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「スペイン-冷静と情熱のあいだ」


1.Day1:バルセロナへの旅立ち - 期待と不安の入り混じる出発

成田空港から12時間のフライトを経て、私たちはバルセロナ・エル・プラット空港に到着した。
空港からバルセロナ市内へは、エアロバスを利用。約35分で中心部のカタルーニャ広場に到着した。

ホテルはゴシック地区にある「ホテル・メルセ」(Hotel Mercer Barcelona) https://www.mercerhoteles.com/en/hotel-mercer-barcelona/ を選んだ。
中世の雰囲気が漂う石造りの建物を改装したブティックホテルで、部屋からはサンタ・マリア・デル・マル教会の尖塔が見える。

早速街に繰り出した夕暮れ時のランブラス通りは、地元の人々や観光客で賑わっていた。通りの両側に並ぶカフェやバルには、すでに多くの人が集まっている。

夕食は、地元で人気のタパスバー「ラ・ボケリア」(La Boqueria) https://www.boqueria.barcelona/ で済ませることにした。
市場の中にあるこの小さなバーは、新鮮な食材を使ったタパスが自慢だ。

おすすめメニュー:
・パタタス・ブラバス(スパイシーポテト)
・ハモン・イベリコ(イベリコ豚の生ハム)
・ガンバス・アル・アヒージョ(エビのにんにく炒め)

タパスを頬張りながら、隣に座った地元のカップルと会話を交わした。彼らは、バルセロナのおすすめスポットを教えてくれた。「グエル公園の夕暮れは絶対に見逃さないで」と彼女が言えば、「でも、本当のバルセロナは路地裏にあるんだ」と彼が付け加えた。その温かさに触れ、私たちは旅の始まりを実感した。

バーを出た後、カップルのアドバイスに従い、ゴシック地区の路地を歩いてみることにした。狭い路地を曲がるたびに、新しい発見があった。壁一面に描かれたストリートアートや、小さな広場で即興のギター演奏を楽しむ若者たち。その一つ一つが、バルセロナの魅力を物語っていた。

ホテルに戻る頃には、すっかり夜も更けていた。窓から見える街の灯りを眺めながら、明日からの旅に思いを馳せた。スペインの地に降り立ってまだ半日も経っていないのに、すでに心は躍動している。

2.Day2 :ガウディの夢の跡を辿って - サグラダ・ファミリアとグエル公園

今日の予定は、バルセロナの象徴とも言えるガウディの建築群を巡ること。朝食を済ませ、最初の目的地であるサグラダ・ファミリアへと向かった。

地下鉄を降り、地上に出た瞬間、私たちは息を呑んだ。サグラダ・ファミリアの尖塔が、まるで天に向かって伸びる樹木のように聳え立っていた。近づくにつれ、その圧倒的な存在感に圧倒される。

事前予約していたガイド付きツアーに参加。ガイドのマリアは、ガウディの建築哲学について熱心に語ってくれた。「ガウディは自然から多くのインスピレーションを得ていたんです」と彼女は言う。色とりどりのステンドグラスから差し込む光が、まるで万華鏡のように内部を彩る様子を見ながら、私たちはガウディの想像力と情熱に感嘆した。

ツアーの最後に、マリアは「完成まであと数年...」と言った。100年以上の歳月をかけて建設されてきたこの建物が、いよいよ完成に近づいているのだ。夫と顔を見合わせ、完成した姿を見るためにまた訪れたいね、と笑い合った。

昼食は、サグラダ・ファミリアから徒歩圏内にある「エル・ナシオナル」(El Nacional) https://www.elnacionalbcn.com/ で取ることにした。
1920年代の車庫を改装したという広々とした空間に、4つのレストランと4つのバーが集まっている。

おすすめメニュー:
・パエリア・デ・マリスコス(シーフードパエリア)
・プルポ・ア・ラ・ガジェガ(タコのガリシア風)

