオは数字が全てではありません。開発側においては一定の指標が必要な場面もあります。それでも最終的に何を良い音と判断するか、それは個々のユーザーが決めることです。そして、その判断が人によって全く正反対でも構わない。他の人が私の環境の音を聴いて、Roonの(もしくはノイズの多いPCの)音が悪いと判断することも普通にあり得るでしょう。

そもそも私はこのノイズの塊だったPCで4カ月もの間、何の不満もなく良い音だと感じて聴いてきたわけで、それを今になって測定器の数字に自分が振り回されてPCをオーディオラックの横に設置したスペースから追い出そうとしているのは、あまりにも滑稽ではないか。正直に告白すれば、聴き比べる前にPCの移動先の部屋を整理して、スペースの確保に躍起になっていました。結局、どうにも折り合いを付けられそうになくて、それからRoonとDLNAの比較をしたのです。

このドタバタっぷりには反省しきりです。もっと自分の感覚を信じなければと。別に誰かにジャッジされるものでもないのだし、改善の余地がまだ残されてはいるらしいけど、特に不満のない音が出てるし、まぁいいか・・・ぐらいの緩さで進んでいった方がオーディオは長続きする趣味ですよ。

PCとRoonを継続する道を選び、とりあえず出来る範囲のノイズ対策をしてみます。
コトヴェールのノイズ・サージプロテクタが非常に効果的でした。電源ノイズは1500→750に半減。この時、DACやHPA等のオーディオ機器の電源系統には繋がずに、PCだけ直接繋ぐのがポイントです。このようなフィルターはオーディオ機器に適用すると音痩せの原因となります。

将来的には、Roonを日常作業と並行するPCにインストールするのではなく、専用OSに格納して、タブレット端末でライブラリ閲覧や再生のコントロールをします。これを起動する時はデスクトップPCをシャットダウンし、noteの更新やwebブラウジングは同じくタブレットで行えば良い。音楽への没入度を高める為に、あえて他の作業の自由度を落とすという事です。

*この記事では、ネットワークオーディオやRoonについての初歩的な説明はあえて省いています。記事で伝えたい主題をフォーカスする際に、余計な情報が多すぎると効果が薄れるからです。以下の記事を参照頂ければと思います。

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