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J3 第6節 FC今治VSガイナーレ鳥取

こんにちは。今回はJ3第6節のガイナーレ鳥取戦について書いていきたいと思います。

フォーメーションと戦略的意図

FC今治

4-1-3-2
4-4-2

 縦へ。特にCBーWB間の裏。無理なボール保持から前進

攻→守 ハイプレス準備

 ハイプレス。ただし、相手のCB1人は通されれば撤退。

守→攻 縦へ。特にCBーWB間の裏。

ガイナーレ鳥取

3-4-2-1
5-4-1→4-4-2

 数的優位。詰まったら前線3人めがけてロングボール。

攻→守 1人プレス。他の選手はブロック形成。

 ミドルゾーン。後ろからの迎撃、可変。

守→攻 ボール保持

試合展開

勝てば勝ち点差1となり一気に上位に食い込むことができることが期待されていた今治は、今回のガイナーレ戦はとても大事な試合として位置付けていたはず。そんな今治は、これまでとは少しフォーメーションと攻撃時の狙いを変更してきた。

大きな違いは2点。

一つはフォーメーション。
図のように、4-3-1-2で配置することによって相手のCB3人をピン留め。さらに中盤では4対2の数的優位を作った。
もう一つは、その時の狙い。ガイナーレは相手CB間での横パスを合図にWGがCB、WBがSB、と縦にスライドして守備する傾向があった。それに対して今治は、CBーWB間のスペースで受ける、もしくはそこで受けるフリしてCB裏で受けることを狙いとした。また、今治のCFが相手CB3人をピン留めできていたので、CH脇やCH間で中盤の選手が受けられるようになっていた。


この最小限のフォーメーションやポジション移動を行うことで、今治は守備時のベースとなる4-4-2でのポジション形を崩さず、相手の守備の隙を最大限狙おうとしていた。


ハイプレス時に相手のCB1人を浮かし繋がれた場合は難なく撤退を選択していたのも、後ろで奪って一気に前述した場所での裏を狙う意図があったからではないかと考えられる。

先制点を早めに取ったことで、今治は試合をうまく進められそうな雰囲気があったが、その後も難しい状態でも裏を狙って失敗したこと、守備で相手をはめきることができない状況が続き、相手にボールをもたれ少し押し込まれるシーンが続いた。そんな中で、コーナーからのこぼれ球を決められてしまい同点となってしまう。

それでも、30分以降は相手のCH脇やその後のCB脇をうまく使うことで前進できる場面がいくつか見れ、決定期もいくつか作ることができていた。奪われた後の切り替えや速さやプレスの強度も下げることなく続け、相手の選択肢を狭めることもできていたので、総じて悪い前半ではなかったと思う。

後半も特に戦術的変更なしで臨んだ今治は、トップ下の橋本やインサイドハーフの玉城がビルドアップの出口となって前進できる場面を増やしていった。



しかし、ゴールに迫る場面を増やしていた中だったが、ビルドアップのミスを疲れた後のショートカウンター時に楠美がハンドを取られてしまい(ハンドじゃない)、PKを決められ逆転を許してしまった。

ゴールを脅かそうと、今治は67分には片井と山田、74分には越智、福田を投入し、さらに83分には飯泉をFWに置いた。相手のWGがプレスに行くのをやめたこともあり、相手陣に押し込む時間帯が増えた。

前へロングボールを放り込んだり、そのこぼれ球を拾って二次攻撃をしかけるシーンがよく見られたが、特に途中から出た福田は狭いライン間でも前を向きドリブルで相手DFラインを横断していく姿が目立った。相手に引かれた際の崩しのパターンを仕込むことは、やはり今後の課題なのかなと思った。


個人戦術

パス

今季はあまりそういったシーンは見られていなかったが、今回の試合ではパスの判断ミスが何度か見られ、一つは逆転弾を決められるきっかけとなってしまった。

パスを出す際に意識すべきことは

1 自分より有利な状況の味方に出す
2 パスの意図(前進、継続、プレス回避)
3 次のプレーがしやすいパスを出してあげる(パスを出す足、強さ、出す場所)

とこの3つがパッと挙げられる。

で有利な状況とは、
・スペースがある
・前を向けられる体の向き
・近くに味方
・前進できる高い位置にいる

のどれかがあるもしくはいくつかある状況を言う。こうした要素を判断基準とした上で、一瞬でパスというプレーを実行に移さなければならない。

今治は、早めに縦(深さ)を狙うことをどの選手も意識の中でもっているが、有利な状況でるかどうかを意識できてる選手は多くはないように思える。特に昨季はこれができずにボールを無闇に奪われるシーンが多かった。

今回の試合でも、1の「有利な状況の味方に出す」ということを意識できずボールロストにつながったシーンがいくつかあった。



まとめ

どれだけ自分たちの得意な局面で多くの時間を戦えても、どこかでミスは生まれ、それをきっかけとして失点してしまうことはある。だから、点を多くとれる選手がいたり、選手間の連携が確立されているというのは大きな武器となる。今回は、林を怪我で欠いたこともあり、前線の個の力としては少し物足りなさがあったことは否めない。そうすると、やはりチャンスを増やすことやそのチャンスの質を上げることが重要になる。



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