ひとことメモ:様々な料理を一度に楽しめる。内装も素敵で、写真映えするスポット。

午後はグエル公園へ。丘の上に位置するこの公園からは、バルセロナの街並みを一望できる。カラフルなモザイクで彩られたベンチに腰掛け景色を楽しんだ。

公園内を散策していると、地元のアーティストがギターを奏でていた。その音色に誘われるように足を止めると、周りにいた観光客たちと一緒に即興の小さなコンサートが始まった。言葉は通じなくても、音楽を通じて心が通じ合う瞬間だった。

夕暮れ時、グラシア通りを歩きながらホテルに戻った。通りに並ぶモデルニスモ様式の建物を眺めながら、ガウディの影響力の大きさを改めて実感する。

明日はバルセロナを離れ、ジローナとフィゲラスへの日帰り旅へ。

3.Day3:中世の街並みに酔いしれて - ジローナとフィゲラスの日帰り旅

朝早く、バルセロナ・サンツ駅から高速列車AVEに乗り込んだ。目的地は、中世の面影を色濃く残す街、ジローナ。わずか38分の乗車時間で到着した。

駅を出ると、オニャル川の両岸に立ち並ぶカラフルな建物群が目に飛び込んでくる。まるで絵本から抜け出してきたような景色に、思わず息を呑んだ。

ジローナの旧市街は、迷路のような細い路地が入り組んでいる。石畳を歩きながら、中世にタイムスリップしたような錯覚に陥る。サン・フェリウ教会の尖塔を目印に歩を進めると、やがてジローナ大聖堂に到着した。

191段もの階段を上り、大聖堂の前に立つと、息を切らしながらも達成感に満たされた。内部に入ると、世界最大級のゴシック様式の身廊に圧倒される。静寂の中に佇み、心が洗われるような感覚を覚えた。

昼食は、ミシュランの星を獲得したレストラン「エル・セレール・デ・カン・ロカ」(El Celler de Can Roca) https://cellercanroca.com/ で。
事前予約が必要だが、その価値は十分にある。

おすすめメニュー:
・オリーブの木(前菜)
・ラングスティーヌのカルパッチョ
・イベリコ豚の低温調理

ひとことメモ:芸術的な盛り付けと斬新な味の組み合わせに驚かされる。

食事の後は、ユダヤ人街を散策。狭い路地と階段が入り組んだこの地区は、中世の雰囲気そのもの。路地を歩いていると、地元のおばあさんが窓辺で編み物をしている姿に出会った。私たちに気づくと、優しく微笑んでくれた。言葉は通じなくても、その温かさが伝わってきた。

午後はフィゲラスへ移動。ここは、シュルレアリスムの巨匠、サルバドール・ダリの生誕地だ。メインの目的地は、言うまでもなくダリ劇場美術館。

美術館に入ると、まるで夢の中に迷い込んだかのような感覚に襲われる。溶けた時計やシュールな彫刻、錯覚を利用した作品の数々。ダリの奔放な想像力と遊び心に、時間を忘れて見入ってしまった。

美術館のガイド、マリアは、ダリの作品の背景にある哲学や個人的な経験について詳しく説明してくれた。「ダリにとって、現実と夢の境界線は曖昧だったのです」と彼女は語った。その言葉を聞きながら作品を見ていくと、ダリの世界観がより鮮明に感じられた。

美術館を出る頃には、すっかり日が暮れていた。フィゲラスの街を少し歩いてから、バルセロナへの帰路についた。

バルセロナに戻ってからの夕食は、地元で人気のシーフードレストラン「ラ・パラダータ」(La Paradeta) https://www.laparadeta.com/ で。
市場のような雰囲気で、好みの魚介類を選んで調理してもらえる。

