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推し活はつらいものだったか

私が推し活にどっぷり浸かり始めたのは2018年。
あるドラマがきっかけでファンになった俳優さんが最初だった。
現在はその人含めた俳優さん3人とアイドル2人を推している。

ちょっとヒヤッとするようなことがあったり、露出が物足りなくて低空飛行気味になる期間もあったけど、9割以上楽しいことで埋め尽くされていた。

推し活とは楽しいもの。
そう信じていたし、それ以外の感情が沸くことがあることすら知らなかった。

なのに、2023年頃から辛いことが増えてきてしまった。
推し活って、こんなにつらいものなんだっけ…?とふと思ってしまった。

もちろん楽しいことが割合としては圧倒的に多い。多すぎるくらいたくさんの幸せをもらっていると思う。
でも割合的にはほんの小さなことでも、辛いニュースから受けるダメージの大きさは計り知れないものがある。
下手したら楽しいことにすら侵食してきて、気持ちをぐちゃぐちゃにしてくる。苦しい。

こんな、不安な気持ちが先に来て、嫌なニュースが飛び込んでこないかドキドキしている不健全な推し活はもう辞めたい。

いっそのこと嫌いになってしまいたいのに、嫌いになりたくない。

そんな矛盾した地獄でもがいている。


安直なファンで申し訳ないのだが、やはり私が推し活をするうえで一番揺れてしまうのが、恋愛や結婚のニュースが出ることだ。

私が2018年にファンになった俳優さんはその時点で既婚者だったが、その後ファンクラブに入った俳優さん3人はこの6年の間に全員結婚した。
アイドル2人は未婚だが、1人はスキャンダルが出た。

今になって思うと、未婚既婚、スキャンダル以前に、自分がその推しに対して「リアコ」かそうでないかが天国と地獄を分けている。

2018年にファンになった俳優さんは現在も推しているが、リアコではないので、ちょっと素行の悪い疑惑のニュースがチラリと出るたびに(やらかすなよ…やらかすなよ…)と親のような気持ちになりながら祈っているくらいで、健全に楽しく推せている自覚がある。
本当にお芝居が上手だし、太陽みたいに明るい人柄で見ているだけで幸せな気分になる。嬉しい。

その後ファンになった俳優さん3人のうち1人はリアコではなかったので、結婚発表したときは嬉しい気持ちでいっぱいになった。
奥様ともめちゃくちゃお似合いだったし、ファンへの報告やその後のいじり的な流れもすべて完璧だった。2ショットを安直に出さないところも、ファンへ配慮が行き届いていると感じた。

もう1人に対しては、リアコ気味ではありつつも舞台やドラマの表現力が圧倒的でそこにめちゃくちゃ惚れ込んでいたので、結婚報告の時点では(素敵な奥様捕まえたじゃん!!すごい!)と興奮気味だった。
そして、上記の俳優さんと同じ事務所だったので、同じようにファンへの配慮がきっと行き届くだろうと勝手に安心していた部分があった。

ところが。
報告後、奥様の番組に飛び入り参加したり、奥様宛ての手紙を奥様が出演する番組に送って?奥様が読んだりなど、とてもリアコファンをたくさん抱えた俳優とは思えない、常軌を逸した行動をしてて、スーーーーーーっと音を立てて醒めたのが分かった。ダサいことすんなよと。

推しの中でも、この俳優さんの映画やドラマを一番楽しんでいたので、それを今の熱量で見れなくなることが残念でたまらなかった。
まさか本人にぶち壊されるとは思わなかった。

とは言え、結婚発表後の浮かれポンチ期間はすぐに終了し、奥様のことは全然口にしなくなったし、やっぱりその人の表現する姿は大好きなのでファンクラブは継続している。
リアコ要素が抜けたので、ある意味これからは心穏やかに推せるかもしれない。

そして3人目は、むちゃくちゃリアコだった。
とにかくルックスに一目惚れした感じ。
顔を見るだけで動悸がして冷や汗をかいて、何を押してでも推しの動向を追うことを優先してた。
もう燃え上がるような、たった半年間の推し活だった。
きっかけはのちにご結婚されたお相手と週刊誌に撮られたこと。

それによってさまざまな匂わせスキャンダルが明るみに出たし、週刊誌の撮られ方が、おそらく撮らせたような感じだったのがエグかったし、また、主演ドラマを利用した感じの出方だったのも、俳優を主戦場にしてるくせにそれはルール違反だろと感じてしまい、ドーーーーーーンと醒めてしまった。

スキャンダル後、そんなに露出の多くないお相手がたまたま連続ドラマに出演するタイミングなのも腹立たしかったし、そのドラマは観たいのにお相手は観たくなくて純粋に楽しめなかった。

