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フラウド返金、「Amazonが立派」で終わらせないために必要な論点とは?

メールを受け取ったエージェンシーのCEOが、匿名で語ったところによると、同社のクライアントが受けた被害額は、1社あたり最大で数百万円。これまでの累計出稿費の1%ほどだったという。

記事内ではAmazon DSPが返金に踏み切れたのは歴史が浅いからとある。

この部分は大変に興味がある。

この対応にある前提として、フラウドがあった場合にはその対象文を返金するという取り決めがあったのか。そうならAmazonはフラウドフリーであるということをうたったビジネスをしていたのか。

そうでなかったとしたら、一部クライアントからの指摘から発生し、それを部分的に対応すると整合性が取れなくなる、不誠実な対応となるということでこれを実施したのか。

フラウドは広告を販売する企業であれば例外なく対応しなくてはならない事象である。そして、残念ながらフラウドが発覚した場合にはその被害額の算定と対応、フラウドを行った事業主体に対する法的対応、これらの手順が標準的にならなくては困る。メディア側だけでも、広告主側だけでも、本来はフラウド問題は解決しない。つまり、保険のように第三者がフラウドの認定をし、被害金額の算定をし、被害者と加害者の認定と被害金額の確定をするといったことがなければ、相互の主張が行き来するだけになってしまう。

Amazonはフラウドを返金処理して立派だ、だけでこの話を止めるのはもったいない。目線をもう一段階高めて、この問題の本質、そしてこの問題が起きたときのステークホルダーの整理、ステークホルダーのインセンティブの整理、事後処理の進め方、それに必要なことの整理まで考えていくきっかけとしたいものだ。



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