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弱く小さい者として

70年は草や木が生えないと言われた地が今は緑豊かな地であるように
焼け跡に新しい町が生まれたように

たとえ灰になったとしても、雲になり雨になり水になり
何かに形を変えてこの星を巡る。

いつかどこかでまたきっと、次の命に辿り着く。

この星が寿命を終えるまで絶対に途切れない流れの中にいる、弱くて小さい者を侮るな。

どんな結末になろうとも残っていくのは私たちの方だ。
ヒトという存在が残るなら、思いが遺っていくのも私たちの方だ。

あなた方の思いは体の消滅とともに消える。
ヒトという存在が残るなら、あなた方は教科書の最後のページに載るだけだ。

あなた方は紅茶とパンの本当の美味しさすら、知らずに生きて死ぬのだろう。

私たちが負けないことだけが決まっている。
私たちは無にはならない。有のままこの星をまた旅するだけだ。

でも本当はあなたにも、できれば負けないでほしい。
私にはどうにも、あなたが暗闇の中で泣いているような気がしてならない。

どうか誰も負けない未来が、この道の先にありますように。

弱く小さい者として、祈っている。

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