おすすめメニュー:
・グリルドオクトパス
・ムール貝の白ワイン蒸し
・海老のアヒージョ

ひとことメモ:新鮮な魚介類を手頃な価格で楽しめる。カジュアルな雰囲気も魅力。

ホテルに戻り、今日一日を振り返った。中世の街並み、ガストロノミー、そして超現実的な芸術。スペインの多様な魅力に触れた一日だった。明日はいよいよアンダルシア地方へ。新たな冒険への期待を胸に、私たちは眠りについた。

4.Day4:白い村を訪ねて - アンダルシア地方への移動

朝早く、バルセロナ・サンツ駅から高速列車AVEに乗り込んだ。目的地は、スペイン南部のアンダルシア地方。約5時間半の乗車時間だが、車窓から見える景色の変化を楽しみながら、ゆったりと過ごすことにした。

マドリードを経由し、コルドバに到着。ここで列車を乗り換え、最終目的地のロンダへ向かう。バルセロナの都会的な景色から一変し、のどかな田園風景が広がっていく。車窓から見える広大なオリーブ畑に、アンダルシアならではの景観を感じた。

ロンダに到着したのは午後3時過ぎ。駅を出ると、まるで絵ハガキのような風景が広がっていた。断崖絶壁の上に建つ白い家々、そしてその断崖を跨ぐヌエボ橋。思わず息を呑むような美しさだ。

宿泊先は、旧市街にある「パラドール・デ・ロンダ」(Parador de Ronda) https://www.parador.es/en/paradores/parador-de-ronda を選んだ。
かつての市庁舎を改装したこのホテルは、ヌエボ橋のすぐそばに位置し、部屋からは絶景が楽しめる。

チェックイン時、フロントのマリアが地元の隠れた名所を教えてくれた。「観光客があまり行かない場所だけど、絶対に後悔しないわよ」と彼女は笑顔で言った。その親切さに、私たちは心を温められた。

夕方、マリアが教えてくれた小さな広場へ向かった。そこでは地元の人々が集まり、即興のフラメンコを楽しんでいた。私たちも輪の中に招き入れられ、拙い動きながらも地元の人々と一緒に踊った。言葉は通じなくても、音楽とリズムを通じて心が通じ合う瞬間だった。

夕食は、ホテル内のレストランで。地元の食材を使った伝統料理が楽しめる。

夕食後、ヌエボ橋を渡り、旧市街を散策。夜のライトアップされた街並みは、昼間とはまた違った魅力がある。地元のバーで軽くワインを楽しんだ。アンダルシアの人々の温かさに包まれ、明日への期待を胸に宿に戻った。
窓からヌエボ橋のライトアップされた姿を眺めながら、アンダルシアでの冒険がまだ始まったばかりだということに胸が高鳴った。

5.Day5:情熱のフラメンコに魅了されて - セビリアの夜

ロンダの絶景を眺めながら目覚めた。朝食後、ロンダの旧市街を散策。狭い路地を歩き、白壁の家々の間を抜けていく。道行く人々が皆笑顔で挨拶をしてくれる。その温かさに、アンダルシアの魅力を改めて感じた。

昼前、バスでセビリアへ向かう。約2時間の道のりだが、車窓から見える風景の変化を楽しんだ。オリーブ畑や向日葵畑が広がる田園地帯を抜け、やがて都会的な景色へと変わっていく。

セビリアに到着後、まず向かったのはホテル・アルフォンソ XIII (Hotel Alfonso XIII) https://www.marriott.com/hotels/travel/svqlc-hotel-alfonso-xiii-a-luxury-collection-hotel-seville/
1929年に建てられたこの豪華ホテルは、ムデハル様式の建築が美しい。

バリオ・サンタ・クルスへ向かう。迷路のような細い路地、オレンジの木が並ぶ小さな広場、そしてフラメンコの音色が聞こえてくる。まさにセビリアの魂を感じる場所だった。

夕方近く、セビリア大聖堂を訪れる。ゴシック様式の壮大な建築に圧倒される。塔に登ると、セビリアの街並みが一望できた。夕陽に染まる街の景色に、思わずため息が漏れる。

夕食は、地元で人気のタパスバー「エル・リンコンシージョ」(El Rinconcillo) https://elrinconcillo.es/ で。
1670年創業という老舗で、セビリアの歴史を感じられる場所だ。

