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経営戦略全史

そこそこの厚さがあるので、完全に積ん読になっていた「経営戦略全史」を本棚から出してきて目を通してみる。

「はじめに」でグッと来る。めちゃめちゃ簡単に経営戦略の歴史を紐解いてくれている。

マイケル・ポーターから始まるポジションニング派は、外部環境が大事で儲かる市場で立場を占めれば勝てるとし、大テイラー主義「定量的分析」を重視する。ツールも充実し、SWOT分析、PPM、5フォース。
ジェイ・バーニーを代表格とするケイパビリティ派は、内部環境が大事で自社の強みがあるところで戦えば勝てるとし、大メイヨー主義「人間的議論」を重視する。
第3のアプローチとしてヘンリー・ミンツバーグが「外部環境大事なときはポジショニング、内部環境大事なときはケイパビリティで、どっちもやればいいじゃん」と唱える。経済・経営環境・技術進化が激しく変化するイノベーションの時代に「アダプティブ戦略」が出てきた。「さっさと試行錯誤やろう。そんで一番良さげなポジショニングとケイパビリティでやりゃいいじゃん。

もうすっかり全部読んだ気になった。会社の中でも、この流れを理解しないで議論すると、ひたすらポジショニング派とケイパビリティ派がバトって終わるということがよくある。

かくいう私は、どちらかというと自分の元々の正確はケイパビリティ派であり、スタートアップを生きてきて、資金調達プロセスや、大きい会社の人と仕事のやり取りを通じて、ポジショニング派の考えと実践、更にツール群を理解していった口である。

ポジショニング派は「定量」と「ロジック」という強烈な棍棒で殴りかかってくるのだが、そこに人の気持ちや一人ひとりの能力を勘案しないことがある。理想論的になりすぎるきらいがある。なので、やはり最後の「アダプティブ」になるのはよく分かるなぁ。あとミンツバーグの「とはいえさ、状況次第で使わけないと。ずっとポジショニングだけで勝てないしさ。ケイパビリティだけだと説明力弱いっしょ。」というのもわかる。

一旦はじめの9ページ(414ページあるけど)までの感想でした。もし、この入り方で興味を持った人が居たら、この本はあなたには当たりかもしれないです。


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