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J3 第10節 FC今治VSアスルクラロ沼津

こんにちは。今回はJ3第10節のアスルクラロ沼津戦について書いていこうと思います。

戦略的狙いとフォーメーション

FC今治

 3-1-4-2
4-4-2

 ボール保持。相手寄せて裏。
攻→守 即時切替。ハイプレス準備。
 ハイプレス。ボールサイドを同数にする。数的不利なら中締め撤退。
守→攻 相手DFライン裏、ライン間の味方が有利な状況の場合は縦優先。

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アスルクラロ沼津

 3-14-2 2-2-5-1
 4-4-2

 ボール保持。ライン間とDFライン裏を出口に。
攻→守 1人はポールホルダープレス。残りは撤退してブロック形成。
 基本はミドルゾーンで守備。バックパックでライン上げてハイプレス
守→攻 縦を優先。無理ならボール保持

試合展開

ボール保持を大事にするという面で似ている両者の対戦と言われていたこの一戦。最近の試合から考えると珍しく、今治は相手に長くボールを持たれる時間が続く試合となった。

沼津は後ろから数的優位を作ることはたまにあったが、そこから相手を押し込んで前進していくというよりは、どこかでボールホルダーをフリーな状態にしてSHやCFの裏抜けに合わせることを狙いとしていた。
そこからゴールに向かっていくか、その後の二次攻撃で今治の2,3列目のライン間を使いシュートまでいくかたちが前半の前半は何度か見られた。また、右CBの後藤がサイドチェンジや前線へのロングボールを正確に蹴れていたことも大きなアドバンテージとなっていた。

対する今治は、前半の得点が決まる時くらいまでは、なかなか相手の前進を阻むことができず後手を踏んだ。ボールを奪った後も、ボールを動かしはするものの、素早くDFライン裏に抜けるCFにロングボールを入れることでボール保持を敢えて放棄しているようにも見えた。

そうなると必然的に守備をする時間帯が増えることとなる。今治の守備は、なるべく常にボールホルダーへ常にプレスをかけ続けるように設定されてるので、噛み合わせを素早く合わせることが重要となる。沼津の配置はSBが最初からかなり高い位置をとる形を取っていたので、CBとサポートに寄るCHへの圧力を増やしていけば出口がなくなるようになっていた。そして前半が半分くらい経過した頃から、相手が配置を整える前に今治守備陣がプレスをかけることに成功していたので、相手に配置的な優位をとられることなくボールを奪う回数を増やすことができていた。

28分には、奪ったボールを後ろでつなぎ相手を動かし、適切なタイミングで前進→逆サイド展開→クロスという形でチャンスを作り出し得点につなげることができた。奪った後の次のプレーの判断のところでは判断を間違えていた部分はいくつかあったものの、その後の定位置攻撃のフェーズからうまく前進と崩しまでいき得点につなげられた点で、結果オーライな感じはあった。


しかし、沼津の中盤2人は技術的に優れていたこともありプレスへの耐性があり、時には今治のCH2人を寄せてはまったように見せかけ、ハーフスペースや2,3列間にポジションを取るCFやSHにパスを通すことができていた。後半は、今治が相手CBとCHにプレスをかけて取るシーンよりも、そこで剥がされて前進されるシーンのほうが目立っていた。

また、今治はボールを奪った後はまず縦、後ろに返しても、ボールホルダーがフリーになったらすぐ縦、という風に縦に急ぐ姿勢を貫いた。ボールを放棄しプレッシングではめに行ってカウンターをすることに恐らく自信があっての戦略だと思うが、沼津の守備の強度はそもそも高くもなかったので、リードした後は数的優位を後ろから作って保持する時間を作ってもよかったのではないかなと思った。


まとめ

結果的には1-0で勝利。今治にとっては、いつもよりも守備の時間が長い試合となったが、奪った後の攻め方(速攻、やり直してからの二次攻撃)の判断や正確性のところで課題が出たのではないかと思う。


今後色々なタイプの相手と試合をする中でそれに合わせた戦略を柔軟に採用していくには、どんなフェーズ(攻撃、守備、攻→守と守→攻の切り替え)や状況にもそれぞれの選手が対応できるようになっておく必要がある。今回の試合は、その必要性を感じさせてくれる試合となったんではないかなと思う。

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