おすすめメニュー:
・ハモン・イベリコ(イベリコ豚の生ハム)
・エスピナカス・コン・ガルバンソス(ほうれん草とひよこ豆の煮込み)
・トルティージャ・デ・パタタス(スペイン風オムレツ)

ひとことメモ:カウンターに立つバーテンダーとの会話も楽しい。注文した料金はカウンターにチョークで書かれる。

ホテルに戻る道すがら、セビリアの夜の空気を深く吸い込んだ。明日はコルドバへ向かう予定だが、セビリアにもっと滞在したいという思いが募る。

6.Day6:アルハンブラ宮殿の幻想的な世界 - グラナダでの一日

朝早く、セビリアを後にしてグラナダへ向かった。バスでの3時間の旅。車窓から見える景色が、徐々に山岳地帯へと変わっていく。オリーブ畑が広がる丘陵地帯を抜けると、遠くにシエラネバダの山々が見えてきた。

グラナダに到着後、まず向かったのは宿泊先の「パラドール・デ・グラナダ」(Parador de Granada) https://www.parador.es/en/paradores/parador-de-granada
アルハンブラ宮殿の敷地内にあるこのホテルは、15世紀の修道院を改装したもの。

荷物を置いてすぐに、アルハンブラ宮殿の見学へ。入場時間が指定されているので、事前予約は必須だ。

繊細な装飾が施された壁、幾何学模様のタイル、そして至る所にある噴水。イスラム建築の美しさに、言葉を失った。

ガイドのハビエルが、アルハンブラの歴史や建築の特徴について詳しく説明してくれる。「この宮殿は、光と影、水の音を巧みに利用して造られているんです」と彼は語った。確かに、日差しが作り出す影の模様、そして絶え間なく聞こえる水の音が、独特の雰囲気を醸し出している。

ヘネラリフェの庭園では、美しく手入れされた植栽と噴水に囲まれて、しばし休憩。ガイドのハビエルは「かつてのイスラム王たちは、ここで詩作に耽ったそうです」と教えてくれた。その言葉を聞きながら庭園の景色を眺めていると、詩的なインスピレーションが湧いてくるのを感じた。

昼食は、アルバイシン地区にある「カルメン・デ・ラ・ビクトリア」(Carmen de la Victoria) https://carmendelavictoria.ugr.es/ で。
ここは大学が運営するレストランで、地元の食材を使った創作料理が楽しめる。テラス席からアルハンブラを眺めながらの食事は格別だった。

おすすめメニュー:
・ガスパチョ・アンダルス(冷製トマトスープ)
・ロモ・デ・バカラオ・コン・ピストー(タラのローストと野菜のラタトゥイユ)
・トルタ・デル・カラバサ(カボチャのタルト)

午後は、アルバイシン地区を散策。迷路のような白い路地を歩いていると、突然アルハンブラの絶景が目の前に広がる。サン・ニコラス展望台では、多くの人々が夕日に染まるアルハンブラを眺めていた。

夕食は、洞窟レストラン「ラス・トマサス」(Las Tomasas) lastomasas.comで。
ここは、かつてジプシーが住んでいた洞窟を改装したレストラン。フラメンコショーを楽しみながら食事ができる。

おすすめメニュー:
・ハビタス・コン・ハモン(そら豆とハモンの炒め物)
・パエリア・グラナディーナ(グラナダ風パエリア)
・ピオノノ(グラナダの伝統的なデザート)

