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心に寄り添うシューベルト

異常な暑さで体力が奪われていると、思考にも影響を及ぼしてくる。
自らの行動だけでは結果の全てを制御できない、確証を持てない事柄に対して、堂々巡りの思索を巡らせ、予期不安を募らせてしまう次第。
根が悪い方向で繊細に出来ている。全く私とは逆に、日々何も不安を感じているように「見えない」人が、ことさら羨ましく思うことがある。

そうは言っても、ひとつの奮起で、この性格がたちまち大転換することもありえないのである。また、無理にそう自らを変革しようという考え自体が、実のところ私自身には希薄であったりする。不安を綺麗さっぱり忘れてしまって、表層的な幸福を求めるという生き方から、かなり若い時分で降りているのだ。

平生からシューベルトを好んで聴く私であるが、仕事であれ私生活であれ何か不安を抱えている時は、ことさらその楽曲が魅力的に感じられる。後期三大ピアノソナタの特に21番と、即興曲集の再生回数が多く、演奏者ごとのCD所有枚数もダントツで多い。

表題画像のアクセンフェルト。バッハ弾きの方で著名かもしれないが、私はあえてこのシューベルトを推したい。技術的には内田光子と比較して左手がぎこちないが、楽曲に対して誠実な印象を抱いた。即興曲集であればアンドラーシュ・シフがマイベスト。


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