なぜ、あの人の資産は増え続けるのか#1
はじめに
前回、金の公式を使ってC(資本)とFCF(フリーキャッシュフロー) それからYR、T、HSを最大化すべし、そして、私たちは単年度利回りを求め過ぎてはいけないと釘を刺した。時間はあなたの味方をするのだから何も焦る必要はない。
良い借金と悪い借金
TAV(総資産価値)を最大化すると言うと、借金をして資産を買うのはどうか、という質問を受ける。基本的に借金で資産を買って良いのは3つのことが同時に実現出来る場合に限る。
割安で値上がりが期待できる
低金利で資金を調達できる信用がある
出口戦略が明確で複数のプランが描ける
割安というのは営業マンがあなたに割安だと伝えたとか、キャンペーンでキャッシュバックがあるという話ではない。不動産なら積算価格や周辺相場とのギャップ、市場の推移や特別な売り条件で、明らかに資産として割安という場合だ。株式で言えばPBRが低いということになるが、株を買うので融資をしてくれと言って、低利で融資をする人はいない。次にその融資だが、あなた自身の信用や実現できるYR (年間利回り)によってその態度が変わってくる。絶対にやってはいけないのは、ローン金利が自身の実質運用利回りを上回るシナリオだ。あなたの誤った選択であなたと家族を不幸にしてはいけない。低利でローンを組むのが難しい人は属性やFCFを高めることから始めよう。
最後は出口戦略である。そのローン長期に渡って借り倒すのか、ギリギリまで切り詰めて短期返済を目指すのか、返済後の具体的なプランはあるのか、とにかく汗をかくまで考え潰そう。考えるのはタダである。ちなみに住宅ローンに限って言えば、僕は"ぎりぎりまで借り続ける派"だ。この歴史的な低金利のメリットを使わないわけにはいかない。
あなたはアナリストではない
株式や投資信託または不動産を評価する時、世の中には様々なやり方がある。自分の資産を評価するにあたって、どうしても値下がり資産は気になるし、常に不安の種だ。またセンスのない買い物をしたのか、どうして今買ってしまったのか、その資産の価値が下がってしまったことを毎秒のように悔いてしまう。こういう考え方は辞めよう。長期投資家の私たちが意識すべきことは一つだけしかない。
ただ、総資産の推移にだけ着目せよ
市場は神経質だ。プロの投資家や機関投資家でさえ市場予想との僅かなギャップやサプライズに毎日踊らされている。あなたが付き合う必要はない。腰をすえ、考え抜いて選んだあなたの財産は必ず持続的に成長していく。ある特定の財産が短期的に値下がりしてもただTAV(総資産価値)の成長に着目しよう。極端な話、あなたの給与収入や他の資産の成長がそのマイナスを補えるのであれば、長期投資家にとって問題はない。その資産を手放すかどうかの判断は月に一度或いはサプライズがあった場合でいいだろう。
定点観測をしよう
TAV(総資産価値)の推移はどのように見守ればいいのだろうか。答えはシンプルだ。資産全体を定点で比べてみて、資産が過去の時点より増えているかを確認しよう。例えば、毎月の給料日だけで差分を比較する、毎週、月曜日に前週との差分を比較する、毎日決まった時間に前日との差分を比較する、といった具合だ。初めのうちは、月の給料日だけで水平比較するのが良いかもしれない。ただ、前月から期待の通りに資産が増えているかだけに着目しよう。投資に回せるキャッシュフローが増えていくと毎週ないし毎日でも資産の成長を実感出来るようになる。実際のところ、僕の資産はほぼ毎日のように5万円〜25万円くらい増え続けている。
おわりに
誰かが本に書いていたけれど、良い借金は資産を生み、悪い借金は負債を生む。大きな借金をする時は慎重になり過ぎることはない。深くただ深く考えよう。そして、正しい資産を回転させ始めたら、個別の資産の変化に一喜一憂することなく資産全体を俯瞰しよう。
そして、あなたが健康でいることは最大の資産の一つなのだから、局所的な資産の目減りでストレスに押しつぶされてはいけない。空は降ってこない。気に病むのは辞めよう。このNoteが少しでも困っている人の役に立ちますように。
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