ひとことメモ:洞窟内は涼しいので、上着を持参するのがおすすめ。

ホテルに戻り夜のアルハンブラを散策。ライトアップされた宮殿は、昼間とはまた違った幻想的な美しさを見せていた。
アルハンブラの美しさ、アルバイシンの路地裏の魅力、そしてフラメンコの情熱。グラナダは、まさにアンダルシアの魂が凝縮された街だった。

7.Day7:マドリードで過ごす最後の夜 - 旅の締めくくり

朝早く、グラナダを後にしてマドリードへ向かった。高速列車AVEでの約3時間の旅。車窓から見える景色が、アンダルシアの丘陵地帯からカスティーリャ・ラ・マンチャの広大な平原へと変わっていく。ドン・キホーテの物語を思い出しながら、スペイン中央部の風景を楽しんだ。

マドリード・アトーチャ駅に到着後、まず向かったのは宿泊先の「ホテル・リッツ・マドリード」(Hotel Ritz Madrid) https://www.mandarinoriental.com/madrid/hotel-ritz/luxury-hotel
1910年に建てられたこの歴史あるホテルは、マドリードの中心部に位置し、優雅な雰囲気が漂う。

荷物を置いてすぐに、プラド美術館へ向かった。世界三大美術館の一つとされるこの美術館には、ゴヤ、ベラスケス、エル・グレコなどスペインの巨匠たちの作品が所蔵されている。

美術館のガイド、イサベルの案内で館内を巡る。ベラスケスの「ラス・メニーナス」の前で立ち止まると、イサベルが「この絵には、まだ解明されていない謎がたくさんあるんです」と興味深い解説をしてくれた。芸術作品を通して、スペインの歴史と文化の深さを感じることができた。

昼食は、サン・ミゲル市場で取ることにした。1916年に建てられたこの市場は、今では様々な種類の tapas (タパス)を楽しめるグルメスポットとなっている。

おすすめメニュー:
・ハモン・イベリコ(イベリコ豚の生ハム)
・ケソ・マンチェゴ(マンチェゴチーズ)
・ガンバス・アル・アヒージョ(エビのにんにく炒め)

午後は、レティーロ公園を散策。マドリードの「緑の肺」と呼ばれるこの公園は、市民の憩いの場となっている。湖でボートに乗ったり、水晶宮を見学したりと、のんびりとした時間を過ごした。

夕方、グラン・ビアを歩く。この大通りには、20世紀初頭の建築物が立ち並び、華やかな雰囲気が漂う。ショッピングを楽しんだ後、屋上バー「Circulo de Bellas Artes」 https://www.circulobellasartes.com/ へ。
ここからはマドリードの街並みを一望でき、夕日に染まる街の景色は息をのむほど美しかった。

夕食は、マドリードの伝統的な料理が楽しめる「カサ・ルシオ」(Casa Lucio) https://casalucio.es/ で。

おすすめメニュー:
・ウエボス・ロトス(卵料理)
・コチニージョ・アサド(子豚の丸焼き)
・トリハス(スペイン風フレンチトースト)

ひとことメモ:セレブも訪れる人気店。予約必須。

ホテルに戻り部屋のバルコニーから、ライトアップされたマドリードの街並みを眺めながら、また必ずスペインに戻ってくるという決意が芽生えた。心地よい疲れと共に、スペインでの最後の夜の眠りについた。

8.まとめ:スペイン7日間の旅を振り返って

バルセロナでのガウディ建築の壮大さ、ジローナの中世の街並み、ダリの超現実的な世界。そして、アンダルシア地方でのフラメンコの情熱、ロンダの絶景、アルハンブラ宮殿の幻想的な美しさ。最後にマドリードで体験した芸術と文化の深さ。これらすべてが、スペインという国の多様性と奥深さを物語っていた。

スペイン各地の食文化も、この旅の大きな魅力だった。バルセロナのタパス、アンダルシアのガスパチョ、セビリアのハモン・イベリコ、グラナダのパエリア、マドリードのコチニージョ。どれも地元の食材を活かした絶品で、その土地の文化や歴史を感じることができた。