その推しの表現力とかに惚れてたわけではないから、すぐに推すのを辞めたけど、あまりに燃え上がっていたので、本当につらかった。
今は何の感情も沸かない←

そしてアイドルの2人。同じグループの2人だ。
上記の通り、俳優ばっかり好きになっていたので、ガチのアイドルの桁違いのファンサービスと供給量に度肝を抜かれた。

最初の半年は楽しくキャッキャ💓と推していた。
冠番組が配信されている配信サービスに入ったくらいの課金しかしていなかったし、お茶の間ファンというにはあまりに情報を追い過ぎていたと思うけどギリ踏みとどまっていた(つもり。ファンクラブも入ってなかったし)

キュートさ致死量レベルの2人だから、それこそリアコになったら、もしスキャンダルが起きたら、メンタルが保たないと思った。

しかし。
あまりにすごいんだ供給量が。
どんどん魅力的になる2人が。

STEP1.とうとうファンクラブ入会
STEP2.出演メディアをすべて網羅するためにBlu-rayレコーダーを購入
STEP3.Live参戦
STEP4.画面の彼らを見るだけでニヤニヤがとまらなくなる
STEP5.リアコを自覚しリミッター解除
---------糸冬 了---------------

危ない橋だなと思いつつ、あまりに好きになり過ぎて抗えなくなった。
しかも2人はかわいいだけでなく、その年齢で経験するには過酷なことをたくさん乗り越えてきたせいか、あまりに大人びている。
その2人が熱量を持って、何度も何度も思いを告げてくれる。
もう何も怖がらず、安心して推していいよ。って、何度も何度も揺さぶってくるのだ。

もういいかな、夢中になって。となってすぐに。

特に推している方のスキャンダルが出た。

あまりに与えられていた幸せからの落差がすごくて本当に落ち込んだ。
会社にも行けなくなり(無理やりリモートにした)食欲がなくなり、しばらくごはんが食べられなくなってしまった。
酔っ払ってないとメンタルが保てなくなった。
こんなに落ち込んだのは初めてだった。

大切なお仕事に関することや時候的に発信するタイミングは何度も何度もあったのに沈黙する推し、推しのSNSに投げつけられる悲痛なコメントや誹謗中傷、タイミングの悪すぎる番組生出演で気まづそうにする顔や、メディアからの余計な情報、過去の本人の発言といろいろと答え合わせをして発信するSNSの情報と、見たくないのにいろいろなものを見てしまって、自らキズをえぐっていった。

公式からメールが届くたび、SNSで推しの名前がトレンドに上がるたび、喜びではなく、不安が先に立つ。
あのニュースのことでありませんようにと祈りながら、画面をタップする。

楽しさなんて全然感じてない。
推し活ってこんなにつらかったっけ…?

アイドルは、一見、役を纏わない、本人の剥き出しの部分を見せたり、纏わずに発言しているように錯覚してしまうけど、違う。

私たちと同じようにアイドルにもプライベートがある。
私たちと同じように仕事では本音は出さず気遣った会話、腹の探り合いは当たり前にする。

夢を見させるのがアイドルなのに、アイドルとしての振る舞い、発言はあくまでも仕事であることにこちらが気づいてしまったら、もうそれは成り立ってない。現実すぎる。

人間が何かを表現するには仕事か素でしかできないのに。

もし素でアイドルをやるなら、夢を見させたまま完璧なままでいないといけないから、プライベートもなくなるし恋愛も結婚もできないし、一度組んだグループから抜けることもそのグループも解散することは許されない。究極的にはアイドルはファンが1人もいなくなるまで死ぬことさえも許されない。

仕事でやるなら、仕事であることを一切感じさせてはいけない。バレてはいけない。アイドルは夢を見させることが仕事なんだから。

そんなの…どっちもできなくない?

てことは、そもそも人間はアイドルにはなれない。できないってことなんだよ。なんて、アイドルなんて職業を誰が作り出したのか知らないけど、そんな不完全すぎるアイドル業そのものに腹さえ立て始めてる。

他の俳優さんの推しのキズはもうほとんど癒えたのに、推し活聖地みたいなアイドルは、与える幸せも不幸せも特大過ぎて、疲れてきてしまった。

あれからも2人は最高を更新してきている。
本当に魅力的で、何度も何度も、スキャンダルのことは忘れてまた夢中になろうと思った。
2人が与えてくれる幸せ部分だけに浸れば、また楽しく推せる。

でも、見たくない情報は本人達を追っていれば否応なく入ってくる。

また追い討ちの情報が来たら今度こそ立ち直れない気がしてしまって、新しい情報が来ても、心を動かさないように摂取している。
薄目で、無心で見ている。

せっかくのエンタメを、一番つまらない形で摂取している気がする。
これは推し活と言えるのだろうか。
お茶の間ファンよりももっと遠い気がする。


最近、アイドルについていろいろなニュースが過多だ。

推しなんか、いっそのこと嫌いになれたら楽なのに嫌いになれない、なりたくない

今、その感情がピークを迎えている。
だから一回吐き出して、成仏させたいと思って筆を取った次第だ。

あわよくば、楽しいだけで埋め尽くされていたあの頃の気持ちに戻りたい。


きっと戻れないのだろうけど。

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