苦手な人に好かれてしまう体質
長女としてがんばった幼少期
2歳になる少し前のこと、妹が生まれました。なので私は物心ついた時から、もうずーっと長女です。
私はお母さんの手伝いをよくするしっかりとしたお姉ちゃんだったそうです。
そんな私ですが、幼稚園から中学校くらいまで、いつも似たような人間関係で悩んでいました。
「苦手な人に好かれる」
という悩みです。
無視されるとかぼっちになるという経験がない代わりに、なぜかいつも一緒にいて苦痛な人と居る、というおかしな状況に陥っているのでした。
私は大抵、リーダーシップをとるタイプの子に好かれてしまうんですが、好かれていた理由は何となく分かります。
幼稚園時代の私はあまり友達に対して自己主張しない子どもで、お友達が言うことに反抗したことがほとんどなかったように思います。
たとえば、赤と青のおもちゃがあるとき、その子が赤がいいと言えば、自分も赤がいいなと思っていても青を選ぶ、というような子でした。
私は長女だったので、妹に理不尽なことをされることが沢山あったんですが、その度に我慢することが姉の役目と教えられていて、我慢するとめちゃめちゃ母に褒めてもらえました。
で、我慢することはいいことだと思ってしまったんです。
断れない小中学時代
小学校時代の私も、リーダー的な仕切るタイプの子に独占されていて、他の子と遊びたくても遊べないという状況にとても悩んでいました。
男子と取っ組み合いの喧嘩をするような激しいタイプの子で平和主義の私にはついていけないところがありました。その子の仕切りでクラス全体が動いているような感じですが、まるで秘書みたいに使われていたのが私です。
この時は親や先生に相談もしていたんですが、
「嫌なら嫌って断りなさい」とは言ってもらえず、ただ距離を置くように言われました。クラス替え的な物理的な状況によって解決するまで長い時間がかかりました。
中学時代に仲良くなった子は世話焼きタイプ。
困っている人を見たら放っておけないタイプで、最初はいい子なんだと好意的に捉えていました。
ところがその子は束縛がひどい。
私がちょっと一人でトイレに行っただけでも「裏切った」っていわれたり。
もともと広く浅く人と付き合いたい私とは温度差がありすぎるのです。
いちいち一人の行動に文句を言われるので辟易していましたが、中学ともなるといじめから身を守るスキルも必要で、とりあえず敵を作りたくない一心でお付き合いしていました。
部活の時間に彼女から離れることができたのが救いでした。
教室での束縛はクラスが別になるまで1年間続きましたが、部活のお陰で何とか耐えることができました。
私が苦手なのは他人をコントロールしようとする人なんだということが、中学までの経験でかなり分かってきていました。
他人をコントロールしようとする人に近づかない
高校生くらいになると、他人をコントロールしようとする人を遠目で見つけたら、危険信号が点滅して
「この人に気に入られないようにしよう」
「距離を保つようにしよう」
という意識が働くようになりました。
中学までの人間関係で鍛えられたせいか、大人になってからは、付き合う人をきちんと見極めるようにしていて、人間関係のトラブルはあまり起こっていません。
でも他人をコントロールしようとする人に好かれやすいという根本はあまり変わっていないような気がします。相変わらず断るのは苦手ですし。引き続き注意しようと思っています。
子供にもその体質が遺伝?
再びこの体質を思い出したのは娘が幼稚園に通いだした時です。ある日帰宅すると急に怒り出した娘は、いつも一緒に遊んでいるAちゃんのことを、嫌いだというのです。
「別の子と遊びたいのにAちゃんのせいで遊べない。」
別のお友だちに書いたお手紙を奪われて渡せなかった。いつも強く言われて何も言い返せない。
そうか君もか、と思いました。もう身に覚えがありすぎて。。
でも今こそ、あの時大人に言って欲しかったことを私が娘に言わなければ。
「嫌なことは嫌って言おう。断ろう。」
その時娘は「できない」と言ったのですが、その後も彼女が文句を言うたびに、断ることの重要性を話しました。
するとある日「ママ、今日ね、断ったよ!」
と嬉しそうに帰ってきたのです。
安心しました。子は親を超えられるんだなあと。
その後も、やはり時々他人をコントロールしたい人に好かれることは時々あったようですが、しばらく辛抱したあと最終的に「断る」という決断をしているようです。
「断ったら、別の人の方に行くようになったよ。」
ある日娘はそう教えてくれました。
そうだよね。私もそうすれば良かったんだなあ。
自分ができなかったことが次の世代で解決できるって、親業とはつくづく神秘に満ちています。
私自信は今もやっぱり断るのが苦手です。苦手なので、相変わらず人を選ぶことで回避しています。でも万が一の時は、断るという選択肢もちゃんと使えるようになりたいと思います。
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