そして、スペインの歴史的建造物や芸術作品の数々。それらは単なる「観光スポット」ではなく、その地域の歴史と文化を物語る生きた証言者だった。サグラダ・ファミリア、アルハンブラ宮殿、プラド美術館など、どれも圧倒的な存在感で私たちを魅了した。

この7日間で、スペインの多様性と奥深さのほんの一部を垣間見たに過ぎない。まだ訪れていない地域や、もっと深く知りたい場所がたくさんある。バスク地方の美食の街サン・セバスティアン、緑豊かなガリシア地方、地中海に浮かぶバレアレス諸島など、次の旅の候補地はすでにリストアップしている。そして、いつかまた訪れる日を夢見ながら、スペイン語の勉強を始めることにした。

機内の窓から見える雲海を眺めながら、心の中でつぶやいた。
"Gracias, España. Volveremos pronto."(ありがとう、スペイン。すぐにまた戻ってくるよ。)

≪スペイン旅行基本情報≫

■入国方法
観光目的で90日以内の滞在の場合、ビザは不要です。ただし、パスポートの残存有効期間は、入国日から起算して3か月以上必要です。また、シェンゲン協定加盟国全体での滞在期間が180日間で最大90日までとなります。
■現地での移動手段
スペイン国内の移動には、主に以下の手段があります:
1.鉄道:高速鉄道AVEを含む国鉄RENFE (Red Nacional de Ferrocarriles Españoles) が便利です。主要都市間を結ぶAVEは、快適で時間も正確です
2.バス:ALSA社などの長距離バスは、鉄道が通っていない地方都市へのアクセスに便利です。
3.レンタカー:地方や小さな村を巡る際に便利ですが、都市部では駐車場の確保が難しい場合があります。
4.国内線:イベリア航空やブエリング航空などが、主要都市間を結んでいます。
5.公共交通機関:各都市内では、地下鉄やバス、トラムなどが発達しています。
■通貨
スペインの通貨はユーロ(EUR)です。主要なクレジットカードは広く使用可能ですが、小さな店舗や田舎では現金が必要な場合があります。
■チップ
レストランやホテルでは、通常サービス料が含まれているため、チップは義務ではありません。ただし、良いサービスを受けた場合は、料金の5-10%程度のチップを渡すのが一般的です。タクシーでは、少額の端数を丸めてチップとするケースが多いです。
■時差
スペインは日本より8時間遅れています(サマータイム期間は7時間遅れ)。
■気候
地域によって異なりますが、一般的に地中海性気候で、夏は暑く乾燥し、冬は比較的温暖です。ただし、内陸部は大陸性気候で、夏と冬の温度差が大きくなります。
■服装
季節と訪問地域によって適した服装が異なります。夏は軽装で構いませんが、教会などを訪れる際は肌の露出を控えめにしましょう。冬は防寒着が必要です。
■電圧
230V、50Hzです。プラグはCタイプ(2つ丸ピン)が主流です。日本の電化製品を使用する場合は、変圧器とプラグアダプターが必要です。
■言語
公用語はスペイン語(カスティーリャ語)ですが、地域によってはカタルーニャ語、バスク語、ガリシア語なども使用されています。観光地では英語も通じますが、簡単なスペイン語を覚えておくと役立ちます。
■マナーと注意点
・スペイン人は一般的に陽気で社交的ですが、他人のプライバシーは尊重します。
・昼食は14時頃、夕食は21時以降と、日本より遅めです。
・シエスタ(昼寝)の習慣があり、午後2時から5時頃まで多くの店が閉まります。
・飲酒運転の取り締まりが厳しいので、運転する場合は絶対に飲酒しないでください。
・スリや置き引きなどの軽犯罪に注意が必要です。特に観光地では荷物から目を離さないようにしましょう。

※この記事は筆者の主観に基づいて作成されています。旅行前に最新の情報を確認することをおすすめします。

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